現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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祭りの始まり。
2014-11-23 Sun 21:41
 まだ15ページ……。

 完全に空転している蔵間マリコです。
 さてと日曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 ああん、ダメです、もうダメです、全然ダメダメです。毎日、2~3時間ほどPCに向かって原稿を書いているんですけど、全然筆が進まないんですよ。アイデア自体はいくらでも湧いてくるんですけど、それを文章にしようとすると全然上手くいかなくて。そして、その上手くいかない状態が続いてモチベーションに響いて……。それが執筆スピードに影響しての悪循環。
 なにがいけないんだろうか?別に飽きたとかそういうわけじゃないんですけど、負のスパイラルに完全に嵌ってしまって、自分でも抜け出すことが出来ない。調子が良い時は、週に20ページは書けたんだけどなあ……。
 すいません、ちょっと愚痴になっちゃいまして。まあ、こういう湿っぽい話はこれぐらいして、そろそろ本編へと入らせてもらいます。あまり上手くありませんが、読んでくれると非常にありがたいです。
 それでは、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)をどうぞ。
            第11話 学園の女王(ハイスクール・クイーン)(4)

 それから数日、俺たちは学園祭に向けての準備を行った。
 ミューナとリリィはコスプレ会場の準備、妙はライブコンサートに向けての特訓。他の者はどのような準備をしていたのかは分からないが、着々と準備を済ませていたのは確かだ。
 俺については、橘町歴史レポートをギリギリのギリギリまで時間を使って完成させた。手抜きをすればもっと早く完成していたかもしれないが、妙に手伝ってもらっている以上はそれは出来なかったし、リリィがそれを許してくれるわけがない。結局、完成したのは学園祭前日の夜11時。肉体的精神的疲労が限界を達し、寝るまでの記憶が殆どハッキリしなかった。

 そして、2日に渡る学園祭が始まった。
 東雲学園祭は、部外者が東雲学園に入る数少ないチャンスの1つであり、生徒の保護者のみならず、全国津々浦々の人間が客として参加する一大イベントだ。単純に生徒の露店や校内の催しを楽しみにしている者、東雲学園の校内事情を調査する者、禁止はされているが気付かれぬように生徒にナンパをする者……。日本でも五指に入る名門学園だけあって、盛り上がりようは普通の学校とは比較にならないほどのものである。
 勿論、東雲学園側もそれに負けないほどの凝り様である。毎年恒例のライブコンサートをはじめ、在学生の開発した新技術や新商品のお披露目会、劇団並みの演技力を誇る演劇部の劇などなど。これらのメインイベントは生徒や部外者、マスコミなどにも人気が高い。
 それ以外にもクラスによる露店や部活の催し物などのレベルもかなり高く、どれ一つとっても通常の学園祭よりもグレードが二つか三つ高い。これらどれかが欠けていれば、ここまでの盛況ぶりはない。これら全てが揃っている、これが東雲学園祭の魅力である。
 そんな盛り上がりに盛り上がっている東雲学園祭だが、この俺、夏目大和は対極的な位置にいた。
「いらっしゃいませー……」
 先日の疲れが抜け切っていない俺は、睡魔と格闘しながら写真部の入場者数をチェック。部活内での取り決めとはいえ、退屈で鬱屈なこの時間は罰ゲームに近い。対面にいる後輩の猫屋徹は(ねこや とおる)はニコニコ営業スマイル、よく我慢ができるものだ。
 欠伸を噛み締め、重たい瞼を持ち上げようとするが、それがなかなか上手くいかない。かといって、眠っているところを人に見られたら、それこそ大問題に発展する可能性がある。
「ふああ~っ」
 本日、12度目の欠伸。数えるのすら辛くなってきた。このまま眠りについたらどれだけ幸せだろうか?
「ここ、写真部だよね?」
「あっ、はい」
 意識が飛びかけていたところ、男の声が眠気覚ましとなった。
 視線を合わせると、そこに20代前半の男女のカップルがいた。
 二人とも可もなく不可もなくな顔付き、中肉中背、それなりのお洒落をしたまさにお揃いなカップル。多分、OBとOGだろう。
「ありがとう。楽しませてもらうわ」
 カップルは軽く一瞥をし、展示場へと向かった。
「あ~あ」
 先のカップルを見ていると、今俺がやっていることがとても馬鹿馬鹿しく思えてきた。妬いているわけではない。なんで周りが楽しんでいるというのに、こんな無駄な時間を過ごさないといけないのか。何らかの口実があれば抜け出せるのだが。
「ふああ~っ」
 これで13回目。当番の時間が終わるまでに欠伸を吐いた回数でも数えようかな?
「随分暇をしていますね、大和さま」
「そうだよ、暇だよ、超暇だよ。暇で窒息死しそうだよ」
 俺は顔を見なくても、誰と話しているかぐらい容易に想像がついた。
「でしたら大和さま、一緒にわたしとデートしませんか?」
「またデートぉ?」
 俺は欠伸の代わりに、溜め息を吐いた。
 日曜日にデートというの名の課題の手伝いをしたというのに、今度は学園祭でデートか。俺以外にも当番をしている人間は1人いるからこれを理由に抜けようと思えば抜けることは出来るが、またデートというのも考え物である。
 しかし、このまま集中力が切れた状態で当番をしても迷惑をかけるかもしれない。
 なら、俺の取るべき行動は。
「はあ、分かったよ。ただし、今回もデートじゃないぞ」
「ありがとう、大和さま」
 俺はゆっくりと席を立ち上がり、向かい側にいる猫屋の顔を確認した。
 呆れ顔であるが、それを止める様子もなかった。
「悪いな、先に抜けさせてもらうぞ」
 俺と妙はそそくさと部室から抜けた。

