現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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決闘の行方。
2015-06-28 Sun 20:42

 第14話がなかなか完成しない……。

 進捗状況が最悪の蔵間マリコです。
 さてさて日曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を書いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 う~ん、書き始めは良かったものの、最近は調子が今一つ。進捗状況にして60%、第13話が終了するまでにとても完成するものではありません。いや、別に精神状態が悪いとか、アイデアが思いつかないとか、PCにトラブルがあったというわけじゃないです。どうも書こうにもモチベーションが上がらない日々が続いて……。調子が良い日は3ページ4ページ分は書けるんですけど、全然ダメな時は半ページ分しか進まなくて。7月始めには終わらせたかったんですけどねえ、なかなか上手くいかないようです。
 とまあ、ちょっと愚痴になってしまいました。そろそろ本題へと入らせてもらいます。先に言っておきますが、非常に読みにくい内容かもしれません。それでも読んでくれると非常に有り難いです。それでは、今回もどうぞ。
                    第13話 16進数の生命体(8)

「はっ!?」
「あっ、目が醒めましたか?」
「今は朝なのか!? 何時なんだ!?」
 俺は目の前の黒髪癖毛の長身少女に問い質した。
「寝ていたわけやない。気を失っていただけや」
「えっ? ここ、家じゃないのか?」
「そうやで。家庭科室や」
 関西弁の少女が返答するが、ここが何処なのか、俺の身に何が起きたのかをすぐに把握することができなかった。
「確か俺は何をしていたんだっけ?」
「何って、今は料理対決をしているんじゃないですか? 忘れたんですか? とぼけないで思い出してくださいよ~」
「えーっと、えーっと……」
 俺は紐を手繰り寄せるように記憶を呼び起こす。
 転校生の機械人形(オートマタ)の少女、数学の授業、クラスに馴染めずに困り果てた転校生、ブリジットの変則ルールによる料理での決闘、くじ引きによる審査員の決定、覗き見、料理の試食、この世の物とは思えぬ謎の物体の……。
「ああ、そうだった……」
「そうだよ……」
 隣でぐったりしている武士を見て、それがどれだけの大惨事であるかを思い出した。
「なんじゃ、ヤマト? なに浮かない顔をしておる? もしかして、料理のことかの? あれは、とても美味じゃ。我々の思い出の味じゃ」
「えっ」
 うっとりしているミューナに、俺と武士は思わず振り向いた。
「さて、意識を取り戻したところで、次行ってみよー!!」
「残す料理もあと2つや」
「そうじゃな、黄色の箱の料理じゃな」
 ミューナはビシッと黄色の箱を指差した。
「では、黄色の箱、オープン!!」
 黄色の箱の中から現れた料理、それはとても馴染み深い料理だった。
「おーっと、これは!! 誰もが大好きなお袋の味、肉じゃがです!!」
「おおぅーーーーーーーーーっ!!」
「ちなみに、うちは牛肉よりも豚肉派やで」
 醤油と出汁の程よい香りがする。さっきの謎料理との落差もあるかもしれないが、これはとても期待できる。
「それでは一口……」
 俺は牛肉と程よく色づいたじゃが芋ともに口の中に入れた。
「うん、まあまあだな」
「同感。まあまあ美味しい」
「そうじゃな、まあまあじゃな」
 まるでテレパシーで繋がっているのかと言いたいぐらいのほぼ同じの感想だった。
「あれ? 感想はそれだけですか? それじゃあ、イベントとして盛り上がりませんねー」
「いや、だってこれぐらいしか言うことがないし。敢えて言うなら、親しみやすい味かなーってぐらいで」
「はぁ、そうですか」
 アキはどこか釈然としない態度だった。それでも、俺たちが抱いた感想は変わらなかった。
「肉じゃがの感想もほどほどに、残すは青の箱やな」
「大丈夫かな? もう満腹に近いが」
