現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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真剣の対決。
2015-06-23 Tue 20:36

 平日なので、色々と省略させてもらいますよー。

 先日は、体力切れで更新できなかった蔵間マリコです。
 さてさて火曜日ですけど、更新しますよー。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を書いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 休日でしたら色々と書けるんですけど、平日はとにかく忙しいですからねえ。前書きと後書きは本当にシンプルにさせてもらいます。ズルズルになってすみません。
 それと、例によってあまり上手くありません。それでも読んでくれると非常に有り難いです。それでは今回もどうぞ。
                    第13話 16進数の生命体(7)

「制限時間50分経過!! 調理終了!!」
 調理実習室から聞こえる翠の声。それに続いて響き渡る歓声。
「調理が終わったから入ってもええで」
 アキがドアを開けて、俺たちを呼びかける。
「ようやくか。待ちくたびれたぜ」
「お腹がペコペコで背中とお腹がくっつきそうじゃ」
 木製椅子からゆっくりと立ち上がる武士とミューナ。時計も既に2時半を過ぎており、昼食にしては遅い。そのためか、ミューナは空腹のあまりに涎すら垂らしているほどだった。こんなのが宇宙人であるとはとても思えない。
 とはいえ、俺も随分腹が減っていた。審査員の身ではあるが、しっかりと食べさせてもらおう。
「はようきいや」
「分かっているから急かすなって」
 俺たちはアキに言われるがままに、調理実習室へと戻った。
 するとそこには、料理ではなく、赤、青、黄色、緑、ピンク、紫の6色の紙製の箱がテーブルの上に置いてあった。
「もしかして、この中に料理が入ってるのか?」
「はいそうです!! 公平性を保つために名前は匿名にして、開けるまでは中身が何であるかを分からないようにしました!! そして、誰が作ったのか分からないように決闘に参加した皆さんは別室に移動してもらいました!!」
「ギャラリーのみんなは、誰が作ったかは言わんでや~。呉アキとよい子のお約束やで~。悪い子はここにいーへんよなー?」
「わははは!!」
 アキのテンポいいトークが会場を笑いで満たす。その他所に、俺たち3人は紙箱の置いたテーブル前の椅子に腰掛けた。
「で、どれを選びますか?」
「まずは妾と同じ色のピンクじゃ!!」
 自信満々に即決で決めたミューナ。
「お、おい、慎重に決めて……」
「こういう時は、レディに譲るのが地球(セラン)でのマナーというものであろう?」
「そうだぜ、選ぶのにグダグダグ時間をかけていたら冷めちまうぞ」
 間髪入れずの武士の援護射撃。戦況は明らかにこちらが不利。
「はいはい、ピンクでいいですよ」
「ピンクですね!! それでは、オープン!!」
 箱の中から現れたのは、小ぶりの魚と貝類、数々の野菜を使った見慣れぬ料理だった。
「なんだ、この料理は? どこかの国の料理か?」
「ヤマト、お主も知らぬのか?」
「俺が全部知っているわけじゃないぞ」
「こりゃあ、アレだな。イタリアの煮込み料理だな。アクアパッツァだな」
「アクアパッツァ?」
「そうです!! 最初の料理はイタリアの魚料理、アクアパッツァです!!」
「おおっ!!」
 会場は料理が明らかになったと同時に大盛り上がりとなった。料理一つにここまでの反応とは大袈裟ではあるが、それだけに決闘の盛り上げ方が上手かったのかもしれない。
「アクアパッツァを知らない会場のギャラリーのためにも解説するで。アクアパッツァていうのは、トマ
