現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告
後の祭り。
2015-04-12 Sun 20:45

 ノルマの2ヶ月で1話を達成できればいいが……。

 苦戦はしているものの、楽しく書いている蔵間マリコです。
 さてと日曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 いや~、自分の思い描いた世界を描けるっていいですねえ。イラストの時は思うように描けずに挫折しちゃいましたけど、文章だとそこら辺がコントロールしやすいのなんの。自分の考えたキャラクターや世界観、物語の展開というのを文字というもにしてダイレクトに伝えることができるのですから。悩んだり苦労することもありますけど、それ以上に楽しいというか。それが他人にとって面白いものかどうかは怪しいですけど、それでも自分なりの世界を完成させるために頑張りたいと思います。
 とまあ、前座はこれぐらいにして、そろそろ本題へと入らせてもらいます。先に言っておきますが、とてつもなく文章が下手です。それでも、感想を書いてくれると非常にありがたいです。それでは今回もどうぞ。
               第12話 歌姫(ディーヴァ)と騎士(ナイト)(8)

 私は東雲市内のヘリポートでヘリを降り、黒塗りの高級車に乗って自宅のマンションまで辿り着いた。
 妙とアリスは、私立東雲学園から300mほど離れた場所で降りた。泊り込みで最後の打ち合わせをしていたということで誤魔化すようだ。幸いマスコミというものには嗅ぎ付けられていないようで、他のスタッフにも必要最低限のものにしか事情は知らされていないらしい。
 2人が今日の事件を隠し通すのは寂しくて大変だろうし、事件で負った心の傷を癒すのはそれ以上に大変かもしれない。ただ、一日でも早く回復させるために東雲財閥は2人のアフターフォローは惜しまないようだ。
 黒塗りの高級車から降りた私は、ブリジットがウインドウを開き、しばしの別れの言葉をかける。
「デュタ、今日は休みなさい。怪我を回復させたとはいえ、体力を使い果たしていますわ。無理をして倒れでもしたら洒落になりませんわ」
「大丈夫だ、この程度の疲れは少し休めばすぐに回復する。それに私もアリスと妙の打ち合わせの成果というものが見たいからな」
「あら、それはなかなかの自信と元気のことですこと」
「当たり前だ。またとない機会だ」
 微笑んでいたブリジットに対して、私も微笑を返した。
「また今日、学園で出会おう」
「それではごきげんよう」
 そう言うと、ブリジットを乗せた高級車は私の元から走り去っていった。
 それを確認すると、私は足早にマンションの自室へと向かった。
 私は早く帰りたいという焦りの気持ちとともに、幾分かの不安感もあった。
 こんな時間になるまで、大和とミューナに心配させてしまった。私は何と謝ればいいのだろうか?
 いや、それはその時が来たら言葉を選べばいい。私に打算的なことは合わない。
 エレベーターの数字が増えていくたびに、私の心は急いていく。
 早く二人の下へと戻りたい、そして安心したい。
 エレベーターから出た私は、更に足早となった。
 あと少しだ、あと少しだ……。
 焦る心を抑えつつ、私は自宅の扉の前まで辿り着いた。
 私は息を飲む。どうして飲んだかは分からないが、無意識に私は飲んでしまった。
 ドアノブに手をかけて、ゆっくりと開ける。
 まだ朝の5時前だ、まだ寝ている可能性がある。
 もし、そうだとしたら2人に迷惑をかけてしまう。
 音を立てないように自宅へと入る。
 そして。
「おかえり、デュタ」
 大和がテーブルの椅子に座って待っていた。
「大和、もしかして……」
 私は、涙がこみ上げてきた。
「ああ、お前が帰ってくるまでずっとここまで待っていたんだぞ。帰った時にいつでも食事ができるように準備してな。ずっと起きていたから眠たかったぞ」
「やまとぉっ!!」
「うわぁっ!!」
 私は大和に飛びつき、抱きつき、倒れこんだ。大和が椅子に座っているにもかかわらず。
「いててて……、急に抱きつくなよ。頭打ったじゃないか」
「だって、だって、私のために待ってくれることが、嬉しくないわけがないだろ!!」
 私はついにボロボロと泣いてしまった。嬉しいのに、こんなに涙が。
「当たり前じゃないか。お前が大変だというのに、俺が先に寝てどうする。不安で不安で眠れるわけが無いだろ」
 大和も疲れているのか、少し気だるそうだった。しかし、それでも大和がわざわざ眠気を我慢してまで待ってくれたことがとても嬉しかった。
「私は、私はこんなにも……」
「そんな大袈裟な。居候させている身なんだから、当たり前に決まっているだろ。それより……」
「なんだ?」
「ちょっと降りてくれないか? ちょっと苦しい……」
「そ、そうか、悪かった。すぐに……」
 ぐるるるる。私のお腹が情けなくなった。
「ははは、体力を使い果たしているのか。朝食を今すぐ作るからな、だから風呂で汗を洗い流せ」
「ああ、分かった」

