現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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恋と機械と。
2015-08-09 Sun 20:23

 進捗状況30パーセントですぅ……。

 思い描いた世界を思いっきり書いている蔵間マリコです。
 さてさて日曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよー。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を書いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 いや~、思ったようにいかないですねえ。1話2ヶ月というノルマを課しているのに、毎月どう頑張っても45%から延びない。どうやっても1話70日のペースが崩せないです……。やる気もあるし、毎日書いてはいるんですけどねえ……。最近寝落ちが酷いし、ストレスが酷いとどうにもならないし……。う~ん、どうにかして60日ペースにするにはどうしたら……。
 とまあ、なかなか上手くいかない日々にやきもきしていますが、それは置いてそろそろ本題へと入らせてもらいます。先に言っておきますが、あまり上手な文章とは言えません。それでも読んでくれると非常にありがたいです。それでは、今回もどうぞ。
                 第14話 鋼の心臓(アイアン・ハート)(4)

 私は仄明るい自室で、PCのモニターと睨みあいをしていた。
 授業内容の質問メールに、取り寄せたパーツの連絡通知、企業勧誘という名のラブレター。数百に渡る電子メールが私の元に毎日送られてくる。機械人形(オートマタ)の開発者だった頃は、関係者以外からは全く送られてこない世界だったが、教師になってからはこれだ。しかし、それも1週間も経つと全く気にならなくなった。
『月給3000万円+研究の成果次第。住居、保険、有給、その他の待遇あり。内容によっては、プロジェクトの主導も可』
 最王手の東雲家電に次ぐ、メガフロンティア社からの勧誘メールだ。特にここの会社のメールは非常にしつこく、ほぼ毎日送られてくる。勿論ながら、私はガン無視を決め、スーパーで買った焼き鳥のキンカン串を頬張る。キンカンとタレの濃厚な味が口の中で広がる。
 その一方で、こんなメールもたまに送られてくる。
『真来菜先輩、新型の機械人形(オートマタ)が完成しました!! 今年の秋、お披露目しますので、ぜひ見に来てください!!』
 白衣を着た男女数名が、ケーブルに繋がれた素体の機械人形(オートマタ)とともに写されている。3年がかりのプロジェクトが達成したようだ。その喜ばしい姿に、私は思わずほころび、あの頃の自分を思いした。
 擬似人格プログラムを作ったとして注目を浴びた私は、中学3年生にして東雲家電への異例の入社をした。プログラミング専門であった私だったが、独学でロボット工学を学び、素体(ハード)の面においても多くのアイデアを生み出した。そして、就職前から集積した擬似人格プログラムと新技術の結晶である素体が一体化して誕生したのが、私の娘、アイである。
 アイは私の所属していた機械人形(オートマタ)開発チームの間では、とても好評であり、同時に子供のように愛されていた。一挙手一挙動、まるで人間と遜色のない動き、人間と何ら変わらない思考パターンや空気を察するなどといったものを集積し、それを行動パターンに変換する機能。人間を完全再現するにはまだまだ遠いが、それでも従来の機械人形(オートマタ)と比較すれば、革命そのものだった。
 この新機軸の機械人形(オートマタ)を開発および実験結果の発表により、業界のみならず工学分野全体を震撼させた。人は私のことを『ロボット工学の革命者』や『科学の魔女』と呼ぶようになり、見る見るうちに有名となった。多くの賞も受賞し、マスコミにも幾度となく取材され、書籍にもなった。人に限りなく近く、人の心にいつまでも残る存在、私の作った機械人形(オートマタ)が席巻すると思われていた。
 しかし、現実はそう都合のいいものではなかった。功績こそ認められど、私の作り出した技術はどれも家電製品として扱うにしてはあまりにも高く、時間もかかりすぎると不採用の判を押され、量産化にこぎつくことはできなかった。
