現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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最期の夜。
2015-04-05 Sun 21:35

 執筆ペースが遅くても頑張ります!!

 少しでもいい物が作りたいと日々試行錯誤している蔵間マリコです。
 さてと日曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 さて、13話目を執筆し始めてから1ヶ月経ちますが、進捗状況としてはボチボチな感じです。ざっと言うと60%ぐらいでしょうか?全く進まない日もありますが、12話目を書いている時よりかはペースが速いのでそこまで完成に詰まったりするという状態は無いと思います。まあ、毎度毎度こんな話をするのもどうかと思いますが。
 さて、前座はこれぐらいにして、そろそろ本編へと入らせてもらいます。こちらも毎度同じことを言っていますけど、あまり上手ではありませんが、読んでくれると非常にありがたいです。それでは今回もどうぞ。
               第12話 歌姫(ディーヴァ)と騎士(ナイト)(7)

 男は雑木林の中を遁走していた。いや、逃げるという言葉すら正しいのか怪しい有様だった。
 至るところから血を噴き出し、筋肉は何十ヶ所も断裂を起こし、骨という骨が砕けている。薬の効力も切れたのか、皮膚は老人のようにボロボロとなり、髪の毛も真っ白となり抜け始めている。その見た目は、もはやゾンビの類といえよう。
 そして、彼を支えていたのは生命力ではなく、憎悪によって生み出された精神力であった。
 下等種族によって、母も父も親友も家も母なる大地も奪われた破滅の日。逃げた先で待ち構えていた 過酷で地獄のような環境。住む所どころか眠るところもなく、窃盗や強盗、殺人によって食いつなぐ荒んだ日々。些細なミスから起きた捕縛と終わりなき私刑(リンチ)。『死の商人』の救いと契約。数多のテロ行為や大量殺戮、破壊行為。
 彼にとって生きるということは、破壊と憎悪を撒き散らすことそのものであった。いつの日か出会うであろう、あの愚かで穢らわしき下等種族を滅ぼすために。
 だが、それを晴らす日が彼が思っていた以上に早く来た。それが、この日の誘拐事件である。
 彼は、これほどもない千載一遇のチャンスは無いと狂喜した。殺したくて殺したくて殺したかった下等種族が目の前に現れたのだから。
 しかし、結果は返り討ちにされてしまった。ドーピングしてもなお、あの下等種族にかつことが出来ず、惨めに逃げることしか出来なかった。負け犬の烙印を押されてしまったのだ。
「ぶぅるるるるるる……」
 一歩踏みしめるたびに貫くような痛みが走り、体が崩れていく。それに反比例して、彼の憎悪はますます大きくなっていく。 
「コロス……、ころす……、殺す……」
「そうですか、殺すですか。それはそれは物騒ですね」
 眼球の血管が切れ、ぼやけて真っ赤となった彼の視界には、ただ1つハッキリと見えるものがあった。
 ピンと立ったネコの耳を生やし、黒いスーツを着こなし、血塗れの男とかつて同じだった髪の毛の色をした小柄な少年である。
 男は、アドレナリンがたぎる感覚を覚えた。それもそのはず、彼が憎む下等種族が目の前に現れたのだから。
 それも彼にとってただの下等種族ではない。毎日嫌というぐらい放送に現れ、多くの同胞を殺したもっとも汚らわしき下等種族だ。
「それはともかく、ワイアード・フィクスさん。降伏しませんか? これ以上暴れると、命に関わりますよ? 罪状についても、大人しく話してくれれば我々エリア51が頑張って減刑してあげますから。悪くない条件だと思いますよ?」
 銀髪のネコ耳少年は、おどけながらもいたって冷静に降伏を勧告する。
「はく……ぎん……、死がみぃ……」
 男は既に死に体であるにもかかわらず、ギラギラとネコ耳の少年を睨みつける。手負いの狼の瞳だ。
「白銀の死神ですか……、確かに私はかつてそののような名で呼ばれましたね。しかし、それがどうかしましたか?」
「下等種族うううぅっ!!」
 男は懐から、最後のPPD-159を取り出して、自らの手首に刺した。
 男の髪の毛は逆立ち、筋肉は更に膨張する。だが、肉体の限界異常の過負荷がかかり、ぶちぶちと嫌な音をならす。皮膚が裂ける音、筋肉が裂ける音、そのどちらでもあろう。
「ぐぅるるるるるるるるるるうぅらぁっ!!」
「これがあなたの答えですか。とても失望しましたよ。ですが、せめてもの情けです。その憎悪、私が全て受けて止めてあげます。そして、私があなたを安らかに眠らせてあげます」
 獲物を狩るライオンのように飛び掛ってきた男。それは生命をかなぐり捨て、溢れ出る憎悪を爆発させた一撃だった。
 しかしながら、その憎悪の籠もった一撃はネコ耳の少年の命を奪うにはほど遠かった。
 おぞましき一撃は、軽やかにかわされてしまった。そして、ネコ耳の少年は流れるように背中を向けての強烈な体当たりを決めた。