                              ※

「大和さま、ブラックコーヒーです」
「いや、俺はブラック苦手なんだけどなあ」
 どうも俺は昔からブラックコーヒーは苦手だ。口の中に広がる違和感と胃の底からやられそうな苦さ。たっぷりと砂糖と牛乳の入ったカフェオレや普通のコーヒーなんかは好きだが、ブラックは高校2年生となった今でも苦手な飲み物である。
「でも、眠気を飛ばさないとみっともないですよ?」
「まあ、そうなんだが……」
 俺は渋々、紙コップに入った悪魔のように黒く、地獄のように熱いブラックを一口口につけた。
「うっ……」
 熱さと苦さに思わず舌を出してしまった。やっぱり、俺にはブラックは合わない。
「ガンバですよ、大和さま」
 妙はグッと両手を拳にして応援した。エールを送るのは嬉しいが、できればブラックは飲みたくない。
「ヤマト、何苦々しい顔をしておる。持ち場はどうしたのじゃ?」
「ミューナか」
 どこからともなくミューナが現れた。
「ああ、これやるよ」
「そうか、ヤマトはとても気が利く奴じゃ。ちょうど喉が渇いていたのじゃ」
 俺はミューナに直接コーヒーを手渡し、確認せずに一気に飲み干した。
「ぶにゃあっ!!」
「うわちゃあっ!!」
 ミューナは、悪魔のように黒く、地獄のように熱いコーヒーを逆噴射した。
「けほっ、けほっ!! ヤマト、何を飲ませるんじゃ!?」
「なっ、なにって、コーヒーだよ!! いきなり噴出すなよ!!」
 せっかく新調した制服がコーヒーまみれになってしまった。楽しい楽しい学園祭だというのに、思わぬ災難に遭うなんて。
「コーヒーなんて熱くて苦い飲み物を飲ませるなんて、ヤマトは最低最悪じゃ!! 舌がヒリヒリしておる!! 妾をなんと思う!? アル・ビシニアンじゃ!!」
 そういえば、そうだった。宇宙人といえど、猫であった。猫が猫舌であることなんて、簡単に想像をつくはずなのに。
「ふにゃああああ……!!」
 ミューナは、唸りながら猫目で睨みつける。それは、鼠を全力で捕まえる野生の本能剥き出しの猫そのものだ。顔でも引っ掻かれたらたまらない。
 こうなったらいつもの買収作戦に出るしかない。
「ご、ごめん。フライドポテトを奢ってやるからさ」
「フライドポテトで許すような安い奴だと思っているのか?」
「分かったよ、焼きそばも買うからさ。それで許してくれよ」
「そんなことで妾が許すと思うてか? 妾は、今回の件は絶対に許さぬのじゃ」
「ああもう、だったらトルコアイスも買うよ!! それで駄目なら、もう知らん!!」
「許す!!」
 先まで怒っていたミューナだったが、あっという間に心変わりしてしまった。怒りに満ちていた顔も、いつの間にか満面の笑みへと変わっていた。
「デュタが全然お小遣いをくれないから困っていたのじゃが、ヤマトがそんなに奢ってくれるとは!! やっぱり、ヤマトは最高じゃ!! にゃははは!!」
「やられた……」
 ブラックコーヒーを飲ませた俺にも責任はあるかもしれない。それでも、ミューナが奢ってもらう内容を吊り上げるという悪知恵をつけたのは事実だ。完全にやられてしまった。
「はあ……、今月は色々と金を使ったのに……」
「ヤマト、男に二言は無いに決まっておるな?」
「はいはい、フライドポテトと焼きそばとトルコアイスですね」
「そうじゃ」
 念を押すかのように言うミューナに、俺は半ば自棄になっていた。どうせなら放って置けば良かった。
「ところで、ミューナさまはお暇でしょうか?」  
「いや、妾は今からコスプレしに着替えに行く。タエも見に行くか? 妾の素晴らしい姿に驚くこと間違
いなしじゃ」
「ぜひ大和さま、観に行きましょう!!」
「ま、まあ、どこに行く予定もないしな。暇潰しになるだろうし、観に行くか」
「そうか。妾は着替えてくるのじゃ」
 まったくミューナはどこまでも調子のいい奴なんだ。居候している以上は、少しは気遣ってくれよ。

