現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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仲睦まじい関係。
2015-07-06 Mon 20:22

 月曜日更新なので、例によって簡略化させてもらいます。

 なかなか14話目が完成しない蔵間マリコです。
 先日、別の記事を書いたので更新できませんでしたが、今日更新させてもらいますよー。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を書いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 すいませんねえ、ここのところ、月曜日更新が多くて。本当なら日曜日に更新したいんですけど、日曜日は日曜日で別のことを更新しましたからねえ。かといって月曜日ですと、後書きやら何やらを書く時間がありませんし。まあ、自分の趣味ごとでありますけど、それでもだらしないがないというか。もっと精進しなければ。
 とまあ、ちょっと愚痴っぽくなりましたが、そろそろ本題へ入らせてもらいます。先に言っておきますが、あまり上手ではありませんよ。それでも、読んでくれると非常にありがたいです。それでは今回もどうぞ。
                    第13話 16進数の生命体(9)

「ふむ、そんなことがあったのですか。とてもいい話ですな」
 渋めの服を着た白髪交じりの老人が感心そうに頷いた。
「私もアイちゃんの魅力が分かって、とても好きになったの」
「いや~、本当に昨日は良かったよ。あの料理を除いて」
「あの料理?」
「な、なんでもないです」
 アイとの感動的なエピソードの片隅に、あのおぞましき暗黒物質(ダークマター)的料理を思い出した。誰があの料理を作ったのかは、大体想像つくが、どうしてあそこまで不味い料理が作ることが完成するのだろうか? ミューナ以上の料理下手である。あれで決闘をしようと思ったのは、余程の胆力があるとしか思えない。あるいは身の程知らずか。
「はい、レモネードとミルクティー。それと、チョコレートケーキです」
 黒髪が美しい機械人形(オートマタ)、さつきが飲み物とケーキをお盆に載せて現れた。
「あれ? チョコレートケーキなんて頼んでないけど」
「これはマスターと私からのサービスです。若い人で、ここのお店に来てくれるのは御二人方だけぐらいですから」
「ありがとうございます!! じっくりと食べさせてもらいます!!」
 俺はチョコレートの甘さ漂うケーキを一口入れた。ずっしりとしながらも、刺激的な風味が心地良い。
「でも、こんなに素晴らしいお店に若い人が来ないなんて。なんでかな?」
「やはりこういうお店は流行りから外れてますからね。堅苦しい雰囲気が苦手な人が多いのかもしれません。サラリーマンですら、あまり来ませんから」
「そんな!! 私はここの空気が好きなの!! 店長とも大和くんともこんなに明るく話せる場は、そんなにないと思うの!!」
 そらはやや声高に語った。客がいたら何かと思われるかもしれないが、幸いお店には俺とそら、店主と機械人形(オートマタ)の4人しかいない。
「そうですか。そこまでここのお店を気に入ってくれたことを幸いに思います」
 店長は胸を押さえつつ、感謝の意を籠めて頭を下げた。
「ところで1つ聞いてもよろしいでしょうか?」
 さつきがどこか申し訳なさそうに質問をした。
「何か気になったこともであるのか?」
「おふたりさんの関係というのはどういうものでしょうか? もしかして、恋人の関係なのでしょうか?」
「う゛ぶっ!?」
 レモネードが気管支に入ってしまった!! 苦しい、苦しい!!
「お客様、大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫だから。ちょっと変な方に入っただけだから……」
 しかし、こんなに清純そうな機械人形(オートマタ)がとんでもない質問をしてくるとは。前に同じような質問を、それも数回質問されたが、こんなところでも質問されるなんて。少し油断すれば、これだ。
「もしかして、聞いてはいけなかった質問だったのでしょうか?」
「いや、別に構わないんだが。う~む……」
 息と思考を整えた俺は、数秒間ほど沈黙した。そして。
「一言で言うと、くされえ……、あんぎゃあっ!?」
 俺の足に、激痛という名の電撃が走った。そらが俺の足を強く踏んだようだ。
「私と大和くんは、誰もが羨む恋人関係なの」
「成程。確かにそう見えますな」
「やっぱり、そう見えます!? そう見えますよね!!」
 勝手に話を進めるそらに対して、俺は反論しようとしたが、とてもできなかった。足を踏まれているし、強硬手段を取れば、恐ろしい結末が待ち構えているだろう。その恐ろしい結末というものがどんなものかは、とても想像がつかないが。いや、想像したくない。
「私と大和くんは実家が隣同士で、物心ついた頃から幼馴染みだったの。最初は大和くんが悪戯をするからちょっと苦手だったけど、それでもちゃんと謝ってくれたし、困っている時は必ずと言っていいぐらい助けてくれたの。特にいじめっ子が……」
 そらの思い出話は舌の根が乾く暇もなく、息継ぎする間もなく、およそ10分ほど続いた。いつもの暴走ではあるが、色恋話で長々と話すのは久しぶりだ。それと俺の足は、未だに踏まれている。
「そんなことがあったの。だから、私は大和くんに感謝してもしきれない。好きで好きでたまらない。だからこうやっていつも大和くんと一緒にいるの。大和くんも私のことが好きだよね?」
「はいはい」
「やったぁ!!」
 そらは天にも突くかのような万歳をした。そこまで大袈裟にならなくても。
「そらさんはとても幸せですね。私も羨ましいです」
「えっ、機械人形(オートマタ)でもそう思うことがあるの?」
「はい。機械人形(オートマタ)でも、羨ましい事はあります。いや、羨ましいことだけではありません。嬉しいことも、悲しいことも、腹立たしいことも、楽しいことも。きっと、さっき話したアイさんという方も同じ心境かもしれません」
 俺はさつきの言葉に感心すると同時に、少なからずとも疑問も抱いた。
 それは本当に人間と同じように心から思っていることなのだろうか? あるいは、膨大なプログラムが成せる業なのだろうか? そもそも、機械人形(オートマタ)の心というものはどういうものなのだろうか? 今までは全く考えたことなかったが、考え始めるとキリのない謎である。
「大和さんもそらさんのことを大切にしてくださいね。大切なものは、いつ失うか分かりませんから」
「分かっていますよ、幼馴染みですから」
 いつもなら腐れ縁と言うが、今回ばかりは言わなかった。さつきさんにこんな話をしてもらった手前、それを無碍にするわけにもいかないからだ。
「さて、そろそろ会計をさせて……」
「あっ、大和くん!! まだ私、ケーキ全部食べていないよ!!」
「ったく、喋っているばかりだからだよ」
 結局、俺はそらがケーキを食べる終えるまで待った。