「俺は可愛い女の子のためにならいくらでも食えるぜ!!」
「それでは、最後の箱をオープン!!」
「おおおおおおおおおぅーーーーーーっ!!」
 最後に残された青の箱が開けられ、中の料理が明らかとなる。
 中から現れたのは、彩り鮮やかな煮物だった。
「これは作った人が言うには、根菜の煮物だそうです」
「人参に、牛蒡に、蓮根。まあ、よくある煮物の一つやな。しかし、シンプルさがたまらんわ」
 翠の言うとおり、煮物からはとてもいい香りが漂っていた。もう満腹に近いが、どうしてかまだまだ食べられそうだ。
「それでは、最後の試食をどうぞ!!」
 そうアキに勧められ、俺たち3人は根菜の煮物に箸をつけた。
「あ……」
「なんだこれは……」
「にゃ……」
 煮物を食べた瞬間、箸を落としてしまった。
 こ、これは……。
「あの~、もしかしてまた不味いのでしょうか?」
「いや違う」
「大和もそうか」
「妾もじゃ」
 先ほどと同じように全く同じ感想。しかしながら、食べた料理に対してへの反応は全く違った。
「本当に美味いんだ。声にならないほどに美味いんだ」
「ああ。今まで食べたどんな料理よりも美味しい。美味しくて涙が出ないほどに美味しい」
「妾も大満足じゃ」
 大袈裟かもしれないが、本当にそのくらい美味かった。きっとこれから先、ここまで美味しい料理に出会うのは難しいかもしれない。
「しかし、どうしてこんなに美味しいのじゃ?」
「ああ、俺は分かっているぜ」
 俺やミューナに代わって、料理の知識が深い武士が解説を始めた。
「まず、この煮物の最大の特徴は野菜を個別に煮ていることだ。これは高級料亭などでも使われている調理法であり、これによって味を濁らせずに、純粋に野菜単体の味を味わうことができる。そして、
野菜によって使う出汁の濃さや味付けも変えており、野菜を盛る時にも別の出汁を使っている。
野菜と出汁の一体感、これがこの煮物の最大の特徴であろう。他にも、根菜一つ一つ細かい包丁で細工をしているし、見栄えも最高だ。こんな料理を食べれるなんて思わなかった」
 言い切った武士の顔はとても清々しかった。まるで大会で優勝をしたアスリートのようだ。
「解説ありがとうございます!!」
「これで全ての料理が終わりやな。ここから先は、審査タイムやな」
「今回の参加者の皆様、入場してください!!」
 アキが勢い強くドアの方へ向かって右腕を向けると、料理を作った参加者たちがぞろぞろと現れ、教壇前と現れた。
「この私(わたくし)の作った料理は、いかがだったかしら?」
「全力を尽くせるだけ尽くした。どんな結果でも、私は受け入れるぞ」
「大和くん、どれが私の料理か分かったかな?」
「大和さまが、私の作った料理を選んでくれることを信じていますわ」
「ボクの料理どうだった!?」
 各々が各々、どこか自信に満ちている。それだけに料理に全力を尽くしたのだろう。
 ただし、例外が一人いた。アイだ。
「だ、だいじょうぶですかな……?」
 自信満々の面子とは対照的に、とても不安そうなアイ。もし、ここで決闘に勝って認められなければ、これからも浮いた存在として学園生活を送らなければならない。贔屓できるわけではないが、アイの作った料理であることを願うしかない。
「審査員の皆さんは、どの色の箱の料理が一番美味しかったか決まりましたかー?」
「そうじゃな、妾は決まっておる」
「俺もだぜ」
「ああ」
「では、この紙に色を書くんやな。談合は無しやで」
 翠は、『東雲商店』とうっすらと書かれたメモ用紙とどこにでも売っているボールペンを渡した。
 俺たち3人は、スラスラと特に悩むことなく書いた。食べた料理の中で、一番美味しいのを書けばいいだけなのだから。
「3人とも書いたやな」
「ふむふむ、これは面白い結果ですねえ」
 メモ用紙を読んで満足げな顔のアキと翠は、教壇へと駆け上がる。
「さてさて、皆さん!! そして、挑戦者の方々!! 今回の決闘の勝者が決まりました!!」
「それでは箱の色と勝者の名前を公開するでー!!」
 部屋内は暗くなり、赤や緑、青といった光が入り乱れながら、ドラムロール音が流れる。一体、何処でこんなものを用意したのだろうか疑問に思うが、そんなことを考えている場合ではない。
 誰がこの決闘の勝者となるのか? 