 南校舎屋上も、例に漏れず人でごった返していた。
 バンド部のギター演奏会やロボット研究部によるオリジナルの小型ロボットによるゲーム大会、その他様々な露店が行われている。グランドや中庭、体育館内ほどの広さがない分、人口密度はそれらよりも濃い。流石にミステリーサークル発見地点のような猿の芋洗いというほどではないが、それでもすれ違う人には多少注意しなければならない。
 そんな人ごみの中、特に人が集まっていたのが、写真部によるコスプレ撮影会だった。
 撮影部の部員をはじめとした生徒たちの自慢のコスプレ衣装を撮影に人が集まる集まる。中には、ルールこそ守っているが、かなりギリギリな行為をしている者までいる。一応、許可は取っているだろうけど、ちょっと危ない。
「皆さーん、列を乱さないでくださいー!!」
「写真撮影は1人3分5枚、ビデオ撮影は禁止や!!」
 コスプレ参加者たちは、列を整理しながら指定されたポーズを取る。際どいものや大胆なものこそは取らないが、それでも可能な限りは撮影者の指定どおりのポーズを取る。どこかこなれた印象だ。
「大和先輩、妙先輩、こんにちは」
 赤いロングヘアーのウィッグを被り、茜色を基調とした着物、刀、清潔感漂う天使の翼。コスプレイヤーの中でも一際目立つコスプレ衣装をした長身の少女、呉(くれ)アキが快活に挨拶をする。
「こんにちは。もしかして、うちらを撮影に来たんか?」
 SF作品に登場するぴっちりとした光沢のある漆黒のスーツに、漆黒の眼帯、漆黒の翼、そして女の子が使うにはおおよそ不釣合いなライフルとナイフ2丁。アキ同様に派手なコスプレ衣装をした関西弁の少女、高野翠(たかのみどり)もワンテンポ遅れて挨拶をする。
「いや、そういうわけじゃないが、色々と見たくてな」
「もしかして、2人とも聖大天使(アークエンジェル)みんとのコスプレですか?」
「はい、今年はリリィちゃんとミューナちゃんと一緒に聖大天使みんとのコスプレに挑戦したんです」
「どうや、うちらのコスプレ似合ってんやろ」
「そうなのか、妙? 聖大天使みんとのことはまったく分からないんだが」
「はい、とってもお似合いですわ」
 妙は後輩2人組の隣に移動した。コスプレ衣装の品定めだろうか?
「アキさまが着ているのは、武神天使ミカエルこと宮藤恭子(みやふじきょうこ)のコスプレ。代々伝わる宮藤流剣術の後継者である宮藤恭子は男勝りな性格でありながらも、不器用ながらも優しい性格で男女から人気を博していますわ。この着物を意識したエンジェリックフォームは、武人でありながらも少女であることを忘れない彼女の精神性を体現しています。必殺技は、『裁きの聖剣(ジャッジメント・ソード)』。初登場回である第4話『第二の天使!! 宮藤恭子現る!!』は、宮藤恭子さまのファンの中では特に人気がありますわ」
 妙はアキがコスプレの説明が終わると、間髪入れずに翠のコスプレ衣装の解説を始める。その姿はまるで大好きなアニメを語るオタクに近いものがある。少し近寄りがたい印象だ。
「翠さまが着ているのは、制裁天使ウリエルこと二階堂エリスのコスプレ。昼は元気で明るい子ですけど、夜になると手段を選ばない復讐の堕天使に変貌。最初はみんとたちの敵と立ちはだかりますが、戦っているうちに彼女はみんとたちに心を開いていきます。その姿は多くの視聴者を魅了しました。必殺技は『魔弾の射手』。初登場回は13話『黒き翼』。ちなみに、聖大天使みんとの衣装は、エリス役のうさぎさんのアイデアを下に作られたものですわ」
「すごーい!! 妙先輩、とっても物知りですね」
「うちらの知らんことまでよう知っておる。もしかして、知り合いにスタッフでもいるんかいな?」
