現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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雨と人形と。
2015-05-10 Sun 20:42

 頑張って、毎週更新。

 自分の世界を書き綴るのが楽しい蔵間マリコです。
 さてさて日曜日ですので、いつものように更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を書いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 さあ、今週から開始となる彼女たちの極秘事項(トップシークレット)の第13話。第10話から第12話までは、謎の電波系転校生の橘妙と大人気アイドルユニット、聖大天使(アークエンジェル)のアン・R(ルイス)・レオンクールの出会い、学園祭でのデート、そして謎の誘拐事件と続きました。ですが、今回からは第13話。全く違った展開をお送りさせてもらいます。主人公・大和はどのような出会いや出来事を経験し、どんな事件が起こるのか?それはぜひ自分の目で確認してください。
 前置きが少し長くなりました。そろそろ本編へと入らせてもらいます。それでは、今回もどうぞ!!
                    第13話 16進数の生命体

 その日は、雲一つのない文句なしの晴天であった。買い物日和というのには最高の一日であり、大型ショッピングモール、ブルーマリン東雲で生活必需品や趣味に関するものなどを買い揃えていた。
 しかし、天候というものは女心と同じくらいに気まぐれだろうか。突然の夕立に、文字通り濡れ鼠となってしまった。
「ああもう、どうしてこんなことになるんだよ!! 天気予報じゃあ、今日は一日晴れって言っていたのに」
「仕方ないよ、大和くん。そういう日だってあるよ」
 雨の中、自分、夏目大和(なつめやまと)と、幼馴染みであり腐れ縁である星野(ほしの)そらは激しい雨の中、東雲市中央エリアの商店街を駆け抜けた。
「だけど、このままじゃあ買ったものまで濡れてしまうぞ。ここらへんはコンビニなんてないし、どこか隠れる場所でも……」
「大和くん、あそこ!!」
 そらは古ぼけた看板を指差す。そこには、『喫茶店さつき』と書かれていた。
「ああそうだな、あそこで雨宿りをしよう!!」
 俺とそらは全速力で、喫茶店の屋根下へと逃げ込んだ。
「はぁ……、この雨、いつ止むんだろうか?」
 ほんの数十分前までは憎たらしいほどの真っ青だった晴天は今では灰色の雨雲と雨に覆われ、いつ晴れるのか見当すらつかない。
「でも、こういうのも悪くないと思うの」
「なんでだよ?」
「だって、こうやって大和くんの隣にいれるんだもん」
 そらは機嫌の悪い天候とは対照的に、とてもにこやかだった。
「い、いや、今日は一日中横にいたじゃないか。俺一人で買い物をしようとしていたのに、たまたま出会ったから買い物を手伝っただけしさ」
「そういうことじゃないの。雨の日の中、大和くんと一緒に雨宿りができることが嬉しいの。ロマンチックじゃないの」
「俺は雨がさっさと止むことのほうが嬉しいけどな」
「大和くん、雰囲気悪いなあ」
 俺にはそらの言いたいことが理解できなかった。どうして、このシチェーションがロマンチックなのだろうか? 女心というのは、かくも難しいものである。
 ただ、俺も少なからずとも嬉しい部分があった。
 そらの下着が、服の下からうっすらと見えることだ。
 布地が薄いのか、雨でべったりとくっついたことによりそらの2つの膨らみが露わとなり、どこかエロティックに見える。もう一回りぐらい胸が大きければ尚良しだったが、かなり良い形のおっぱいだと思う。武士ほど煩悩の塊ではないが、俺も人のことは言えないな。
「大和くん、さっきからジロジロ見ているけどなあに?」
「えっ!? そ、そんなわけないだろっ!!」
「もしかして大和くん、私の下着を見ていたの!?」
「ち、違う違う!! 俺は断じて、綺麗なおっぱいだなあなんて、思っていない思っていない!!」
「えっ……」
「あっ……」
 地雷を踏んでしまった。冷静さを失っていたとはいえ、絶対に言ってはいけないことを言ってしまった。またそらに鉄拳制裁パンチを喰らわされてしまう。
 俺は五体満足で帰ることができないことを覚悟した。
 だが、予想と実際の結果は違った。
「大和くん、そんなに私のおっぱいが気になったの?」
 そらの口調は全く怖くなかった。それどころか含みすらなかった。
「こ、これはちょっとした出来心でして……」
「じゃあ、本当に……、見せてあげようかな?」
 そらの表情は恥じらいに満ちていながらも、それを期待していたかのような顔だった。妙が橘神社で艶かしい表情を見せてた時と同じように。
「おっ、おい!? 俺は、そこまで言っていないぞ!!」
「ううん。でも、私は大和くんに見せたいの……」
 そういうと、そらは服の裾を雑巾のようにしぼり、たくし上げた。
 そこから見えるのは、とても健康的な肌とブラジャーの南半球。ブラジャーの色は、淡く可愛らしいピンク色だ。
「お、おいやめろ!! こんなところで服を脱ぐな!!」
「大丈夫だよ。私たちのことは誰も見ていないよ」
「そういう問題じゃなくて!!」
 そらの破廉恥な行為に、俺はどうすればいいのか分からなかった。そらのことだから、そらの勝手に任すという選択肢もあるが、こんな所を誰かに見られたりでもしたら大事になってしまう。かといって、このまま俺一人が雨の中を走って逃げるというのも酷な話である。
 しかし、そうこうしているうちにそらのおっぱいが完全に現れてしまった。
「どう? 大和くん、私のおっぱい。デュタさんや妙ちゃんみたいには大きくはないけど、どうかな?」
「ど、どうって……」
「ねぇ、大和くん。私……」
「お取り込み中すみませんが、ここで服を脱ぐのはご遠慮してくれないでしょうか?」
「ひゃっ!!」
 木製のドアが開かれたと同時に聞こえた女性に、そらは変な声を出して驚いた。
 その女性の第一印象はとても美しかった。
 可愛らしいと美しいの中間のような顔立ちに、古き良き日本人のらしい黒髪長髪、そして170cmはあるかと思われる女性としては高めの身長、そしてそらよりもやや大きめのおっぱい。クリーム色のエプロンを着ているのを見る限り、この純喫茶で働いている人間かと思われるが、モデル顔負けの美人が出てくるとは。
