現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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長き夜の終わり。
2015-03-29 Sun 20:51

 ペースは徐々に上がっているし、楽しませてもらっています。

 ネコ耳少女が大好きな蔵間マリコです。
 さてと日曜日ですので、いつものように更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活をオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 いや~、現在執筆中の第13話の進捗状況は50%あたりと少しずつペースが上がってきたという感じですねえ。自分が想像していることがある程度思うように執筆できていますし、悪くはないといった感じでしょうか。
 ただ、この調子が維持できるかどうかが問題になりそうです。ちょっと行き詰るとペースが極端に落ちるし、リアルでのトラブルとかがあると執筆作業にも影響があるからな。そういうに左右されずに書けるだけの精神力というものを持ちたいものだ。
 とまあ、進捗状況の話題はこれぐらいにして、そろそろ本題へと入らせてもらいます。先に言ってきますが、あまり上手じゃないですよ。それでも感想を書いてくれると非常にありがたいです。
 それでは、今回もどうぞ。
               第12話 歌姫(ディーヴァ)と騎士(ナイト)(6)

「アリーーーーースッ!!」
 私は一跳躍で狂える魔獣の頭上へと飛び込み、右肩へ踵落としを決めた。
 皮膚は裂け、筋肉が断裂し、骨が砕ける音が私へ伝わる。ドーピングをしたとはいえ、これで右腕が完全に使い物にならなくなったのは確実だ。
「グルルルギャアアアアアァッ!!」
 右肩を抱え、数歩後ろに下がる。
「はぁはぁ……。あ、あんたが何者かは知らない。何が目的で誘拐をしたのかは知らない。だけど、私はあんたの好きなようにはやらせない!! あんたのような奴にこれ以上、誰も傷つけさせない!! 私は、あんたを絶対に許さない!!」
「下等種族グアルルルルゥっ!! それを言えたぁ義理かァアアアアアアッ!!」
 筋肉で膨張した体を揺らしながら、ゆっくりと私の前と近づく狂える魔獣。
 しかし、私と同じく満身創痍の狂える魔獣にはもはや動きにキレなどなかった。
 右太腿に銃創らしき貫通傷があり、動きがぎこちなく、右腕も破壊されているため使い物にならない。私に対して仕掛けることのできる攻撃など多寡が知れていた。
 そんな限界状態の狂える魔獣が放ったのは、私の顔面へ向けてのスイング。当たれば、叩き付けられたトマトのようにグシャグシャとなるであろう死の一撃を。
 だが、その攻撃は体力が残り少ない私でも避けるには十分すぎるくらいに精彩の欠いたものだった。力こそあれど、勝ちを急いだあまりに大味すぎるものだった。
 私は振り下ろされた左拳をかわし、狂える魔獣の懐へと回り込んだ。
「ガァッ!?」
 私は怒りの炎を宿した瞳で睨みつけた。
 先ほどまで見せていた狂える魔獣の憎悪の瞳は恐怖の色に彩られ、無意識に後ずさりをした。
 私はそれを見逃さなかった。睨みと同時に溜めていた左腕の力を解放し、狂える魔獣の顎へとアッパーを放った。
 狂える魔獣はそれをかわす事など出来なかった。敢えて受けてカウンターを狙うだけでもなく、回避するだけの体力も残されていなかった。
「グギャアアアアアアアアアアアァッ!!」
 メットは完全に破壊され、顎は砕け、全身から噴水のように血飛沫を散らし、更に数歩引き下がる狂える魔獣。
 私は中腰となり、無防備となった敵の腹部に狙いを定めて、渾身の一撃を放った。
「ここから消えていなくなれぇえええええっ!!」
「ぶがががあぁあっ!?」
 私の左拳が狂える魔獣の肉に深々とめり込み、胸骨を砕き、内臓を破壊した。
「ぐ……、ぐげげぇっ!?」
「はああああぁっ!!」
 私は力に任せて、そのまま高速道路の外へと弾き飛ばした。残された力を全て振り絞って。
「きさまらぁっ、きさらまらぁっ、下等種族などにぃっ!! ちっ、くしょーぅっ!! ブゥアアアアアアアアアァァァッ!!」