 妙か、ブリジットか、デュタか、そらか、リリィか、アイか。
 いつの間にか目を瞑って、両手を固めていた。選ばれる側ではなく、選ぶ側なのにこんなに緊張するとは思わなかった。
 十数秒間のドラムロール音の果て、アキが口を開いた。
「今回の料理対決の勝者は……」
「黄色の箱の肉じゃがを作った……」
「アイさんです!!」
「うおおおおおおおおおおおおおぅっ!!」
 家庭科室内が歓声と熱気で最高潮となった。
「あ、アイが、アイが決闘に勝ったのですか!?」
 アイはこの事実が噛み砕けないでいた。それだけに、アイは自信がなかったのかもしれない。しかし、現実には料理対決の勝者となった。それが飲み込めないのでいるのだろう。
「そうや、あんたが勝者や」
「アイさん、勝者のコメントをどうぞ!!」
「つ、つねって確認しないと!! 痛くないけど、でも夢じゃないです!! やったぁっ、アイが勝っちゃったです!!」
 先ほどの弱気な表情はどこへやら、頬をつねったアイは涙と思わしきものを流しながら喜びに満ちていた。そして、ぴょんぴょんと跳ね、体全身で喜びをアピールした。
「いやー、盛り上がりまくりですねー。では、審査員のコメントをどうぞ」
 アキは、俺たち3人にマイクを向けた。
「一番美味しいと思ったのは、最後の根菜の煮物だと思う。だけど、個人的に一番好みの味だと言われると、この肉じゃがだったな。ちょっと塩気が利いていて美味しかった」
「いつもなら塩辛いかもしれないが、ちょうどいいぐらいの塩辛さだったぜ」
「塩辛い? 妾のは、甘くて美味しかったのじゃが」
「ん?」
 ミューナの言葉に違和感を覚えた。俺と武士は塩気が利いていて美味しいと言っているが、ミューナは甘いと言っている。ネコ耳宇宙人の故郷の味が人間の食べるものとかけ離れているのはともかく、ミューナは決して味音痴ではない。これはどういうことなのだろうか?
「ちょっとその皿、貸してくれないか?」
「別に構わんで」
「食い意地の張った奴じゃ」
 俺はミューナの食べた肉じゃがの皿の汁を指で触れ、それを舐めた。
「あっ!? 違う!?」
「夏目さん、そうなんです」
 アイは3つのミルクパンを鍋敷きの上に置いた。
「審査員の呉さんと高野さん、これを味見してくださいです」
「ええんか。ほな、味見をさせてもらうで」
「じゃあ、いただきます」
 アキと翠は、それぞれのミルクパンの中にあった肉じゃがを一口食べた。
「これは、確かに違いますねえ。3つとも味が違います」
「左のは塩と醤油を強めやな。右のは砂糖が利いてて好みやな。真ん中のは、その間という感じや」
「実は、全部味を微妙に変えているんです。犬飼さんの肉じゃがは少し塩を強めにして、ミスティールさんの肉じゃがは少し甘めにしたんです」
 会場内がざわめいた。俺を含めた大半の人間に、アイの意図がいまいち理解できていないようだ。
 だが、その答えを知っているものが一人いた。
 武士だ。
「なるほど、食べる相手の身体状況や好みを考えて作ったというわけか」
「うん。4時限目は体育の授業だったので、みんなが汗を流したからちょっと濃い目に作っちゃいましたです。特に犬飼さんは、陸上部に入っているという話を聞いたので、夏目さんのよりも少し辛いほうがいいかなあって思ったのです。ミスティールさんは好みが分からないけど、女の子だから甘いほうが好きかなあって思ったのです……」
「おおっ」
 どこからか驚嘆の声が聞こえた。
「アイは、一人一人が満足できる味を考えて作りましたのです。どうしたらその人に笑顔になってもらえるか、どうしたら満足してくれるか、どうしたら幸せになってくれるか。料理の上手な人には到底及ばないけど、料理を作ることで一番重要なのはそれじゃないかって考えているのです……。どうですか?」