「す、すみません!! こんなところで脱いじゃいまして!!」
「いえいえ、悪意が無いのは分かっています。でも、こんなところにいると風邪を引くから、ひとまず中で話しましょう。服もタオルも貸してあげますから」
「えっ、貸してくれるんですか!?」
「うふふ」
 美しい黒髪の女性は微笑み、髪の毛をたなびかせて店内へと入っていった。
 その時、俺は何か不自然な点に気が付いた。
 耳だ。
 耳に大きなアクセサリーをつけている。
 いや、アクセサリーとは何か違う。ピアスよりもずっと大きく、耳全体を覆い被さっているようにも見えた。もしかして……。
「いらっしゃいませ」
 店内に入ると、1人の老人が迎えてくれた。全部白髪で顔には深い皺が刻まれており、気難しさなど一切感じさせない柔和な表情。まるで、数年前に亡くなった祖父を連想させるような人物である。
 そして、内装や雰囲気も悪くない。若者向けのデザインなどではなく、年代もののカウンターテーブルや椅子、ジュークボックスなど置かれている。BGMも何十年か前に流行ったと思われるR&Bが流されており、どこか大人びた印象を受ける。
「何にいたしましょうか?」
「ん……、じゃあ、チョコレートケーキとアイスカフェオレをひとつ」
「私はアップルパイ。あ、それとミルクティー」
「チョコレートケーキとアップルパイ、飲み物はアイスカフェオレとミルクティーですね。かしこまりました、少々お待ちしてくださいね」
 老人はそう言うと、皿やらカップやらを取り出し、調理の準備を始めた。
「はい、こちらがタオルです、お客様。それと服も用意しておきました。サイズが合うかは分かりませんが、できるだけ合うと思われるものを選びました。ケーキと飲み物を準備している間に、奥のトイレに着替えてくださいね」
「タオルだけでも十分なのに、ここまで気遣ってくれるなんて」
 老人もかなり風当たりのいい人物であるが、この女性店員もかなり雰囲気のいい人だ。いや、少し語弊があるかもしれないが。
「いえいえ、当然のことをしただけです。服はまた来店した時に返してくれたらいいですよ」
 それから10分後。
 俺とそらは、濡れた服から借りた服に着替えた。
 俺の服装は、灰色の長袖服とジーパン。腕周りが気になるが、それでも十分である。
 そらは、ピンク色のパーカーとチノパン。こちらはパーカーがやや大きめに見える。
「見て見て、大和くん!! 花の刺繍、可愛いよね」
 まるで自分のものかのように、パーカーの柄を自慢するそら。
「この服、私のお気に入りなんです。マスターから誕生日にもらったプレゼントでして」
「お気に入りなのにいいの?」
「ええ、服は使ってもらうことが本望ですから。私もマスターに使ってもらうことと同じように」
「使ってもらう?」
 そらは違和感の正体が何であるかに気付いていないようだ。俺はいち早く気が付いたが。
「すみません。ちょっと失礼なことかもしれませんが、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「はい?」
「もしかして、店員さんは機械人形(オートマタ)でしょうか?」
「えっ」
 そらはとても意外そうな顔をした。
「そのとおり、さつきは機械人形(オートマタ)だ」
 タイミングを見計らったかのように、老人は料理を盆に載せて現れる。出来立てのスイーツの香りが一面に広がり、食欲を増進させる。
「はい、チョコレートケーキとカフェオレ。お嬢さんには、アップルパイとミルクティー」
 飾りっけのないシンプルな皿の上に載ったクラシックなケーキ。目新しさこそないものの、どこか風格の漂わせている。
「機械人形(オートマタ)を店員として使っているんですね。店員として使う人がたまにいるとは聞きましたけど、初めて見ました」
「そうなの、大和くん? 私は初めて知ったよ」
「まあな」
 あれはミミとデュタに出会う前の話だった。客寄せのために機械人形(オートマタ)をウエイトレスとして購入したいなんて店長が言っていたのは。結局は妙がバイトに入ったことで、その話は何処へ行ったとやらとなったが。
「さつきは店員ではない。私の大切な家族だ」
「そうなんですか?」
「はい、私にとってマスターは親のような人であり、夫のような人であり、大切な人であります」
 さつきと呼ばれた機械人形(オートマタ)は長い黒髪を退けて、耳元を見せた。そこには、本来ならば存在するはずの耳が存在せずに、代わりにアンテナのような機械部品が取り付けられていた。
 機械人形(オートマタ)は、パッと見では人と変わりのない見た目であるが、細かい部分に差がある。うなじのアダプタ接続部や肩の認証番号などなど。古い種類ならば、球体関節のものなどもある。しかし、一番目につく部分というと機械耳とも呼ばれる機械部品であろう。
「私がマスターの家族になったのは、9年と4ヶ月と14日前です。その日から私は1日1日のマスターとの思い出を大切にしてきました。晴れの日も、雨の日も、雪の日も。私はマスターのような素晴らしい人の家族となれて、とても幸せです」
 言葉遣いこそ機械的な部分はあるものの、性格はまるで人間そのもの。ここまで来ると、見た目以外で人間とロボットの判別がかなり難しいだろう。こんなプログラムを考えた科学者は、天才以外に何者でもない。
「いいなあ、こんな機械人形(オートマタ)が身近にいて。でも、とても高いから私は買えないや」
「さつきのおかげで毎日が楽しいんですよ。今では、さつきがいない生活が考えられないくらいでして。ふははは」
 元から明るい性格の店長だが、さつきという機械人形(オートマタ)の話をすると、ますます口調が
軽くなっていた。
「ちなみにマスターは、私を初恋の相手に似せて作ったらしいんですよ。黒くて長い髪の毛が綺麗な女の子で、幼馴染みだったそうですよ」
「あっ!?」
「へえ、店長もそんな頃があったんですね。若い頃はどんな人だったか気になるな」
「実はそれに関して面白い話が一つあって、店長は……」
「や、止めてくれないか、その話は!!」
 店長は少し感情的になりながらも、両手を振って止めようとする。どんな話かは分からないが、余程聞かれたくない昔話らしい。
「君たちも君たちだ!! 早く食べないと、冷めてしまうぞ!!」
「わ、分かりましたよ、店長」
「や、大和くん、ちょっと笑っちゃ駄目でしょ」
 俺とそらは少し意地悪くにやついた。