 深い皺と血塗りとなった素顔を曝され男は、私に対して怨嗟の言葉をぶつけることしかできず、復帰する体力も残されていなかった。そして、男は高速道路の外、緑の生い茂る森の中へと虚しく落下し、消えていった。
 私はその姿を見て、どうして無意識のうちに感情が昂ぶっていたのか、狂える魔獣の力と憎悪の源が何であるかを理解した。
「あいつ……」
 しかし、私には男の事など考えている暇はなかった。
「アリスさまっ!!」
 妙はいの一番に狼、アリスの下へと駆け寄った。
「大丈夫ですか!? 大丈夫ですか!? 本当ならわたしがデュタさまを助けないといけないはずなのに、アリスさまが助けてくれるなんて……。全部、わたしのせいです!!」
 横たわるアリスの前で泣きじゃくる妙。妙もきっと、私と同じかそれ以上に苦しんでいたのかもしれない。そして、アリスも。
「私のことなら……、大丈夫です……。少し、休めば、なんとかなりそうです……。それよりも、私の姿を見ても……、怖くないのでしょうか……?」
「そんな関係ありません!! わたしにとって、アリスさまはアリスさまです!! 何にも代え難い大切な人です!!」
「ありがとう……、ございます……。こんな私を人と同じように扱ってくれて……」
 狼になっているため、どんな表情なのかは分からない。だけど、少なくとも優しく微笑んでいることには間違いない。
「すまない、妙。ちょっとどいてくれないか? 怪我を確認する」
「は、はい」
 私はアリスが満月の影響を受け、一種の熱病に冒された時と同様にOMC(オンラインメディカルチェッカー)をチェックした。
「肋骨が折れている……。本当ならば、RFPC(治癒機能促進培養液)ですぐさま回復させるべきなのだが……」
「デュタさま、何か不都合でもあるのでしょうか?」
「回復までに丸一日かかる」
「丸一日……」
 RFPCに1日浸かれば、間違いなく骨折は完治する。ただし、その場合は学園祭のライブを中止しなければならない。そうなれば、様々な方面に迷惑をかけてしまう。まだ地球(セラン)に降り立ってから1ヶ月しか経っていないが、私でもそれは分かる。
 それが、世間的に人気の高いアン・R・レオンクールならば尚更のこと。
「デュタさん……、お気持ちは嬉しいですが、あまり時間がありません……」
「そうか。だったら、これを飲め」
 私は、OMCから一粒の錠剤を召喚した。
「痛み止めだ。これを飲めば半日は大丈夫だし、治癒力促進効果もある。ただ、あくまでも気休め程度だ。薬が切れたときの保障は出来ない。それでもいいか?」
「は、はい……。私のライブを楽しみにしている生徒の皆様がいますから」
「分かった。飲めるか?」
「何とか、飲み込むことはできます」
 人狼となったアリスは、力なく痛み止めを飲み込んだ。
 すぐに効くわけではない。だが、間もなく痛みが引いて立ち上がることが出来るようになるはずだ。
「しかし、私が力不足のせいで君まで巻き込んでしまった」
「そんなことありません。デュタさんがいなければ、今頃、妙さんも私も大変なことになっていたかもしれません。いくら感謝しても足りないぐらいです」
「そう言われると、私も恥ずかしいな」
 私は思わず笑みをこぼした。先まではそんな余裕などなかったが、戦いの終わった今では笑うだけのゆとりが持てた。
「あひゃあ!?」
「うひゃらあっ!?」
 意味不明な奇声が何処からともなく聞こえた。
 私と妙は、奇声の聞こえた方へと振り向く。
 すると、そこには拳銃を持ったまま、白目を剥き出しにて涎を垂らした先ほどの2人の男、それに加えて黒服を着た1人の少女がいるではないか。
 その少女は私は知っている。目元まで隠れる紫色の目深なボブカットに、アル・ビシニアンの象徴であるネコ耳。こんな特徴的な髪型をした者など一人しか知らない。
「あの男の部下か」
「部長からの命令です……。事件の関係者を処理せよと……」
 淡々と説明するボブカットの少女に対して、私は臨戦態勢の構えを取った。もし、下手な動きをとれば、例え、相手がアル・ビシニアンでも戦う。それが、ミミとミューナと共にアル・ビシニアンから逃げた私の覚悟なのだから。
「妨害する者も、処理せよとも命令を下されました……。それでもよろしいでしょうか……?」
「関係ない。私の大切な親友に手を出すものであれば、誰であろうと同じだ」
 私とボブカットの少女の間に、見えない火花が散らし始めた。このまま行けば、再び血で血を洗い流す戦いが始まるであろう。