 妙の饒舌で詳細な解説に、俺は少し置いてきぼりだった。聖大天使みんとのことをまったく知らない人間としては、何を話しているか分からないし、他の2人はしっかりと話を合わせているのだから。もっと世間の流行に興味を持つべきなのだろうか?
「ところで、いつものチビガキはどこなんだ?」
「チビガキって酷いですよ、大和先輩はリリィちゃんのお兄さんじゃないですか」
「俺はあいつの兄じゃないぞ」
「可愛い後輩がお兄ちゃんって言っているんですから、それに応えるのが先輩の務めだと思いますよ。大和お兄さま」
「はあ……」
 リリィからお兄ちゃん呼ばわりされるのも十分むず痒いことだったが、他の人間から義兄妹認定されるのはそれ以上にむず痒いことだった。なんで、こんなことが他の人間に伝播するんだろうか?
「あっ、2人とも来たで!! こっちや、こっち!!」
 翠は何者かに向けて、大声で手を振った。
 俺と妙はゆっくりと振り向いた。
 すると、そこには聖大天使みんとのコスプレと思わしき姿をしたミューナとリリィがいた。
 その姿は、後輩2人組同様にかなり目立つ格好だ。
 ミューナは、淡いピンクが目に優しいウェディングドレスのようなドレス、様々な模様や飾りが施されたロッド、清潔感溢れる天使の翼の生えたキャラクターの格好をしている。
 一方のリリィはリリィでかなり特徴的なコスプレ衣装だ。シスターを髣髴させるデザインの藍色の修道服に、どこか性的なものを匂わせるミニスカート、金色の蛇の模様が描かれた皮製の本、そして6枚もある純白の翼。
 衣装の完成度も勿論のことだが、2人ともしっかりと着こなしており、TVや雑誌で紹介されてもおかしくない。その姿に観客のみならず、不覚にも俺まで魅入ってしまった。
「すげぇ……」
「もしかして、プロのコスプレイヤー?」
「確か、ミューナさんと瀬良さんだよね、あれ」
「これはぜひ撮らなければ!!」
 賑わっていたコスプレ会場だったが、2人の登場により熱気は更に増した。
「どうじゃ、妾の美しき姿に卒倒するはずじゃ」
「じゃじゃーん!!」
 2人とも、キャラクターのイメージに合わせてポーズを取る。同時に、カメラのシャッター音とフラッシュが2人を包み込む。たった一つのポーズで、この反応。ミューナとリリィの集客力、恐るべし。
 しかし、あの2人は聖大天使みんとの何の格好をしているのだろうか? 派手でどこか魅惑的なことは分かるが、どういうものかまったく分からない。
「大和さま、アレは望月みんとのコスプレとマリア・フローレンスのコスプレですわ」
 妙は再び解説モードへと突入する。
「ミューナさまのコスプレは、聖大天使みんとの主人公である聖大天使ガブリエルこと望月(もちづき)みんとですわ。入学式の日、交通事故に遭い瀕死の重傷を負っていたところ、天使ガブリエルに命を救われます。その代償として、みんとは七大悪魔たちと戦うことになります。その真っ直ぐな想いと挫けない心、そして清らかな心を体現したのがこの姿というわけです。回が進むごとに衣装もパワーアップしますが、私は記念的な意味合いでミューナさまがコスプレをしている初期フォームが好きですわ」
 妙は頬に両手を当てて、何かを思い出したかような表情をしている。熱弁のあまり、少し陶酔しているのだろうか?