 私は訴えた。所有者に幸せな時間を与え、多くの思い出を作るためには、人に限りなく人に近い形でなければならないと。
 だが、その訴えも虚しく、いくつかの技術をオミットしたものとして販売されることになった。結果として、ごく一部のユーザーしか所持していなかった機械人形(オートマタ)の普及率が上がり、多くのユーザーから満足の声が聞こえるようになった。確かにそれが正解だったのかもしれないが、私の目指す機械人形(オートマタ)のコンセプトから離れつつあることを感じていた。
 時を同じくして、姪の樹里が難病で倒れたとのニュースが私の耳に入った。私の求める理想と世間の求める理想の差、そして両親が共働きで看病する人間がいない樹里。私は、職業としての科学者人生は潮時であることを悟った。
 結局、私はアイとともに東雲家電を去った。研究所の仲間は1人除いてとても名残惜しそうだったが、それを否定せずに受けて入れてくれた。そして、独自で取得していた教員免許で教師になった。今までは夢を作る側の人間であったが、今度は教え子たちに未来を託す側の人間となった。形こそ違うが、人を幸せにすることが目的であることには変わりない。物を作るということが好きなのと同じくらいに、人を幸せにするのが好き。それが私の生き甲斐だ。
 私は東雲家電の研究所メンバーに返信のメールを送る。 『お披露目会、楽しみにしているぞ』と。
 同時に玄関の扉が開く音がした。愛娘のアイの帰宅だ。
「ただいま……、って、凄く行儀が悪いですよ」
「今日ぐらいいいじゃないか。私だって、多少は怠惰をしたものだよ」
「今日ぐらいじゃないです!! 私が出かけている日は、毎日じゃないですか!! 栄養バランスだって、偏っていますです!!」
「ははは、そうかもしれんなぁ」
 最新型PCの隣に置いてあるのは、総菜屋で買った焼き鳥3本と手羽餃子4個に、貰い物の芥子(からし)蓮根を数切れ、そして500mlビール缶。確かにこれは栄養バランスが偏っている。
「明日の弁当は野菜主体にしますです」
「唐揚げ弁当、頼むぞ」
「駄目です!!」
 私はアイを少しおちょくった。もう16年の付き合いだというのに、相変わらずの反応だ。
「そういえば、どうだったか? 夕食は楽しかったか?」
「はい、レシピを教えたところ、とても喜んでいたです。楽しい夕食会だったです」
「そうか、それはとても良かったなぁ」
「ただお願いです!! アイもみんなと一緒に食事をしたいです!!」
「おいおい、またかよぉ……」
「当然です!! アイは、みんなの作った料理を食べたいのです!!」
 涙ながらに訴えるアイ。研究所時代からずっと聞き続けているアイの悩み。
 しかし、流石に私はそこまでする技術はいずれできるだろうが、今はできなかった。
「はいはい、分かったよ、いつか食事できる機能を作ってやるからな」
「ホントですよ? 約束ですよ?」
「全く我侭な娘だよ」
 私は膨れっ面の愛娘の顔を酒の肴に、2本目のビールを飲み干した。もう1杯ぐらい飲みたいが、これ以上言われるのも面倒なので今日はこのぐらいにしておこう。
「あと、お母さんに聞きたいことがあるのです」
「なんだぁ?」
「恋をするって、どういうことなのですか?」
 体内のアルコールが一瞬で抜けた。
「もしかして、ラブラブになった相手でもいるのかぁ?」
「違うです。でも、恋というものにどういうものなのか気になっているのです」
 アイの顔が火照っていた。まるで私がお酒を飲んでいた時のように。
「恋というのは、手を繋いで仲良く話し合ったりすることなのですか? 互いに目を瞑ってキスをすることなのですか? エッチなことをするということなのですか? 教えてくださいです」
 唐突もない質問に、私は無意識のうちに髪の毛を掻いた。あいつらはどんな入れ知恵をしたんだ? 
それとも、何か変なものでも食べたのか?
 しかし、答えないわけにもいかなかった。私は10秒ほど思案した。そして、答えを出した。
「そうだな……、月並みだが、恋というのは盲目だな」
「盲目、ですか?」
「人間というのは、誰かが好きになると頭が一杯になる。あの人が好きで好きでたまらない、近づきたい、振り向かせたい。それが恋というものだ」
「なるほどです。アイ、また1つ賢くなったのです」