 しかし、それは起きなかった。
『そこまでしてよ!!』
 4枚羽のヘリコプターのローター音とともに渡り響く拡声器の声。
 ヘリコプターは風を巻き上げながらゆっくりとアスファルトの地面へと着陸する。
 中から現れたのは、東雲家の次期頭首である東雲のノーブルノーズこと、ブリジット・東雲である。
 その姿は学校で見る学生服などとは違う、東雲屋敷で出会った時の一風変わった和服姿。これが彼女の学校外での制服なのかもしれない。
「大変遅れて申し訳ありませんわ、デュトナ・サイベリアス。敵からの激しい妨害を受けて、貴方がたを助ける力になれませんでして。東雲家の次期当主として、謝罪いたしますわ」
「いや、交通封鎖してくれただけでもとてもありがたかった。気兼ねなく戦えた」
 私はブリジットが今回の救出作戦のために、色々と手回しをしてくれた。高速道路の封鎖に、東雲財閥自前の対策部隊の出動、マスコミに対しての情報遮断……。そのおかげで、私が宇宙人であることが公にされることもなく、この事件そのものがあったなんて極々僅かな者にしか知られることなどないだろう。
「アン・R・レオンクールに、橘妙。貴方たちをこのような騒動に巻き込んでしまってすみませんでしたわ。このような事態、この私、ブリジット・東雲が事前に対処なさらなければならないことをここまで拗らせてしまいまして」
「そ、そんなに自分を責めないで。わたしはブリジットさまのことを悪く思っていません。ブリジットさまには落ち度はありませんよ」
「私もそう思います。ブリジットさん、あなたは素晴らしい人です」
「その気持ち、素直に頂きますわ」
 私やアリスに対してもだが、ブリジットの妙に対する態度は恐ろしく低姿勢だった。妙と出会うたびに非常に攻撃的な反応を見せていたが、今は責任感というのが滲み出ている。ブリジットはブリジットなりに、妙のことを気遣っているのだろう。
「そして……」
 ブリジットは、目深なボブカットの少女より2m手前まで歩み寄る。敵意を撒き散らした靴の音を鳴らしながら。
「あの男の部下ね?」
「はい……」
「貴方たちが勝手に協力するのは構いませんこと。わざわざ人質交換の現場にまで出歩いたり、こうやって事後処理をするのも」
「……」
「しかし!!」
 ブリジットは、どこからともなく銀色に輝く得物を取り出し、ボブカットの少女に突き向けた。
 それはどこか幻想的で、吸い込まれそうなぐらいに穢れ一つない輝き放つ刀身。それでいながらも、長い間、幾人の生き血を吸ってきたかのような不気味さも匂わせる。この地球(セラン)で言うなら、『妖刀』という武器そのものであろう。
「貴方たちのやり方全てが、私たち地球人に通用すると思わないでくださる? なんでもかんでも『処理』すれば、解決すると思うとて?」
「……」
 ブリジットの言葉は、彼女の握る妖刀と負けないぐらいに鋭く、それでいながらも鍛造し始めた刀と同じくらいに熱く燃え盛っていた。
 一方のボブカットの少女は、能面のように何ら表情一つ変えることなく、ブリジットの顔をまっすぐと見つめていた。
「ぶ、ブリジットさん!! 女の子に刀を突きつけちゃあ、駄目ですよ!!」
「邪魔しないでくださいわ、橘妙。これは、私とこの方たちとの問題で……」
 ブリジットが全てを言い切ろうとした時、ノイズ音が周囲に鳴り響く。この音は、立体幻像(ホロミラージュ)の出現音だ。
「ブリジットさん、デュトナさん、こんばんは。そして、お疲れ様です」
 映された人物はエリア51アル・ビシニアン部門の部長、白銀の流星ことヴァン・スコラットだ。
「ひゃあ!!」
「こ、これはなんでしょうか?」
 突然現れた立体幻像にビックリする妙と初めて見たものに興味津々のアリス。
「こんばんは、ヴァン・スコラット」
 私がヴァン・スコラットに対して無視を決め込む私に対して、ブリジットは明らかに敵意を見せ付ける。以前もそうだったが、私以外にもあの男を嫌う者は多いのかもしれない。
「すみませんねえ、うちの部下が融通が利かなくて。送る前に、先に説明をしていれば良かったのかもしれません」
 ヴァンは、やや自嘲気味に語る。もっとも、本心はとてもそのようには思えないが。
「ところで、どうだったのかしら? 黒幕の拘束は?」
「残念ながら黒幕は現場にはいませんでした。いたのは武装させた機械人形(オートマタ)3体とデスストーカー30機だけでしたよ。元からまともに交渉するつもりはなかったようです。もっとも、それらは我々エリア51で処理させてもらいましたが」
