現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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月下の魔獣。
2015-03-22 Sun 20:33
 まだまだ完成に時間がかかりそう。

 時間があれば、ちまちまと執筆している蔵間マリコです。
 さてと日曜日ですので、いつものように更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 毎週更新しているこのコーナーですけど、執筆中の第13話は今週でようやく30頁進んだといったところです。進捗状況は40%、2ヶ月で1話のノルマとしているところですがちょっと微妙な感じですねえ。まあ、少し前に比べるとモチベーションも上がっていますし、アイデアはいくらでも生まれていますが。あまり追い込まない程度に、かといってだらけないようにそんなバランス感覚を保つことを頑張ろうと思います。
 とまあ、前説はこれぐらいにして、そろそろ本題へと入らせてもらいます。先に言っておきますが、あまり上手くありませんよ?それでも感想やアドバイスを書いてくれると非常にありがたいです。それでは今回もどうぞ。
               第12話 歌姫(ディーヴァ)と騎士(ナイト)(5)

 先ほどのスマートな体つきとは違い、異常なまでに筋肉が膨張し、アストロスーツが所々裂けている。そして、メットの割れた右一部分からは血走った魔獣の瞳が覗かせる。
 私は正体不明者の異常さに恐怖を感じつつも、隣に転がっている固形状の物体を凝視した。
「ドーピング……、PPD-159か!?」
 PPD-159は一時的な爆発的な筋力、運動能力、精神力、思考能力の向上と引き換えに、心身ともに途轍もない負担をかける代物である。投与したものははなんらかの後遺症あるいは廃人化、最悪の場合は心臓が破裂して死ぬ可能性もあり、一般的な生産と市場販売は禁止されている。現在は裏ルートでのみ劣悪品が取引されているおり、それによる犯罪は今でも絶えない。
 そんな悪魔のようなドラッグを正体不明者は使った。死ぬ覚悟で私に戦いを挑むということか。
「2人とも離れていくれ。電磁障壁を張っておいたほうが良い」
「は、はい……」
「分かりましたわ、デュタさま」
 そう言うと、2人は山側のガードレールへと逃げた。これで少なくとも、戦いには巻き込まれないはずだ。
「命を投げ捨ててまで戦ってくるのか。ならば、私はそれに応えよう」
 私は、敵の攻撃に備え構えた。手負いの狼とはいえ、捨て身の攻撃を仕掛けてくる以上は油断できない。下手をすれば、死ぬ可能性だって十分に考えられる。
 狂える魔獣を前にして、無意識に汗を流し、息を飲み込む。相手の狂気に飲み込まれては負けだ。
「グルルルル、グガァッ!!」
 赤い月に向かって吼える正体不明者。大気は震え、雑木林を揺らし、大地に軽く響く。全身から噴出す血液がますます酷く噴出す。中がどうなっているかは分からないが、相当酷い怪我を負っているのは間違いない。それをドーピングによってカバーしていることも。
 そして、吼え終えたと同時に狂える魔獣は襲い掛かってきたのだ。
 しかし、それは私の予想していた可能性のどれでもなかった。
 正体不明者は突如、溜めを入れて片足で強く地面を踏み込んだのである。
 瞬間、私たち3人は地震に襲われかのようにバランスを崩した。
「なにっ!?」
「きあっ!!」
「じ、地震ですか!?」
 そして、正体不明者はそれを見逃すはずがなかった。
「ウガァアッ!!」
 恐るべき速度を纏い、正体不明者は私との距離をあっという間に詰め、爪を立てて右腕を振り下ろしてきたのだ。
「しまった!!」
 私は電磁障壁を張るという選択肢を選ぶ余裕すらなかった。
 とっさに私は、右腕で防御体勢をとる。
 その直後、正体不明者の痛烈な一撃が右腕を破壊し、多大な負担が私に襲い掛かった。
「くぅっ!!」
 幸い、痛みの感じない部分だった。しかし、その代償はあまりにも大きかった。
 私の体から離れ、宙で何回も回転した後に道路へと転がり落ちる右腕。
 これで右腕が使えなくなった。武器を召喚することも、電撃で攻撃することも出来ない。それどころか、右腕がないまま相手の攻撃を捌かなければいけない。
 迂闊だった。知っていてやったのか、あるいはたまたま偶然なのかは分からないが、相手が地球(セラン)の格闘術の一つ、震脚(しんきゃく)を使ってくるなんて。十分に離れていたから大丈夫だと思っていたが、文字通り地震のような踏み込みをするとは思っていなかった。
「でゅっ、デュタさま!! 腕がっ!? 腕がっ!!」
「大丈夫だ、出血はしていない」
 しかし、それは2人を安心させるための虚勢にしかすぎなかった。私が狼狽すれば、妙とアリスにも悪影響を与えてしまう。それだけは絶対に防がなければ。
「はぁっ!!」
 私は肉薄した狂える魔獣に対して、飛び蹴りをお見舞いした。
「ぐぎぃっ!!」
 狂える魔獣は、私の攻撃を回避することなく顎に直撃した。メットがなければ首を刎ねることはできただろうが、それでも顎が砕けたに間違いない。
 しかし、正体不明者は考えなしで喰らったわけではない。私の攻撃と命中したとほぼ同時のタイミングで、私の飛び蹴りを右手で掴んだのだ。
「しまった!!」
「グルルルルガァッ!!」
 正体不明者は私をそのまま地面へと叩きつけ、新たなクレーターを作り上げた。
「ううぅっ!!」
 私は後頭部と背中への強烈な痛みを感じ、ほんの一瞬だけ意識と呼吸が止まった。