「ぐっががががががががああああぁっ!!」
 勝負は一瞬で決まった。
 男は、列車にでも撥ねられたかのように飛ばされる。人工的に植えられた針葉樹は5本ほど簡単に薙ぎ倒し、眠りについていた鳥たちを散らし飛ばす。
 今の一撃で背骨が完全に折れて、男は歩くどころか立つことすらできなくなり、木の枝が心臓を貫いている。もはやアル・ビシニアンの医療技術をもってしても間に合わないほどの致命傷だ。
「あっ、あっ、あぐぁ……」
 男は血反吐を吐きながらも何かに向かって手を伸ばす。しかし、そこには唯一信頼していた『死の商人』すらいない。彼は、トカゲの尻尾切りをされたのだ。
「これで終わりですよ。言い残す事はありませんか?」
 あおり気味の角度から見えたネコ耳の少年は変わらず冷静だった。しかし、表情はどこか優しく憐れみの色が見え隠れしていた。
 おぼろげなビジョン、男は遥か昔に捨て去ったと思われた感情が去来した。それは走馬灯かもしれないし、精神的ダメージによるものかもしれない。あるいは、ネコ耳少年の表情か。
 だが、その感情は彼にいくつばかりかの救いを与えた。
「お、おとうさん……、お、おかあさん……」
 今まで邪悪な顔付きをしていた男は、まるで子供のような無垢な顔付きで既にこの世にいない両親を求めていた。ボロボロと涙を流しながら。
「おれ、がんばったよ……。おとーさん、おかーあさ……」
 彼が全てを言い切ろうとした時、黒服の青年の手刀によって首が撥ねられた。
 ボールのように数度バウンドしたと共に、切断面から間欠泉のように血が吹き出す。それを払おうとせず、ネコ耳の少年は直視していた。
 突如、ネコ耳の少年の前に立体幻像(ホロミラージュ)が現れた。慎重が2m30cmはあると思われる大男だ。そして、彼にもネコ耳の少年と同じようにネコ耳が付いていた。
「こちら、ブランっす。交渉現場の敵性勢力を殲滅したっす。地元の人間も数人襲ってきたので処理したっす。案の定、うなじに操思虫(マインド・ワーム)がくっついていたっす。部長はどうっすか?」
「こちらもちょうど今終わりましたよ。共犯者は抵抗したので、残念ながら。首は残っているから、死体から何らかの情報を調達できそうですが」
「そうっすか」
 ブランと呼ばれる大男は酷く素っ気無かった。
「とりあえずこれでひとまず終わりましたが、事後報告をまとめて提出してくださいね。特に今回の件は根深いものがありますから、いつも以上に綿密に」
「はぁっ、レポートっすか……。昔から苦手なんすよねえ……」
「そんなこと言っていたら上層部から給料を減俸されますよ」
「うへぇ」
 大男はボリボリと髪の毛を掻く。嫌なことがあると髪の毛を掻く、彼の昔からの癖だ。
「分かりましたっすよ。きっちり終わらせるっす」
 そう言うと、大男のビジョンは何処かへと消えてしまった。
 大男との会話が終わると、ネコ耳の少年は数m先で無造作に転がっている生首まで歩く。そして、屈んで瞼を閉じさせた。
「いくら我々を憎んでいたとしても、殺されるわけにはいきませんから。我々にできる慰めというのは、この程度しかありません。ウル・シュナイドの少年……」
 ヴァン・スコラットは、雑木林から差し込む弱々しい陽の光を仰ぐ。その表情は、どこか寂しげなものであった。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、デュタたちの戦いの結末とは別のもう一つの結末、ヴァン・スコラットと謎の襲撃者の戦いと結末を描きました。どうでしょうか?上手く伝わったでしょうか?
 自分としては、この場面で一番力を入れたのはとにかく殺伐とした場面を描くこと。物語全体としては光の部分を書いている以上は、こういう黒い部分を書かないといけないと思っていますしね。物語のメリハリとして。リリィの過去がそうだったように。
 ただ、今回は特に黒い部分と言ってもいいかもしれない。直接デュタが止めを刺さないにしても、その代わりとなる役であるヴァンに殺しの役を任せるのですから。互いに事情があるとはいえ、やはり奪命は大罪でありますからね。まあ、デュタはデュタでヴァンを殺すつもりで戦っていましたが。まあ、正直、そういった匙加減が難しいかなと。
 それと謎の襲撃者についてですけど、元々は生かす予定だったんですよね。まあ、後々の展開を考えると役に立ちそうだなあって。ただ、それだとちょっと展開的に甘いと思いますし、ヴァンのキャラクター性を造形するためにも外せない行動だと思いまして、死なすという展開で話を進めました。これが上手くあっているかどうかは分かりませんが、自分としてはこれが正解だと思っています。

 色々悩みながらも作り甲斐を感じるオリジナルのSFファンタジーライトノベル。
 謎の襲撃者との戦いが完全に終わり、家路につくデュタ。その帰宅先で待ち構えているものとは?次回も楽しみにしてください!!

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