「こちらも襲撃を受けましたが、共犯者とデスストーカーはデュトナ・サイベリアスが殲滅しましたわ。共犯者についてもこれから私たちが拘束に参りますわ」
「それらなら既に済みましたよ」
「?」
「既に終わらせています」
 ブリジットは、高速道路の外の森を見下ろした。当然だが、あの男は見つからない。
「あら、随分とアクションが早いですこと。いつもなら、これでもかというぐらいに遅いですのに」
「ええ、重要案件ですからね。重要なことに力を入れるのは当然のことですよ」
 ブリジットが皮肉に対して、あの男も同じように皮肉で返す。立体幻像相手に、なかなかの舌戦振りである。
「ひとまず、この件は一段落がつきました。現場検証や条約的な手続きといったものは、後日よろしくお願いします」
「そんなこと言われなくても、分かっていますわ」
「セレン、ご苦労様です。貴方は、戻ってもよろしいですよ」
「了解……」
「それでは、後日」
 そう言うと、ボブカットの少女は闇に溶け込んで消えた。そして、あの男の立体幻像も綺麗サッパリいなくなった。
「あっ、消えた!!」
「安心しました……」
「ふぅっ……・、相変わらず食えない奴ですこと」
 ブリジットは顔にこそ出していなかったものの、明らかに疲れていた。やはり、あの男と相手にするのは相当体力を使うのかもしれない。
「誘拐事件を起こしておいて、本人はトンズラ。誘拐を任せたのも、洗脳した手駒にしたどこぞの馬の骨と荒くれの傭兵。自らの手を汚さずに、誘拐を実行するとはこれは厄介なことになりそうですわ」
「そうだな。私も何度かあいつらと戦ったことあるが、嫌というぐらいに辛酸を舐めさせられた」
 私は夜景を遠い目で眺めながら思い出す。あいつらがどれだけ狡猾な相手かを。そして、どれだけ執念深いかを。
「まあ、そのことは今考えることではありませんわ。家族や関係者には上手く誤魔化していますけど、これ以上は無理がありますわ。ここから早く撤収しますわ」
 緊迫とした面持ちだったブリジットの表情は、いつの間にか優しいものになっていた。やはり、ブリジットには優しい笑顔が似合っている。
「良かったぁ……、もう帰れないかと思いましたわ」
 安心したのか、ボロボロと妙は涙をこぼす。
「ヘリの出発の準備が出来ました。ブリジットお嬢様、他の3人方もお乗りください」
「怪我の処置なら、私がします」
 ヘリの入り口で待っていたのは、東雲屋敷で働いている執事の山田とメイドのネクスだった。
「さあ、みんな帰ろう。みんなが待っている」
「うん、そうだね」
「そうですわね」
 しかし、1人だけ意に反する者がいた。
「すいません。帰るのは少し待ってくれませんか?」
 どこか申し訳なさそうな狼の姿のアリス。というよりも、もじもじしていた。
「あら、アン・R・レオンクール。何か大切なものでも落としたのかしら?」
「まあ、それに近いですけど……。服、貸してくれないでしょうか?」
「?」
「私、今、裸なんです。このままじゃあ、私、帰れません……」

 私とアリスが着替えを済ませ、ヘリが出発するや否や、妙とアリスは泥のように眠り始めた。当然であろう、あのような極限のストレス状態と体力の磨耗が続いたのだから。
 一方の私は、眠りにつくことが出来なかった。このまま大和やミューナのところへ戻っても、余計な心配をかけてしまいそうだからだ。約束どおり生きて帰ったとはいえ、今の私はボロボロ。その上、左腕がない。これでは気が引けてしまう。
「どうしたのかしら、デュトナ・サイベリアス。もしかして、このままじゃあ帰ることが出来ないと思っているのかしら?」
 ブリジットが俯き加減の私の顔を覗き込み、心を見透かす様に語った。
「いや、どうして分かった?」
「どうしても何も、その顔を見たら分かりますわ。でも、その点は安心しなさいませ」
 そう言うと、メイドのネクスが私の胸に右手を当てた。
「これは?」
「動かないでください。今すぐ、怪我を治しますので」
 そう言うと、ネクスは何やら独り言を言い始めた。
 それはどういう意味なのかは分からない。私の翻訳機能ですら翻訳してくれない不思議な言葉。ネクスは、それを聞き取るのがやっとな程度で呟いているのだ。
 すると、私の目の前で不可思議な現象が起こったではないか!!