 それから30分後。激しい通り雨は過ぎ去り、俺とそらは喫茶店さつきを後にした。
 先までの最悪な天候から一転、雨雲一つない最高の天候。まさに買い物日和である。
「大和くん、美味しかったね」
「そうだな。食堂の元ホテルシェフが作った手作りスイーツに負けないくらい美味かったな」
 そらに話を合わせたのではなく、純粋にあの店のチョコレートケーキが美味しかった。ずっしりしながらも、胃もたれするような重さではなく、チョコレートの味は濃厚、そしてどこか馴染み深い香辛料の香りと刺激が引き立たせている。アイスカフェオレも口当たりが非常によく、チョコレートケーキとの相性も抜群だった。
「あの店の店主と機械人形(オートマタ)、とても仲が良さそうだったね」
「まるで本当の夫婦のようだな」
「私たちもああなるといいね」
「どういうことだよ?」
「だって、あの機械人形(オートマタ)って、店長の初恋の相手の幼馴染みに似せて作ったんでしょ。私と大和くんも幼馴染みの関係じゃないの」
「だからなんなんだよ? 幼馴染みたって、腐れ縁みたいなものじゃないか。関係ないだろ」
「ひどーい!! なんでー!!」
「酷いも何も、ただ当たり前のことを言ったんだが……」
「大和くん、両手を前に出して」
「ん?」
 俺は疑うこともなくそらの言うとおりにした。
「はい」
「って、おい!!」
 両手には、そらの持っていた紙袋が渡されていた。
「大和くん、寮の前まで持って行ってね」
「俺の家と学校、行く方向逆方向じゃないか。そのくらい自分で持って帰れよ」
 しかし、聞く耳を全く持っていなかった。それは俺よりも5m先を既に歩いていた。
「はぁっ……、なんなんだよ……」
 せっかくさっきまで最高の気分だったというのに台無しだ。