トをはじめとした野菜を水とオリーブオイルで魚介類を煮込んだ煮込み料理やで。トスカーナ地方の小作人が地主に納めたワインの残りカスから作ったワインがアクアパッツァ。その色に似ていることからアクアパッツァって呼ばれているで。まあ、とにかく食べや」
 アキは懐からに隠していたカンペを読みながら料理の説明をする。どうやらアキもこの料理のことを知らなかったようだ。
「まあ、そうだな。まずは一口……」
 俺は箸で魚をほぐし、野菜とともに口の中に入れた。
「美味い」
 非常にシンプルな感想かもしれないが、そのくらいに感動的な味だった。
「誰が作ったのか分からないが、こりゃあいくらでも食べれる。新鮮なメンコ鯛の肉質の良さと旨味を殺さずに、かつ細かく刻まれた野菜が極上の出し汁が引き立たせている。日本の煮付けとかも美味しいが、アクアパッツァはイタリアのお袋の味だぜ。イタリアのママンさいこおおおぅっ!!」
 武士は美味しさのあまりか、両手を上げ、天井を見上げながら吼えた。まるでビームか何かを吐き出しそうな勢いである。
「さて、感想はこれぐらいにして、そろそろ次の料理に言ってみよー!!」
「えっ、まだ、食べているのに?」
「ですから、急いで食べてくださいねー!! 時間が巻いていますからー!!」
 と言われて、俺たちは堪能する間もなく次の料理へと移った。
 次に選んだのは、紫。選択権は武士、と言いたいところだったが、やはりミューナに奪われてしまった。いくらなんでも身勝手すぎる。
「はい、オープン!!」
 紅芋のような紫色の箱の中から現れたのは、とても親しみ深い料理だった。
「おおっ、これは!! なんと、日本人なら誰もが大好きなコロッケ!! コロッケや!!」
「おおおーっ!!」
 会場内は、先ほどと同じく、いやそれ以上の歓声が響き渡る。まるで料理番組のようである。
「なあ、大和。お前は何をかけるんだ?」
 武士が横から小声で語った。
「俺か? そりゃあ、ウスターソース一択だよ」
「ウスター? ウスターなんて邪道だぜ。男は黙って醤油に決まっているじゃねえか。橘印の濃口醤油が最高だろが」
「妾は、美味しければどちらでもいいのじゃ」
「醤油は単調すぎるだろ。あの酸っぱさや香りがあるからこそ、ウスターソースはコロッケにあう。これは絶対に譲れない」
「あんな味の尖ったソースが合うわけねえだろ!! 醤油は、日本人の心の味だぜ」
「両方ともじゃ!!」
「はいはいはいはいー、コロッケにかけるもの議論はそこまでねー。そういうのは、決闘が終わった後にしようねー」
 終わりのないコロッケ議論に終止符を打つために翠がインターセプトへと入った。
「安心しいや、ウスターソースも醤油もケチャップも用意しているさかい、無駄な時間をかけへえんでくれんか?」
 アキは、ウスターソースや醤油、それ以外にも調味料が入った籠を持ち出してきた。そして、コロッケが皿に分けられた。
「醤油が合うわけないじゃ……、あれ?」
「まったく、ウスターがコロッケに……、えっ!?」
 俺と武士、ほぼ同じタイミングで同じような感想を漏らした。
「醤油のしょっぱさがじゃがいもに合うな。風味も悪くない」
「昔、コロッケにウスターソースをかけたら不味かったが、酸味とフルーティーさがたまらんぜ」
 今までコロッケに醤油をかけるのは避けていたけど、こんなに感動的な味だったとは。食わず嫌いというものは損であることを今日学習した。
「さてさて、コロッケも完食したところですし、続いてはどれを選びます?」
「せっかくだから俺はこの赤の箱を選ぶぜ」
 武士は正面にある赤色の箱を選択した。
「緑やな? 本当にそれでいいんやな?」
「何もったいぶっている?」
「別に何も隠しておらへんで。ほな、開けるで」
 アキがそう言うと、緑の箱の中身が明らかとなった。
 鼻腔を刺激するスパイスの香りとゴロリとした食いでのある具の入った大鍋、そして炊き立てのご飯の3つの湯気。
「おおっ!? 3番手は、日本人の国民食ともいえるカレーライスです!! カレーライスですぅっ!!」