 青白い光を帯びるネクスの右手。その光は、間もなく私の体へと入り込んだ。
「気持ち良い……」
 RPFCに浸かった時と同じような感覚の気持ち良さ。体の中から活力が生み出され、ほんの少し前まで溜まっていた疲れが、嘘のように無くなっている。
 いや、それだけではない。内出血や骨折といったものが、殆ど完全に治っている。RPFCなら1日かかるはずの怪我が、たった数秒で回復したのだ。こんな現象、データですら見たことがない。
「今の何なんだ? あっという間に怪我が治ったぞ? 何をしたんだ?」
「チベットの異民族から学んだ奇術の一つです。門外不出のため詳しいことは教えできませんが、怪我は治っているはずです」
 そう言いながら、ネクスは深い眠りについたアリスの治療を行った。こちらも一瞬にして、怪我が治っている。
「怪我だけではありませんわ」
 ブリジットは、アタッシュケースの中からあるものを取り出した。
「これは……、もしかして、予備の義手というのか」
「その通りですわ。もしも、時に備えて幾つか作らせてもらいましたわ」
「何故、私が右腕が義手であることを……」
「貴方が義手であることは、詳しいことは知りませんわ。ですが、あの男が無償で情報を提供してくれましたわ。貴方の力を利用したくて」
「ヴァン……」
「全く、あの男のことが理解できませんわ。利用するにしても、ここまで気前の良いことをするなんて。下手をしたら、タダじゃあ済まない立場でしてよ」
 ブリジットはどこか脱力をした感じだった。私も同じだが、命を奪いかねないくらいに本気で襲ってくると思いきや、ここまで面倒見が良いなんて。あの男なりの思惑があるのだろう。
 それでも私は。
「そうだな」
「あら? 何か私、おかしなことを言いまして?」
「そうじゃない」
 闇に支配されていた空は白け始め、朝日が見え始めた。
 そろそろ私たちも、帰るべき場所に帰らないと。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、前回・前々回と続いてきた謎の襲撃者との戦いの決着、そしてその後の出来事を書きました。どうでしょうか?面白いでしょうか?
 さて、今回の場面も同じようにアクションシーンに力を入れましたが、やはりと言うべきですか動きを文章化するのはとてつもなく難しいですねえ。自分の頭の中ではどのような動きをしているのかは理解しているんですけど、それがしっかりと伝わっているのかどうかは怪しいですけど。
 特に、デュタがアッパーからの正拳突きを仕掛けた場面の流れと謎の襲撃者の吹っ飛ばされる時の表現。これはしっかりと考えたつもりです。そのキャラにあったアクションであるのか、そしてそれが痛みがしっかりと伝わってくるのか。〆の部分である以上は、ここは念入りに書きましたよ。
 それと登場人物のやり取り。前回・前々回はアクションシーンメインなので、ここはあまり書いていませんでしたが、今回はガッツリと書いたので注意しました。妙とアリス、セレンとデュタたち、ブリジットとヴァン、そしてデュタとネクス。それぞれがどのような反応をするのか、どのような台詞を話すのか。そういったキャラとの相性を考えたり、より自然な流れになるように書いてみました。中でもブリジットとヴァンとの舌戦は自分のお気に入りです。

 なかなか上手く書けないけど、楽しく書いているオリジナルのSFファンタジーライトノベル。
 さて、次回はいつものように日曜日更新予定。長い戦いも終わり、家路につくデュタ。家路についたデュタの前には何が待ち構えているのだろうか?それはみてのお楽しみ。

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