現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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生命の瀬戸際。
2015-08-29 Sat 20:41

 ストックがなくなってきた……。

 想起するのは好きだけど、書くのは難しいと思う蔵間マリコです。
 1日早いですけど、更新させてもらいますよー。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を書いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 本当なら明日にでも更新したいんですけど、明日は雨が降らない限りはガンプラをがっつりと作りたいですからね。今日は朝が少し遅かったので、作れなかったので予定が入れ替わっただけで。凝り性というか、ちょっとガッツリ作りたい時がありますからねえ。そんなことをするよりも、さっさと書けといわれそうですが。
 とまあ、前座はこれぐらいにして、そろそろ本題へと入らせてもらいます。先に言っておきますが、お世辞にも面白い内容とはいえないかもしれません。それでも読んでくれると非常にありがたいです。それでは今回もどうぞ。
                第14話 鋼の心臓(アイアン・ハート)(7)

 あれから5時間。
 樹里はCCU(冠疾患集中治療室)から未だに戻らなかった。このような発作は1ヶ月に1回ほど起こるらしいが、今回のはかなり酷いもので緊急的な手術が必要なほどだった。
 俺たち3人、そして後で駆けつけたデュタは家へ帰るように江草先生や医者たちに言われたが、とても戻れる気分ではなかったし、安否を見届ける必要があると責任感を感じていた。
「俺が樹里のことを考えていなかったばかりに……。手術の日に近いというのに、それどころじゃないことになってしまって……」
「夏目、お前は悪くない。あれは定期的に起こす体の癖のようなものだ。落ち込まんでいい」
「はい……」
 江草先生が、ソファーに項垂れる俺の肩に手をやり、慰めてくれた。しかし、それでどうにかなるわけでもなかった。
「でも、江草先生も大変ですね。私だったら、とてもじゃないけど看病できないの」
「いや、もう5年も経っているから慣れているさ」
 いつ命に関わるか分からない発作を起こす発作を起こすというのに、江草先生もアイも5年間も看病。親ではないというのに、とんでもない意志力である。
「だが、あいつには前向きに生きてほしくてな。悪戯とか馬鹿やっている時は笑っているんだけど、病気のこととなるとどうにもならなくてな。だから、私はお前たちを呼んだ。何か変化があることを期待してな」
「期待に応えられなくて、すみません……」
「いや、お前たちが見舞いに来てから変わったよ。少し前までは鬱屈としていることが多いが、最近は笑い顔が増えた。それにお前たちのことを楽しく話しているよ。それだけでも大きな収穫だ」
「大和くん、やっぱり私たちがここに来たのは正解だったよ。樹里ちゃん喜んでいるから」
「そうかもしれないな」
「大和くんも笑おうよ」
「わっ!?」
 そらは、俺の口角を引っ張り、無理矢理笑わせようとした。
「止めろよ、止めろって!!」
「大和くん、大和くんが悲しい顔をしていたら、樹里ちゃんが目を覚ました時にどう思うかな?」
「そうだな、クヨクヨしていても駄目だよな」
「そうだよ、大和くん」
俺の口元は自然に笑顔となった。ようやく気持ちが軽くなれそうだ。
「皆様、夜食を作ったです」
「台所を借りて、おにぎりと卵焼きを作った。簡単に手でつまめるぞ」
 薄暗がりの廊下から現れたのは、エプロン姿のアイとデュタだ。それぞれの盆の上には、おにぎりと卵焼き、急須と湯飲みが運ばれている。
「いただきます」
 俺たちは出来たてのおにぎりと卵焼きをつまみながら、紙パックの緑茶じゃない淹れたての緑茶をゆっくりと飲んだ。
「落ち着く……」
「うん、そうだね」
 おにぎりと具のおかかの塩加減、卵焼きの程よい甘さ、緑茶の温かさが荒んでいた心を癒してくれた。
「おにぎりも卵焼きもアイから教えてもらった。私の作り方よりも遥かに上手で驚いた」
「あ、ありがとうです……」
 アイは顔を少し赤らめてはにかんだ。純喫茶の機械人形(オートマタ)も人間らしさを見せるが、アイはそれ以上に人間臭い。江草先生の作ったプログラムの賜物であろう。
「大和、デュタ、そら。これを食べたら、家に帰れ」
「何でですか? 自分にも責任があるから、最後まで見守るのが筋じゃないですか」
「明日も学校だろ。学生が本分を怠ってどうする? 私はお前たちをそのように育てたか?」
「そこまで面倒を見てもらっていません」
 とはいえ、もう11時前。そろそろバスに乗らなければ、タクシーで帰る羽目になってしまう。貧乏学生の身分としては、それは勘弁だ。
 その時、CCUから緑色の術衣を纏った男性医師が現れた。
「どうでしたか!? 樹里の容態は!?」
 江草先生の切迫とした表情と声が、俺にはとても痛かった。俺のせいで、こんな事態になったのだから。だけど、俺はそれを言う権利などない。ソファーに座ったまま、グッと堪えた。
「手術は成功しました。麻酔で意識がまだ戻っていませんが、朝には目が醒めますよ。人工心臓の移植の予定日にも影響はありません」