 アイは、恥ずかしげに手の内を曝した。まさかここまで考えて料理を作っていたなんて。俺もファミレスでバイトをしているが、そこまで考えたことがなかった。というよりも、ファミレスだからそういった要素の優先順位が低いだけなのかもしれない。
「アイさま、凄いです!!」
「わわっ!?」
 妙が、アイに抱きついた。
「アイさまがこんなにみんなのこと考えていたなんて!! 私もそれを見習って、大和さまに手作り料理を作りたいです!!」
 とても抱きつきながら言うような台詞じゃないけど、妙がアイのことを信頼における存在になったと確信できる瞬間だった。
 それは妙だけではなかった。
「アイちゃんは特別な子じゃなくて、みんなと同じクラスメイトだよ」
「ボクにも料理の作り方教えてください!!」
「おめでとう、アイ。そして、改めてよろしく」
「何があったのかよく分かりませんが、今回の決闘は貴方の勝ちですわ」
「あ、あわ……」
  惜しみない賞賛を称える決闘者たち。慣れない状況にアイはぎこちない表情だが、とても嬉しそうだ。
「よく頑張ったぞ!! 機械人形(オートマタ)!!」
「今まで変な目でごめん!!」
「勝利おめでとう!!」
「私もアイちゃんの料理を食べたい!!」
「み、みんな……」
 そして、ギャラリーも同様だった。アイに送られる絶え間ない拍手と歓声。最初こそは人と異なる存在と第一印象(ファーストインプレッション)の関係で浮いていたが、アイの相手を思っての行動に心揺れたようである。
 そんな素晴らしき光景を見て、俺は思った。アイのことをクラスメイトとして仲良くしようとしていた
が、それは同情心から始まったものだったかもしれない。どこか距離感を感じてたのかもしれない。しかし、今ではそういったことを抜きでアイのことを純粋にクラスメイトの1人として認めることが出来る。
 決闘者たちからも、ギャラリーからも認められ。アイも俺たちもこの決闘をした意義はとても大きく、心に残るものになったに違いない。
「みんな、みんな、ありがとうです!! アイ、嬉しいです!!」
 アイの笑顔は、とても眩しかった。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、3回に渡って書かれた料理対決ですが、今回はその決着となるパートを書きました。自分としては、このパート全体がちょっと長くなっちゃったなあと思います。それと同時に、その分力を入れた場面かと思います。
 中でも紫の箱の地獄の料理を食べた後の大和の反応と料理の批評は頑張ったと思います。箇条書き的な描写によって、記憶をおぼろげにしつつ、少しずつ加速させる。そして、最後にぐったりと倒れている武士と何故か大満足なミューナを登場させて、現実に完全に引き戻す。徐々に意識が回復する、それを自分なりに書きました。
 それと料理の批評については、前回と同様に細かく書きつつ、くどくならないように注意しました。あんまライトノベルを書くにおいて、強みになる知識というのはあまり無いですけど、料理の描写とかに関しては少なくとも自分の武器だと思います。だから、そういった部分を生かせるように書きました。どうでしょうか?

 なかなかペースが上がらないものの、楽しく書いているオリジナルのライトノベル。
 次回は、いつものように日曜日更新予定。料理対決で勝利したアイは、この後どうなったのだろうか?そして、大和たちに待ち構える新たなる試練とは?それは見てのお楽しみ。

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