 それに追撃するかのように狂える魔獣は、アスファルトに叩きつけられた私の顔面に向けてニードロップを放った。
 私は痛みを堪えつつも、咄嗟に右手側に転がり込んだ。
 紙一重、ニードロップは顔面ギリギリの位置で不発し、クレーターの上に更なるクレーターが作り上げられた。僅かにでも回避のタイミングを遅れていれば、間違いなく私もクレーターの一部になっていたに違いない。
 だが、同時に私にとっても反撃の好機でもあった。
 私は右手を主軸に逆立ちするように立ち上がり、全身に捻りをかけて、その勢いに任せて招待不明者を蹴り飛ばした。地球(セラン)の格闘術の一つ、カポエラキックである。
「グガァッ!?」
 重たくて鋭い一撃は、正体不明者の脇腹へと決まり、くの字の形となり防音壁に叩き付けられ、そのまま磔となった。
「はぁはぁ……」
 ダメージの蓄積していた私は追撃を行わず、その場で乱れていた呼吸を整える。相手がこの程度の攻撃で倒れるわけがない。すぐに立ち上がってくるはずだ。
 しかし、ここまで地球(セラン)の格闘術が役に立つとは。居合い抜きはブリジットから教わったものであるが、カポエラキックは格闘術の本を読んで咄嗟に真似したものにすぎない。そんな付け焼刃の技ですらあそこまでの威力を発揮するとは。完全に極めれば、アル・ビシニアンの格闘術を凌駕するものになるかもしれない。
「ググルルルル……」
 狂える魔獣は、血を吐きながらも全身に筋肉を膨張させて、磔の状態から脱する。アストロスーツで勢いを減衰しているとはいえ、あれだけの一撃を食らえばひとたまりもない。それでいながらも立ち上がってくるのは、薬と執念の賜物であろう。
「まだ倒れないか。思った以上にしぶとい」
「ブルルラァアッ!!」
 再び狂える魔獣は私に向かって、命を刈り取る猛攻が繰り出された。
 対して、私は片腕しか使えないことを考慮しつつ、回避行動に回った。
 直接パンチを受け止めるなど無謀なことをせず、かといって反撃も行わず、必要最低限の回避行動に勤め、長期戦に持ち込む。相手は強力であるとはいえ、薬の効力もそう長くはない。それに加えて、デスストーカーを全て沈黙させたから妨害されることもない。薬切れになった瞬間が最大のチャンスだ。
「グガルァアアアァッ!!」
 私はパンチの猛攻を紙一重で避けるたびに、狂える魔獣は血の霧を吹き出し、筋肉がぶちぶちと悲鳴をあげる。相手の体力切れもそう遠くはない。
 しかし、ここで思わぬ事態が起きた。それも、最悪の事態が。
「こ、ここは何処なんだ?」
「いててて、これ完全に骨が折れているんじゃねえか!?」
「それよりも、こいつら!?」
「やべえ、特ダネだ、特ダネだ!!」
 どこからともなく、下品な声が聞こえてきた。
 私は何があったのかと、ほんの一瞬だけ背後を振り返った。
 緑地帯で激突停止していたワゴン車の側に覆面の男2人組、いや以前出会ったカメラマンがいるではないか!?
 どうしてこんなところにあいつらが? もしかして、あいつらが操られていたとでもいうのか?
「ぐぁああがぁっ!!」
「まずいっ!?」
「デュタさま!?」
「デュタさん!!」
 ほんの一瞬気を逸らしたのが、命取りだった。
 狂える魔獣の重たいストレートが腹部へと突き刺さった。
「がはぁっ!!」
 ジワジワと腹部から滲み出る血液、ミシミシと骨と内臓に響き渡る衝撃、こみ上げる胃液。私は痛さのあまり、腹を抱えたまま膝をついてしまった。
 だが、狂える魔獣は攻撃の手を緩めない。
 側頭部めがけての強烈なキック。
 回り込まれてのガードレールの残骸での打ち上げ。
 空中でのハンマーパンチによる地面への叩きつけ。
 私は地球(セラン)のピンボールという遊戯さながらに吹っ飛ばされ、なす術もなかった。一撃一撃どれもが重たく素早く、体勢を整える余裕すらなく、痛み以上に意識が遠のきそうだ。
 アストロスーツも千切れ、体中からは出血し、骨は折れ、襤褸雑巾にようになり、もはや立ち上がるだけの体力も意識も残されていない。いつ死んでもおかしくない。
「アリスちゃ……ってるのか、よく分からない!!」
「私を……わないでください」
 どこからか声が聞こえてくる。だけど、何を言っているのか分からない。
「……グルルルルルゥ……」
 何かの唸り声がするが、何者かも判断がつかない。
「ぐっ!?」
 私は何者かに首元を片手で持ち上げられ、締め上げられた。
「くっ、苦しい……」
 私は、締め付ける腕を残り僅かな力を振り絞って振り払おうとするが、とても放せるものではなかった。片腕であるのならば、尚更のことである。
「……ルルゥ、殺ス……」
 おぼろげに見える視界からは、悪鬼のような憎悪に満ちた狂える魔獣がいた。
 徐々に握力が強くなり、私の首が締め付けられる。
 そのたびに、私は血流の流れが遅くなることを体感し、呼吸が苦しくなり、涎を垂らし、骨が軋む。
「あっ、あっ……」
 こんなところで私は死ぬのだろうか?
 妙やアリスを助けることも出来ずに、無残な死体と成り果てるのだろうか?
 ミミとミューナを私以外の誰が守ってやるのだろうか?
 大和との約束を果たせずに、失意のまま死んでしまうのだろうか?
 突如、乾いた音が数回鳴り響いた。
「グガァッ!!」
 何があったのかは分からない。だが、ほんの僅かだけ揺らいだけで殆ど意味をなさなかった。
「……ルルァ邪魔!!」
 狂える魔獣は私の首を絞めつつ、ゆっくりと動き出した。
 衝撃が私の体に伝わり、私の呼吸はますます困難となる。
 私は、いつ切れてもおかしくないか細い蜘蛛の糸そのものの思考で打開策を模索したが、どうしても見つからない。どうやって見つからない。
 ああ、もう駄目だ、私……。