 それから20分。
 私が風呂から上がると、テーブルには料理の数々が置かれていた。
 ご飯に、納豆、味噌汁、焼き鮭、卵焼き、粉ふき芋、ハムとレタスのサラダ。朝にしては、とても豪華なラインナップだ。
「大和、朝からそんなに食べたいのか?」
「いや、俺がそんなに食べられるわけ無いだろ。お前のために作ったんだよ。疲れて帰ってきたお前のためにな」
「大和、そこまで気を遣ってくれるのか……」
「だから、そんなんじゃないって。腹が減っていると思ったから、多く作っただけだ」
「大和は相変わらず優しいな。私は君みたいな地球(セラン)人と出会えてとても幸せだ」
 私と大和は、食事をしながら色々と話をした。
 私が妙とアリスを助けに行った後の出来事とミューナからミミへの転換。
 妙とアリスの救助と誘拐犯との死闘。
 ブリジットの援護とエリア51の乱入。
 アリスの秘密やネクスの謎の力、誘拐犯については深く語らなかった。アリスについては、極秘事項(トップシークレット)ととして口止めされているし、誘拐犯についても詳しく語る必要が無いと思ったからだ。大和もそれに気付いてくれたのか、追求しなかった。
 私は疲れているにもかかわらず、多弁だった。こんなに自分から話したのは久しぶりかもしれない。
 それでいながらも大和は、常に聞き手に回っていた。一方的に話しているのに、とても親切で、とても救われる。
 それから何分経ったのだろうか。ご飯もあと一口だけとなった。
「で、アリスも妙も元気だ。今日の学園祭のライブにも出ると言っていた。あんなことがあった後なのに、2人とも芯が強くて驚いたよ。大和も……」
 私は、周りが見えないほどに喋っていたことにようやく気が付いた。
「すぅーっ、すぅーっ……」
 大和は、テーブルに突っ伏したまま寝息を掻いていた。
「大和、私のために待っていてくれて、聞いてくれてありがとう……」
 私も安心したと同時に、酷い睡魔に襲われた。
 登校の時間までまだ余裕がある。少し寝て体力を回復させよう。

