現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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強大な力。
2015-05-31 Sun 20:09

 今日はちょっと手短に。

 執筆作業に苦戦している蔵間マリコです。
 さてと日曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよー。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 ちょっと今日は忙しいので、前座と後書きは省略させてもらいます。あと、いつものようにあまり面白い内容かもしれません。それでも読んでくれると非常に有り難いです。それでは、今回もどうぞ。
                    第13話 16進数の生命体(4)
 
 1時限目から体育の授業だった。
 これが4時限目や7時限目ならともかく、いきなり体育の授業だと後の授業が眠たくてたまらない。特に江草の授業となると死ぬほど眠たい。
 そして、そういう時に限って、体育の授業内容もつまらない。
「夏目大和、まだ3周だぞ!! もっとスピードを出さんか!!」
 拡声器で捲くり立てる体育教師の豊田。俺は「はいはい」と小声で愚痴りながら、ほんの僅かペースを上げる。
 今日の授業は、校内グラウンドのトラックを授業が終わるまでただただひたすらマラソンすること。これほど無駄に体力を使い、退屈な体育の授業はあるのだろうか?
「大和、大丈夫か?」
 わざわざ俺のペースに合わせてくれる武士。これだけが救いである。
「いや、このくらいは全然。それよりも、豊田のしごきが最悪だ」
「あんな奴のことを気にしたら負けだぜ。別のことを考えたりしながら走るのが一番だぜ」
「別のことねえ……」
「例えば、女子の授業を見てみろよ」
 俺はグラウンドの中央に目線を合わせた。
 そこでは和気藹々とソフトボールをしている女子連中の姿が。
「いいよなあ、あんなお気楽な授業で」
「そういうこと言うなって。体操着姿の女の子を見れるなんて、学生の特権だぜ」
「体操服ねえ……」
 俺は遠景の女子を注視した。
 バッターボックスには妙、投手はそらだ。1アウト2塁のチャンス。
 そらは女の子らしくアンダースローで投げる。スピードやコントロールは平均的な高校2年生の女子相応のものよりも、やや下ぐらいだろうか。
 それを見逃していなかったのか、妙は初球打ちをした。同時に、体操服を纏ったおっぱいがたぷんと揺れた。
 ボールが雲一つない晴天に山を描いて飛ぶ。勢いは今一つ、これはライトフライだろうか?
 俺はライト方向に目線を合わせる。誰が守備をしているのだろうか?
「い、急がないとです」
 転校生の機械人形(オートマタ)のアイである。
 守備位置についたにもかかわらず、その足取りはとても不安定。取れるか取れないか、非常に微妙なところである。
 そして、ボールはアイの頭上へと落下した。
「あわわっ!?」
 ボールはグラブに入らず、代わりにアイの顔面に命中した。エラーだ。
 だが、エラーだけでは済まなかった。
 ボールとは反対側に転がっていくアイの首。
「ぼ、ボールと頭……」
 コンタクトレンズを落とした人のように、手探りでボールを探すアイ。手間取っているうちに2塁ランナーは帰還、妙も2塁から3塁に向かう。
 何とか頭とボールを回収したアイは、猛スピードで本塁へ帰る妙の帰還を防ぐためにも、渾身の力で送球を行う。
「えっ、えいっ!!」
 アイの送球はキャッチャーに向かって真っ直ぐ飛んだ。これでアウトにできるだろうか?
「うぎゃあっ!?」
 俺と併走していた武士が数mほど錐揉み状に吹き飛んだ。
「え゛っ!?」
 目の前で起きた不可思議な現象に、俺だけならず、グラウンドにいる全員が固まった。
「うっぎゃあああああぁっ!! はなが、鼻がぁあああああぁっ!!」
 痛いしい悲鳴をあげながら、グラウンドで悶絶する武士。鼻からはドバドバと血を流している。
 武士の身に何が起きたのか? その答えは、武士の隣に落ちていたボールにあった。
「ご、ごご、ごめんなさいです!!」
 体操服姿のアイは、盛大に砂埃を巻き上げながら武士の元へと駆け寄る。その足の速さは、人間では到底不可能なほどの早さである。
「ごめんなさいです!! あ、アイはソフトボールをしたことがないんです!! TVで見たことはあるんですけど、実際にやったことは今まで一度もないんです!! ですから、力加減とかそういうのが分からないんです!! ごめんなさいです!! ごめんなさいです!!」
 アイは、必死に武士に謝り続ける。機械人形(オートマタ)だからこそ力加減が出来ると思ったのだが、全力で投げてくるとは。先ほどのエラーといい、機械人形にしては不器用にもほどがある。
「だ、大丈夫、大丈夫。このくらい、鼻にティッシュを詰めておけば何とかなる。アイちゃんも気にすんなって。女の子が悲しい顔をするなんて合っていないぜ」
「そ、そうですか?」
「そうだぜ。だから、あまり力みすぎんなよ」
「わ、分かりましたです!!」
 謝った後、アイは危なっかしい足取りで再び守備位置へと戻った。心配したのか、いつの間にか集まっていたクラスメイトたちも何事もなかったかのように元の作業へと戻った。
「病院行った方がいいんじゃないか? 骨折でもしていたら大変だぞ」
「あのくらいで骨折していたら、陸上部なんてやってられないぜ」
 武士はまるで何もなかったかのように立ち上がり、砂埃を払う。良かった、何事もなくて。
「仮にも陸上部部長の俺が……、うおちちち……」
「素直に保健室行った方が」
「いや、そこまで酷くはない。しばらくしたら慣れる」
 そう言うと、武士は再びマラソンを始めた。
 俺も豊田にどやされる前に、武士に並列するようにマラソンを再開した。
「それにしてもなあ、驚いたぜ。アイちゃんには」
「もしかして、プロ野球選手顔負けの腕力にか?」
「いや、アイちゃんの関節だ」
「関節? ああ、そういえば……」
 普通、機械人形(オートマタ)というものは人間とは違い、関節部分が人形のような球体関節になっている。これは人間の関節の可動性を限りなく再現できるものらしい。
 しかし、機械人形(オートマタ)であるアイの関節部分は、球体関節ではなかった。人間と全く同じ構造の関節。内部構造は人間のものとは全く違うかもしれないが、パッと見では人間と何ら変わらない様に見える。
「ああいう技術があるもんなんだな。まるで本物の人間と見間違えるくらいだぜ」
「もしかして、そういったのをテストしに来たんじゃあないかな?」
「それなら納得だぜ」
 俺は横目にソフトボールの授業に取り組むアイを眺めた。
 打席はアイ、対戦投手は妙。1球、2球ともに派手に空振りをしている。
 さて、3球目はどうなる?
「おぶあぁっ!?」
 ライナー角度で飛んできたファールボールが俺の脇腹に命中し、斜めに数mほど吹き飛んだ。

 とりあえず、今回はここまで。
 次回は通常通り日曜日に更新予定。入学したものの、ギクシャクな学校生活を送るアイだが……。この後、アイがどうなるかは来週のお楽しみ。

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