「おおおおぅーっ!!」
 三度会場はギャラリーの歓声に支配された。
「しかし、このカレーライス、ビックリするほど具が大きいな」
「ああ、こんなカレー見たのは初めてだぜ」
「デュタの作るカレーも絶品じゃが、こちらも美味しそうじゃのう」
 その大きさは驚くべきもので、ニンジンや玉ねぎ、じゃがいもといった具が皮が剥かれただけでゴロリと入っている、豚肉も同様で、塊で入っている。
「ま、まあ、食べないのは失礼に当たるから全部食べようぜ」
「あ、ああ……」
 尻込みしつつも、鍋の中にあった具を上手い具合に3等分にして、皿の上に盛る。それでもそれなりの大きさでボリューム感だ。後に響くかもしれない。
 だが、その心配はなかった。
「うめええぇっ!! こりゃあ、うめえぜ!! 市販品のカレールーでは絶対に再現することが出来ない新鮮なスパイスの香りと味、そのまんま入れた野菜と大ぶりの肉塊から引き出された旨味、ご飯の完璧なまでもの炊き上がり具合。ちょっと甘いが、ここまで独創的なカレーライスを食べたのは久々だぜ!!」
「デュタの作るカレーと同じくらい美味しいのじゃ!!」
 俺の感想もほぼ同じだった。少し子供向けの味付けではあるが、それ以外はなかなかの評価。これほどに美味しいカレーもなかなかお目にかかることができない。
 結局3分もかからずして、ぺろりと完食。ミューナにいたっては、3杯も食べていた。
「さてさて、試食回も半分終わりや。残り半分もガンガン行くでー!!」
「今度は大和先輩の番ですよ」
 ようやく俺の番が回ってきた。
 残された箱は緑、青、黄色の3つだが、既に決めている。
「紫色だ!!」
「はいはいー、緑の箱ですねー!! オープーンッ!!」
 箱の中から現れたのは……。
「うっ!?」
「なんじゃこりゃあっ!!」
「んにゃ? なにがあったのじゃ?」
「きゃああああああああぁっ!?」
 不思議そうに見ているミューナを傍に、俺と武士、そしてギャラリーは悶絶した。
 何故悶絶をしたのか? それは、今まで嗅いだことのない強烈な臭さを感じたからだ。下水道の匂いでも、腐った卵の匂いでも、カメムシの匂いでも、使い古された雑巾の匂いでも、長い間放置された生ゴミの匂いでもない。それらがどれだけ束になって集まったとしても太刀打ちすることすら出来ないほどこの世のものであるかすら怪しいおぞましき匂いである。例えるなら『魔界』だ。
 そして、その皿の上には何かよく分からない正体不明の物体が載っていた。
「えーっと、これは『ロブスターのソテー アメリケソースがけ 京野菜を添えて』だそうです」
「作った人によれば、大好物のフランス料理のようやでー」
 何処で調達したのか分からないガスマスクをした翠とアキが解説をする。
「どこがフランス料理だよ……。ていうか、そのガスマスクをどこで手に入れた……?」
「それは極秘事項(トップシークレット)や」
「に、臭いは最悪だが、あ、味はだ大丈夫なはずだぜ!! き、きっと、そのは……」
 武士がロブスターらしき何かを口に入れた途端、沈黙をした。
 沈黙をした後、武士の顔は見る見るうちに青ざめた。
 そして、何も言わずに椅子ごとそのまま倒れてしまった。
「これ、食べないといけないのか? 別に食べなくてもいいだろ?」
 俺はガスマスクをした2人に確認をした。2人は無言のまま首を縦に振った。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は待望の試食会を書きました。個人的には料理の薀蓄とかにも力を入れましたが、それ以上にラストの紫の箱の中身を開けた場面がお気に入りです。どうでしょうか?

 とまあ、今回はこれまで。次回は、いつものように日曜日更新予定。和洋折衷様々な料理が出てくる料理対決。果たして、決戦の行方は!?それは見てのお楽しみです。

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