 どうでしたか?今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は雨宿りをする大和とそら、喫茶店の老店主と長髪黒毛の機械人形(オートマタ)とのやり取りを書きました。第13話のスタート地点ですが、結構頑張ったと思います。
 さて、今回のターニングポイントは2つ。1つ目は、雨宿りをするそらのアグレッシブな行動。まあ開始地点ということで、掴みとしてサービス的なことも書きたかったんですけど、ただそういった意味合いだけでこの描写を書いたというわけではありません。その答えについては語りませんけど、服を脱ぐ理由は12話目までを読めばちゃんと答えがありますので。そういったところをちゃんと組み立ててから、そらにこのようなアクションを取らせました。
 もう一つのターニングポイントは機械人形(オートマタ)。機械人形(オートマタ)については、数少ないながらも作中に何度か登場(1話、4話、12話)してきました。ただ、今まではあくまでもそういった設定が存在する程度の扱い。今回は、今までに比べるともっとズームアップしたものとして書きました。勿論、これから先の話に関わってくるものでありますし、作中に存在する設定ですからね。近未来が舞台であるから、せめてロボットの1つや2つぐらいは出さないと。宇宙人だけだと、SF色が弱いわけですし。まあ、自分がこういうのを好きというのが一番の理由ですが。

 時間はかかるものの、なかなか楽しく書いているオリジナルのライトノベル。
 さて、次回は日曜日更新予定。雨の中、喫茶店でちょっとした出来事があった大和とそら。その後、大和の身に待ち構えている出来事とは?それは見てのお楽しみということで。

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