「ありがとうございましたー」
 ドアに取り付けられたベルの音ともに、店長とさつきはお辞儀をした。
「楽しかったね、大和くん!!」
「俺は最悪だよ……」
 結局また新たな誤解を作ってしまった。もっとも、色々な所で誤解されているから今更でもあるが。一層のこと、開き直ったほうが精神衛生上良いかもしれない。でも、それはそれでまたこじれる可能性も十分あるが。
「でも、ごめんね。また周りが見えなくなるほど熱くなって」
「自覚しているんならいいさ。ただ、捏造だけは止めてくれないか」
「捏造じゃないよ。私は大和くんのことが好きだから」
「俺の意志を無視しないで……、うわっ!?」
「だって、こうやって私は大和くんにこんなこともできるんだから……」
 なんと、そらが俺の右腕に引っ付くように抱きついてきたではないか!?
「ななな、何をしているんだよっ!!」
「大和くんのことが好きだからしちゃ駄目なの?」
 そらは俺を上目遣いで見つめた。どこか不思議そうでどこか悩ましい、何ともいえない表情だ。
 しかし、周りからじろじろ見られるのは堪らないし、そらをここで甘やかしたら歯止めが利かなくなってしまう。ここできっちりと断らなければ。
「なあ、そら。お前の気持ちも分かるがや……」
 その時、純喫茶の機械人形(オートマタ)の言葉と顔がよぎった。
 大和さんもそらさんのことを大切にしてくださいね。
「分かったよ……。ただし、あの通りまでな。俺だって、あまり目立ちたくないんだ」
「本当に!? ありがとう、大和くん!!」
「やれやれ……」
 結局は断ることが出来なかった。いつものように幼馴染みだからというのもあるが、さつきの言葉が思った以上に俺の心に響いていたのかもしれない。
 だが、そらのここ最近の変わりようにも不安があった。
 なんと言うのかわからないが、そらが妙にアグレッシブというか、こうやってスキンシップを求めたり、誘惑することが非常に多くなっている。
 いや、昔から何かとせがむ事は多かった。それでも、ここまで大胆なことをすることなんてなかったし、セクシャルなことは殆どなかった。一体、そらに何があったと言うのだろうか?
 とはいえ、俺もまんざら悪い気分でもなかった。幼馴染みが相手ではあるが、こうやって抱きつきながら歩くことなんて普通はなかなか出来ないものである。これで嫌だなんていえば、武士から贅沢な悩みなんて言われそうだ。というよりも、間違いなく言われる。
「大和くん、どうしたの? なんか難しそうな顔をして」
「えっ、そうなのか?」
「うん。何か考えている顔だったよ」
「そ、そうか? 俺は、別に悩んでいるわけじゃないぞ。あはははは」
「あっ、分かった!!」
「何がだよ」
「今日の夕ご飯を何にするか、困っているのでしょ!!」
「あひゃ?」
 俺はそらの頓珍漢な発言に、思わず脱力してしまった。
「そんなわけないだろ……。大したことを考え……」
「2人ともこんなところで何をしているんだ?」
「夏目さんに、星野さん。こんにちはです」
「でゅ、デュタ!! それにアイ!!」
 俺は突然の2人の出現に、パニック気味だった。
「きょ、今日は部活動じゃなかったのか!?」
「部活は急遽工事が入って、今日は休みだ。だから、アイの親友たちと買い物をしていた」
 俺とそらの情事を見て、あっけらかんとした態度のデュタ。宇宙人の価値観恋愛とかは分からないが、デュタがその手の話に鈍感なおかげで助かった。
 それよりも問題なのは、アイのほうだ。
「もしかして、星野さんは夏目さんの……」
「うん、大和くんは私の……」
「幼馴染みだ!!」
「大和くん!!」
 俺は変な誤解をまた生みたくないために、先手を打った。
「俺とそらの実家は隣同士で、物心ついた頃からそういう関係なんだ!! 昔からそらは、俺が行くところに行きたがる癖があってな、今日も用事があるからって着いて来たんだ!! あははは!!」
 いつになく俺は早口だった。こんな状況をさっさと打開したかったからだ。
「そうなんですか?」
「ああ、そうだそうだ!!」
「違うよ、私は……!!」
「そうなんですよねえ。夏目さんと星野さんがいつも仲が良いと思ったら、そういうことだったんですかあ。アイ、納得です」