                              ※

「星野部長、プラネタリウムの司会進行お疲れ様でした」
「……」
「星野部長、聞いていますかー?」
「……」
「ほーしーのーせーんーぱーい」
「あっ、大竹さん……」
 天文部部長、星野そらは反応がどこか上の空だった。
「なに呆けているんですか? 緊張で疲れたんですか? 確かにあれは責任重大ですからねえ。私じゃあ、絶対に無理ですよ」
「そうだね、ごめんごめん」
 そらは、スタッフルームの扉の隙間から見えるまばらとなった客席を覗いた。
 しっかり広告をしただけあって会場は超満員、イベントは大成功だった。
 しかし、そらにとってそれはどうでもいいことだった。
 学園祭の2日目、一緒に学園祭を回ってほしいと約束した大和がいない。何があったのかは知らないが、まだ学園に来ていないのだ。
 彼女は大和にプラネタリウムを見てほしかった。大和に見てもらわなければ、このイベントを行った意味が無い。イベントの司会進行には影響は無かったものの、妙はショックを隠せていなかった。
「ああ、そうそう。星野部長を呼んでほしいという人がいましたよ」
「えっ!? もしかして、大和くん!?」
「大和……、大和さんかは分かりませんけど、多分そうかもしれません。廊下で待っていましたよ」
「ありがとう!!」
 妙は、急いでスタッフルームから飛び出した。
 大和くんがプラネタリウム鑑賞会に参加していたんだ。学校へは遅刻したけど、ちゃんと約束を守ってくれたんだ。
 妙は期待感を膨らませながら行き交う人の中、大和を探した。
「よっ、最高だったぜ。そらちゃんのプラネタリウムは」
「たのしかったにゃー」
 外で待っていたのは大和ではなく、犬飼武士(いぬかいたけし)とミミ、そしてミミの友人であるリリィだった。
「あれ? 大和くんは?」
「大和か? 大和ならまだ学園に来ていないぜ。何があったかは知らないが、こんな日に学園を休むとはどうかしているぜ」
「にゃまともでゅたもぐっすりねていたにゃ」
「大和お兄ちゃん、どうしてこんな肝心な時に!!」
「そう……」
 妙は落胆の色を見せた。
「そんなに落ち込むなよ、そらちゃん。大和には大和なりの事情があるはずだって。それにあいつが来たら、ガツンと言ってやるからさ」
「そ、そうだよね、そうだよね……」
 そらは自分に言い聞かせる。もっとも、納得はいっていないないようだが。
「しっかし、大和は何をしているんだ? ライブまでのあと30分だというのに。いい加減に……」
「ご、ごめん!! そら、約束に遅れて!!」
「心配をかけてしまって、すまない」
 武士が「いい加減にしろよ」と言い終わる前に、汗だくの青年と全く汗の掻いていない少女が現れた。大和とデュタである。
「にゃまと!! でゅた!!」
「大和お兄ちゃん!!」
「大和くん……」
「何をやっていたんだよ、大和!! そらちゃんとの約束を破って、半日も寝ていたんだよ!!」
「そうだよ!! 女の子を泣かすなんて最低だよ!!」
 そらとミミより数歩詰め寄り、武士とリリィは大和に激昂する。その表情は冗談まじりなどではなく、剣幕そのものである。
 それに対して大和は、即座に行動を取った。
「何を言っても言い訳になるし、俺だって事情を話すわけにはいかない。だけど、本当に悪かった!! 楽しみにしていたはずのデートの約束を破って!!」
 謝罪とともに、大和は土下座をした。
 行き交う人々は、大和と武士に注視した。
「大和、いくら幼馴染が相手でも謝って許されるとでも思っているのか!?」
「分かっている。謝ったところで許してもらえないことを。そして、そらの気持ちを踏みにじったことがどれだけ酷いことか」
 大和は腹の底から捻り出すような声でただただ謝罪した。
「だったら、その落とし前をどうやって取るんだよ? 女の子を傷つけた罪は重たいぞ」
「そうだよ。星野先輩は、泣いていたよ!! 女の子を泣かすなんて、最低!!」
「武士、リリィ、これ以上責めないでくれ、大和は悪くない。大和はわざわざ私の用事に朝まで付き合ってくれたんだ。だから、責めるのは私を責めてくれ」
「デュタちゃん、大和を庇わなくていい。悪いのは大和なんだか……」
「武士くん、もういいよ……」
 そらはボソリと言った。
「星野先輩……」
「そらちゃん……」
「大和くんが遅れたのには、きっと大和くんなりの理由があるの。だから、これ以上責めないで」
 そらは瞳が潤んでいた。武士の怒気と大和の懸命の謝罪が入り混じった涙である。