「良かったあ……」
 江草先生は胸を撫で下ろした。そして、眼鏡を外して、潤んだ目をこすった。ますます申し訳ない気分になった。
「ただ、一つ気になることがありました」
「はい?」
「手術中、樹里さんは何かを呟いていました」
「なにか大切なことを言っていたのでしょうか?」
「さつきのチョコレートケーキが食べたい、と」
 さつきのチョコレートケーキ。それはもしかして。
「患者が麻酔で眠っている間に、無意識のうちに呟くことはありますが、心当たりありますでしょうか?」
「一応、あります」
「そうですか。でしたら、元気になられたら一緒に食べるといいかもしれませんね」
「分かりました。樹里にそう言っておきます」
 そう言うと、男性医師はCCUへと戻っていった。
「大和くん、さつきって……」
「ああそうだな」
「もしかして、知っているのか?」
「知っているも何も。俺とそらは、最近、そこの純喫茶に行っているんですよ」
 江草は驚いた。間違いない、俺たちの想像しているさつきと同じだ。
「江草先生は、もしかしてさつきに思い出でもあるのですか?」
「いや、そこまで大袈裟なもではないが、10年前に行ったことがあってな。確か、機械人形(オートマタ)のいた店のはずだ。しかし、どうしてこんなことを夢で……」
「覚えていたというよりも、記憶の奥底に眠っていたんじゃないかな?」
「そうか。今までそんな話は聞いたことがなかったからな」
 江草先生は、顎に手を当てて、納得がいったかのように一人で頷いた。
「じゃあ、俺たちがそのさつきのケーキを買って来ましょうか?」
「そこまで面倒を見なくてもいい、私が買いに行くさ」
 俺は納得がいかなかった。
「いや、そのくらいの責任を取らせてください。樹里にも思い出のケーキを食べてもらって、病気に立ち向かえるだけの勇気を与えたいんです。今、俺にできることはそれだけなんです」
「夏目、お前……」
 俺は江草先生の瞳を真っ直ぐに見つめた。そして、目線を離さないようにした。
「分かった。さつきのチョコレートケーキはお前たちに任せた」
「ありがとうございます」
 俺はできるだけ落ち着いた声で返事をした。
「大和、一段落着いたことだし、そろそろ帰ろう。ミミが泣いているかもしれん」
「そうかもしれないな。あいつにも心配を掛けることはできん」
 ミューナはともかく、今はミミ。ミミのような幼子を一人で留守番させるのは、あまりにも可哀想だ。
「江草先生、アイちゃん、おやすみなさいなの」
「おやすみなさい、また学校で会おう」
「おやすみなさい」
 俺たちがひと時の別れの言葉をかけると、アイは「皆さん、おやすみなさいです」と、江草は「明日の学校に遅れるなよ」と言った。
 江草先生とアイは、俺たちが見えなくなるまで立って見守っていた。蛍光灯の仄明るい光が、どこか優しく見えた。
「大和くん、もう大丈夫? あんなに自分を責めちゃって」
「ああ。ちょっと前まではどうにもならなかったけど、今はだいぶ落ち着いたさ」
「大和も大変だな。私も見舞いに来れば良かっただろうか?」
「いや、デュタも部活動があったんだろ。それにこうやって、来てくれただけでも嬉しかったよ」
 俺は2人に向けて口元を笑わせた。それに合わせて、デュタもそらも笑って見せた。
「心拍数30、呼吸微弱、脳波微弱!! 一刻も早く患者を第2CCUに搬送して!!」
「オペの準備はできているの!?」
「血栓溶解薬を注射して!!」
 慌しくすれ違う医者と看護師と患者と親族と思わしき人物。病院という名の生と死の境界線は、こんな夜遅くでも関係がない。急患が来れば、全力を尽くして治療し、怪我や病気を治す。そんな責任重大な聖職に、俺は心中敬意するのだった。彼らの素早い処置がなければ、間違いなく樹里は大事になっていたのだから。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は前回の後半部分である、樹里の異常事態からのその後を書きました。前半部分もシリアスでしたが、後半部分もそれに負けないぐらいのシリアス展開でいきました。ラブコメとかそういう展開も嫌いじゃないですけど、やはりこういう真面目なシーンのほうが好きですからねえ。まあ、全体のバランスというものが重要ですよ。
 さて、今回の個人的に力を入れた部分は、大和の心境の変化。どん底の状態から少しずつ回復していくさま。励ます江草先生に、無理矢理笑わせるそら、そして夜食を作るデュタとアイ。少しずつテンポを上げるように注意しました。
 特に個人的には、そらが大和の口元を無理矢理引っ張る動作は悩みました。大和が好きだけど、どこか奥手なそらにちょっと思い切った行動を取らせるのか?くすぐったりとか色々と案が出ていましたが、この場面で一番似合いそうなアクションと思うと、口を引っ張るというものが思いつきました。どうでしょうか?

 面白いけど、なかなか思うように書けないオリジナルのSFファンタジーライトノベル。
 次回は、通常通りに日曜日更新予定。一大事も終わったものの、まだまだ課題が山積みの大和たちに待ち受けるものとは?どのような展開を迎えるのか、それは見てのお楽しみ。

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