「そして、最後に紹介するのはリリィさまのコスプレ。告知天使ラファエルことマリア・フローレンスは、敬虔なクリスチャンです。そんな彼女が、偶然にもラファエルと邂逅します。天使の力を入れたマリアは、その力を持ってして毎夜七大悪魔の手先と戦っていましたが、七大悪魔の1人、『傲慢のベリアル』の罠に嵌ってしまい大変な目に遭います。そのエピソードが描かれた第15話『傲慢の仮面』は、名エピソードの1つとして数えられています。必殺技は、天使たちの傷を癒し、悪魔たちを撃退する『癒しの風(ヒーリング・ウィンド)』。まさに信心深いマリアらしいデザインですわ」
 軽く息を吐き、妙は「どうでしたか?」とニッコリと笑った。
「あ、ああ……、凄いことだけは分かったよ……」
 妙の機関銃のような絶え間ない解説に、俺は少し引いていた。妙って、こんな感じだったろうか? それとも、また俺の知らない妙なのだろうか?
「見て見て、夏目お兄ちゃん!! とっても可愛いでしょ!!」
 バタバタと俺に向かって慌しく駆けつけるリリィ。その姿は、先を走るご主人様を追いかける子犬のような姿だ。
「そ、そうだな。元のキャラがどんなものかは知らないが、なりきっているんじゃあ……」
 俺は当たり障りのない感想で返答した。
「やったーっ!! お兄ちゃんに褒められたー!!」
 喜びのあまり、リリィは3度跳ねた。褒められたつもりはないが、そんなに嬉しいことなのだろうか? 相変わらずリリィは極端な性格である。
「しかしなあ、こうも上手く合わすとは」
「お兄ちゃん、ボクがこんなに可愛い衣装が合わないわけないでしょ」
「いやだってさあ、お前はおと……、あがうぅっ!!」
 その瞬間、俺はリリィの後ろ回し蹴りが鼻っ面に直撃した。
 痛い痛い、死ぬほど痛い。地面で芋虫のように丸くなり身悶えするほどに痛くて立ち上がれない。
「夏目お兄ちゃん、なんでもないよね?」
「さっ、さっき、ふぐ……」
「夏目お兄ちゃん、全然全くなんでもないよね?」
 リリィは、俺の笑顔で俺の胸倉を掴んだ。笑っているが、内心笑っていない。それどころか、殺気に満ちている。
「は、はい……」
 俺は抗うことなど出来なかった。抗うなど命知らずなことが出来るわけないし、恐怖でそんなことが言えるわけない。
「何をしているのじゃ? ヤマトとリリィは?」
「さあ? わたしもよく分かりませんわ」
 外野2人は、いかにもお気楽な感じで修羅場を見ている。少しは助けてくれよ……。

 どうでしたか?今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、学園祭開始直後とコスプレ会場での出来事を載せました。まあ、そこまで妙なことはしているわけではありませんが、自分なりに考えて書きました。
 で、今回の場面で一番力を入れたのは、橘妙の聖大天使みんとのキャラクター解説。グダグダと長い文章を書くのはあまりよくないというのは分かっていますけど、あくまでもオタクっぽく解説するということでそういったところを注意して書きました。息つく暇も無く早口で話す、それも詳細に。自分もそちら側の人間だから、そういうのは分かっているしね。だから、これを書いている時は内心少し恥ずかしかったですね。
 それと、夏目大和と瀬良リリィの絡み。いつものようにあることに触れようとしたら暴力を振るわれるというのはお約束となっていますけど、そこまでに至る過程なんかも読んでいる側が楽しく思えるような展開にしてみました。どうでしょうか?上手くいってますでしょうか?

 楽しく書いているけど、絶賛絶不調中のオリジナルのライトノベル。
 さて次回は、いつもどおりに日曜日更新の予定。大和と妙の学園祭巡りは、次はどこへと向かう?それは見てのお楽しみ、来週も楽しみにしてください!!

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