「ほっ……」
 ひとまず、ピンチを切り抜けることが出来た。しかし、そらの視線がどこか痛かった。ごめんなさい、さつきさん、約束を守れなくて。
「しかし、お前ら2人は何を買っていたんだ?」
「ああ、そこのことか。私とアイは、ちょっとたぬきのケーキなるものを買っていたんだ」
「たぬきのケーキ?」
 アイは『東雲スイーツ』と書かれたケーキ屋の紙袋を見せる。初めて聞いた名前のケーキだ。文字通りたぬきが作ったケーキなのだろうか?
「大和もそらもたぬきのケーキというのを知らないのか?」
「俺だって、知っているものと知らないものはいくらでもあるって」
「私も初めて聞いた名前だよ」
「もしかして、そのたぬきのケーキというのは、俺たちへのプレゼントか。それだったら、気が利くのだが」
「ううん、これはアイの妹の分なんですよ」
「妹?」
「うん、アイの妹は人間なんですけど、とっても可愛いのですよ。わがままも少し言いますですけど」
「その子が持ち主(マスター)じゃないのか?」
「マスターは別にいますです。マスターというよりも、お母さんですけど。アイはそのお母さんと一緒に住んでいるんですよ」
「お母さん、ねえ……」
 妹とか、お母さんとか言うあたり、どこか人間臭さを感じる。さつきという機械人形(オートマタ)ですら店長のことをマスターと言っていたのに、アイが特別なのかもしれない。
「そのアイのお母さんと妹のことですが……」
 どこか自慢げに語っていたアイが、突然、もじもじとした態度を取るようになった。トイレにでも行きたいのだろうか? 機械人形(オートマタ)が用を済ますとは思えないが。
「今からアイのお母さんと妹に会ってくれないですか?」
「えっ」
 ちょっと意外な発言に、数秒間ほど思考が停止した。
「お母さんが、ぜひ会いたいと言っていたんですよ。どうして会いたいのか分かりませんですけど」
「う~ん、いきなり言われても……。困ったなあ……」
「これは私からも頼みだ。お願いだ、人助けだと思って引き受けてくれないか」
「大和くん、どうする?」
「そう言われても……」
 これが数日前に聞かれたことなら答えを出せたであろう。しかし、これがすぐのすぐとなれば話が違う。安易に答えを出すわけにもいかない。
 かといって、頼みごとを断るのもどこか気が引けていた。困っている者がいるというのに、それを助けてやらないのは俺の信条に真っ向から反する。
 二律背反(アンビバレンツ)、俺が出した答えは。
「ああもう、分かったよ。そのアイの母親と妹とやらに出会ってやるよ」
 若干感情に任せていたが、大したことではないと思い、俺は承諾した。
「ありがとうございますです!! 早速行くのです!!」
「ああっ、ちょっと!!」
「アイちゃん!!」
 アイは、まだそらが抱きついていることを気にせず、俺の手を引っ張る。思った以上に力があるせいか、このまま引きずられそうだ。
 しかし、そのアイの母親と妹というのはどういう人物なのだろうか? そして、俺たちにどんな用事があるのだろうか? 皆目見当つかない。
 ただ、出会った後で言えることが1つだけあった。その先で待ち構えている出来事が、俺の想像以上のものであり、度肝を抜くことであることを。

                                             第13話 終わり

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は第13話のラストを掲載しました。基本的には純喫茶さつきでの4人のやり取り、特にそらの色恋話はいかに面白くなるか注意しました。ちなみに後半部分のたぬきのケーキというのは、実際に存在するものですよ。詳しくは検索でチェック!!

 面白いけど、苦戦することも多いオリジナルのライトノベル。
 これでとりあえずは13話目終了。来週からは14話目といきたいところですけど、完成していないんですよねえ……。これでも毎日頑張ってはいるんですが……。色々と能力が低いな、俺。

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