「しかし、恋というのはあくまでも過程に過ぎない。それよりも更に1つ上のステージがある」
「そ、それはなんですか!? アイ、気になるのです!!」
 押し倒されそうなほどに接近するアイ。私は思わず椅子に背もたれ、そのまま倒れそうになった。
「冷静になれ、アイ。そんなに興奮されては答えられん」
「ご、ごめんなさいです」
 しょんぼりして数歩ほど後ろに下がるアイ。いつもは控え目、それどころかあまり意見しなかったりするが、熱暴走(あつく)なると饒舌になる。もっと普段から積極的なら楽ではあるのだが。
 さて、気を取り直して教えてやらなければ。
「恋の1つ上、それは恋愛だ」
「恋愛、恋愛、恋愛……」
 いつものようにアイは小声で復唱する。いつの頃だか分からないが、アイは樹里の口癖がついていた。これはオンリーワンであるアイならではの機能でもある。
「恋というのは盲目的なものであるが、恋愛というのはお互いの恋心を受け止める、理解しあうということだ。漢字の受けるに、心を入れると愛。恋心を受け入れて、恋愛だ。私はそのように考えている」
「なるほどです……。とても勉強になるのです」
 アイは納得の表情だった。これで変に喰いつかれでもしたら、答えるのに少し困ったことになっていたかもしれない。
 しかし、アイはその困った質問をしてきたのだ。
「ところでお母さんは、恋愛をしたことあるのですか?」
「なんで、そんなことを聞く?」
「お母さんも好きな人がいるかなあと思いましたです」
「はぁ、そんなことも言わないといけないのかぁ?」
「はいです」
 やはりもう1本ビールを飲みたくなった。娘が相手でもこんなことを聞かれるのは流石に癪だ。
「はいはい、その話は終わりだ」
「ど、どうしてです!? お母さんのことをもっと知りたいです!! 人間の言う恋と恋愛というものをもっと知りたいのです!!」
「私にだって、極秘事項(トップシークレット)だってある。全部が全部話せるわけじゃない。さっさと寝てエロい夢でも見ろ。明日も学校だからな」
「わ、分かりましたです……」
 そういうと、アイは何とか引き下がり、自室へと戻っていった。
 私は気疲れの溜息とともに、アイの変わりように少し感心した。
「アイが恋とか恋愛とかに興味を持つとはぁ、まるで年頃の女の子だな。あいつを学校に行かせただけの価値はあった」
 そういえば、私が16歳の時、恋とか恋愛というものをしていたのだろうか? 随分前のことだから思い出せないのか。あるいは、そういった経験とは無縁だったから思い出しようがなかったのか。どちらにしても、深く考えるのは得策ではないようだ。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?今回は、機械人形(オートマタ)のアイと創造主である江草真来菜とのやり取りを書きました。どうでしょうか?
 個人的にこの場面で力を入れたポイントは2つ。1つは、江草の過去と江草の恋愛観の2つ。前者については、ウキウキするぐらいに筆が進みましたよ。リリィやアリスの過去もそうですけど、回想って普段は水中に潜っているキャラクターの設定を思う存分公開出来る場ですからね。ただ、今回に関してはもうちょっとどうにかやりようがあったのではないかと、反省しております。なんと言いますか、科学者ならば科学的な台詞を入れるべきだとは思っているのですよね。でも、そういう知識がない人間ですからね。もっと勉強すべきだとは思っていますけど、精進が必要ですな、これは。
 それと江草の恋愛観についてですが、こちらも同じようにもうちょっと科学者的な発言したほうが良かったとちょっと後悔しております。特に月並みなんて、科学者らしからぬ台詞ですからね。やるのならば、もっと突飛で少し頭がおかしいぐらいの言い回しじゃないと。ただ、もう完成した頃に気付きましたからね。修正するにも修正できず、そのまま出してしまいました。猛反省の必要アリ。

 なかなか思うように書けないオリジナルのライトノベル。
 さて、次回はいつものように日曜日更新予定。担任の江草との約束を果たした大和だが、果たして大和たちに待ち受けているものとは?それは見てのお楽しみ、ということで次回もよろしく!!

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