「アォオオオオォーン!!」

「ゴガァッ!?」
 私を呼ぶ声とともに、狂える魔獣は大きく体を崩した。
 その瞬間を私は逃すことなく、狂える魔獣からの首絞め攻撃から脱出し、息を整えた。
「ゴホォッ、ゴホォッ!!」
 私は何が起きたのかをすぐに理解することが出来なかった。酸素が脳へと完全に回りきり、正常の思考に戻るまで少々の時間がかかりそうだ。
 ただ、何かに助けられたのは確かだった。
「ヲグルルゥガァッ!!」
 狂える魔獣は、私のことを忘れたかのように明後日の方向へと走り出した。
 そして、狂える魔獣はアスファルトの道路を両手で強く叩きつけた。
「きゃあっ!!」
 残響する悲鳴、弾け飛ぶアスファルト片、宙に飛ばされた一つの影。
 ようやくそこで、誰が助けたのかを把握した。
 地球(セラン)に極少数ながらも存在し、古来から人間に忌み嫌われた種族。
 人類の歴史の影で生き、陰で支えてきた誇り高き一族。
 人の姿でありながらも、日の光に弱く、月夜の夜には人ならざる姿へと変わる闇の眷属。
 人狼(ウェアウルフ)。
 四足歩行の狼の姿へと変わったアリスが、私を助けてくれたのだ。
 そして、私の代わりに犠牲になってくれたのだ。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、前回に引き続きデュタと謎の襲撃者との戦闘場面を載せました。自分なりに考えながら書きましたが、どうでしょうか?
 自分としては、今回の場面で一番力を入れたのは前回同様に戦闘シーン。ただし、前回と違って肉弾戦がメインなので、より動きを激しく書きました。劣勢ながらも咄嗟の判断で攻撃を繰り出し、ギリギリの回避を行うデュタ。それに対して、防御など考えずに攻め続ける謎の襲撃者。その対照的なアクションを注意しながら書きました。
 特に個人的には、デュタに対してラッシュを喰らわせる描写には念入りに書きました。いかにもスピード感がある、それでいながらもとても痛そうな。自分はアクションのシーンが苦手ですけど、どうやったらそれが人に伝わるのかをしっかりじっくりと考えました。ただ、描写が少ないような気がしますが。まあ、こういうのは少しずつ上達していくしか。
 あと、アリスの正体についても力を入れました。ただし、正体についてはここでは語るつもりはありません。12話目のラストにでも語るつもりです。まあ、大したことじゃないと思いますが。

 書くスピードは遅いけど、楽しく書かせてもらっているオリジナルのSFファンタジーライトノベル。
 次回は日曜日に更新予定。デュタのピンチに捨て身の救出を行ったアリス、その運命は?そして、デュタは謎の襲撃者を倒すことが出来るのだろうか?それは見てのお楽しみ。

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2015-03-26 Thu 12:25 | URL | つねさん #-[ 内容変更]
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