「ねぇ、大和くん。土下座なんかしないでよ……。大和くんには、そんな姿は似合わないよ……。私、とても悲しいから……」
「そら……」
 大和はそらの顔を仰ぐ。大和の顔は、とても申し訳なさそうな表情だった。
 それに対して、そらのは涙ぐみながらも柔らかな表情だった。
「大和くん、今日のことは許してあげるよ。大和くんにも事情があったことが分かっただけでも満足したよ。友達のために一生懸命になれるって、大和くんはとても優しいね」
 そらは大和に向かって手を差し伸べた。
「立ち上がって大和くん。そろそろアリスさんと橘さんのライブコンサートが始まるよ。見ないと、2人ともに申し訳が無いよ」
「そ、そうは言っても大丈夫なのか?」
「うん、私は大丈夫だよ。女の子は強くないとね。大和くんも男の子だから、強くないとね」
「わ、分かったよ……」
 大和は、そらの手を借りてゆっくりと立ち上がった。
「本当にいいんかい、そらちゃん。大和をこんなにあっさり許してさ」
「うん。お祭りの日に落ち込むなんて似合ってないじゃないの」
「そ、そうだが……」
 武士はなかなか咀嚼することができなかった。いや、俺も実の所は完全に切り替えることができていなかった。
「だから、ね。大和くん、急ごうよ!!」
「おっ、おいっ……!!」
 そう言うと、そらは大和の手を引っ張り、人ごみの中へと消えていった。
「まったく……。しかし、これで解決か……」
 武士は両手を腰に当てて、やれやれとした顔をする。
「すまないな。私が迷惑をかけたばかりに」
「何があったか知らないけど、デュタちゃんは謝る必要ないぜ。あいつが女心を分かっていないばかりにな」
「女心? それは、どういうものだ?」
「まあ、それはいつか話してやるよ。それよりも」
 武士はくるりと踵を返した。
「妙ちゃんの出るアンジェリカのライブを見に行かないとな!! 妙ちゃんの一世一代の大舞台、見なきゃ損だぜ!!」
 そう言うと、武士は自慢の100m11秒ジャストの脚力で会場へと走った。
「ミミィも一緒に見ようよ」
「うにゃあ!!」
「勿論、デュタお姉ちゃんもね」
「そうだな」
 デュタは、相槌を打った。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、デュタの帰宅と学園祭でのそらと大和とのやり取りを書きました。本当は展開的なことを考えて後半部分は来週にでも掲載するつもりだったんですけど、ちょっとボリューム的に少ないと思ったので、同時に載せました。
 今回の掲載分の個人的なポイントは、なんといってもデュタとそらとの心情。これはこの場面でも特に重要だと思ったので、かなり力を入れました。
 まずデュタについてですけど、戦闘後ということもあって、体力や精神の消耗というものを考えて書きました。そして、戦いという非日常の世界から大和のいる日常の世界へ戻った時の心情の変化は念入りに。こういったキャラクターの起伏は、物語を盛り上げる要素になりますからね。安易っちゃあ安易かもしれませんが、それでも自分がこれなら面白くなると考えて書きました。中でも、自分としては大和にダイビングして抱きつくシーンと食べながら喋っているシーンは、個人的にお気に入り。
 それに対して、そらについてはデュタとは真逆の展開として書きました。命がけで戦っているデュタを待っていたとはいえ、約束をブッチされ、しょげるそら。そして、遅れて来た大和に対して気丈に振舞うそら。自分で書いていて可哀想だとは思いますけど、それでも物語としては必要な要素でありますらからね。勿論、この後の展開でそらにもしっかりと出番を与えていますので、そこのところはご安心を。

 楽しく面白く世界を作り上げているオリジナルのライトノベル。
 さて、次回はいつもどおりに日曜日更新予定。なんだかんだったあったものの、ついに始まる聖大天使(アークエンジェル)みんとのライブ。妙は上手く成功を収めることが出来るのだろうか?それは見てのお楽しみ。

関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 彼女たちの極秘事項(トップシークレット) | コメント:0 | トラックバック:0
<<煙と香りと。 | 黒のノエル。 | 訪れる睡魔。>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら


| 黒のノエル。 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。