現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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悪習の打破。
2014-11-10 Mon 20:23

 今日は平日なので、前置きとか後書きは省略!!

 なかなか更新する機会がない蔵間マリコです。
 月曜日ですけど、日曜日に掲載していなかったので更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和とネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 もう平日なので、あまり時間がないのでさっさと本編に入りますよ。あまり上手くありませんけど、読んでくれたり、感想なんかを書いてくれると非常にありがたいです。
 それでは、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)をどうぞ。
            第11話 学園の女王(ハイスクール・クイーン)(2)

「どうですか、大和さま?」
「えーーーーーーーっ!!」
 ドアの向こうから現れたのは、初めて見る橘妙の姿であった。
 新雪のように汚れなき白いセミロングヘアーに、20年間しっかりと熟成させたワインを髣髴させる味わい深い赤い唇。
 細かい差異こそあれど、その姿はまるでアンジェリカのアン・R・レオンクールそのものである。
「も、もしかして、妙って妹なのか?」
「違います、大和さま。アリスさまそっくりにメイクしてもらいました」
「いや~、これは驚いた。これを一発で気が付く奴なんて、滅多にいないぜ。俺も一瞬、アリスちゃんだと勘違いしたぜ。ファンとして不覚!!」
 演技じみた動作で武士は自らの額を叩く。武士が勘違いするほどメイクキャップなのだから、ファンが見てもすぐに気付かないほどのものであると理解できる。元々背格好も似ていて、服装を変えればある程度誤魔化せるだけあって、似せ易かったのかもしれない。
 しかし、ここまで似せることができるなんて。プロの仕事というものは相当なものである。
 「でも妙ちゃん、そんな格好をしてどうするの? コスプレの趣味を始めるの?」
「そうですわ、貴方がそのような姿をして、私に対抗しようとするのかしら?」
 ブリジットの言い分はともかく、そらの言うとおり、アリスと瓜二つの格好をする必要があるのか? それが今一番気になる点だった。
「それには事情があります」
 アリスは、妙の右隣にご丁寧に並ぶ。隣に並ぶと、ますますどっちがどっちだか分からない。これだけでも、なかなか驚くべきことである。
 しかし、今から語られることはそれ以上に驚くべきことだった。
「実は私、学園祭のライブに出ることになりましたわ!!」
「えーーーーーーっ!!」
 妙の爆弾発言に、俺たち4人は目が飛び出た。
「どういう風の吹き回しなんだ?」
「ひょーっ、妙ちゃんアイドルデビューか!!」
「大丈夫なの、妙ちゃん?」
「たっ、橘妙!! 貴方が言っていることがどういうこと分かっているかしら!?」
 あまりにも意外すぎる発言に皆が皆、妙に質問をぶつける。
 当然ながらの質問攻めにどぎまぎする妙だが、その代弁者としてアリスが返答する。
「皆さん、落ち着いてください。これにはちゃんとした理由があります」
「こんな大切なことを話さないなんてどういうことなのか、話して頂戴」
 ムスッとした顔のブリジットは、アリスに詰め寄る。大株主のブリジットから言わせて見れば、当然の権利であろう。
「東雲学園祭のイベントの一つであるライブコンサートですが、私は疑問に感じました」
「疑問?」
「はい。あくまでも学園祭の主役は学生ではないのでしょうか? なのに、私たちアイドルやアーティストが主役である学生たちの立場を奪ってもいいのでしょうか? それは、学園祭というイベントして本末転倒だと思います」
 アリスはいたって真剣だった。適当や気まぐれなどで考えたわけではなく自分なりの考えを持って、この企画を決めた。いつもはファンのために可愛げのある行動を取らないといけないが、しっかりと自分の考えを持っている辺り大人びている。そうでなければ、芸能界は生き延びることなど出来ないだろうから。
「それに、このライブはあまり良からぬ噂を聞きました」
「良からぬ? もしかして、アーティストグループが解散したっていうアレか」
「そうです。本来、学生さんたちに楽しんでもらうイベントであるはずなのに、アーティストたちが苛立っていては学生さんたちに楽しめないと思います」
「確かに……」
 ブリジットは、成る程とポーズを取る。
「ですから、私たちアンジェリカは決めました。この私立東雲学園学園祭の風習を破ることを」
 アリスの目は、自信に満ち溢れていた。この計画を必ず成功させる、失敗なんて有り得ないと。
「しかし、橘妙を選んだのはどういうことかしら? 他にもいい人材がいくらでもいますわ。演劇部の部員の方々とか。こんな一大局面を素人に任せても大丈夫なのかしら?」
 ブリジットの言うことはもっともであった。ヴィジュアルはともかく、演技力なら間違いなく演劇部に任せれば問題ない。それを敢えて妙をチョイスしたには理由があるはずだ。
「はい。理屈的なものではありませんが、私には分かります。きっと妙さんなら、今回のライブコンサートを成し遂げることができます」
「アリスさま……」
 ブリジットは、数秒間沈黙した。
 そして、彼女が導き出した結論は。
「分かりましたわ、アン・R・レオンクール。貴方がそこまで言うのなら、私も信用しますわ」
 ブリジットは根負けしたのか、その言葉には穏やかさすら感じた。
「ただし、これだけは言っておきますわ」
「ん?」
「引き受けた以上は、死ぬ気で頑張りなさい!! 貴方のことは期待していないけど、私のライバルである以上、それに恥じない実力を見せてもらいますわ!! アンジェリカや学園に泥を塗るような真似など、ブリジット・東雲が許しませんわ!!」
 大股を開き、妙に向かってブリジットは指を指す。いちいちこのポーズを取らなければ、喋ることの出来ない人間なのだろうか?
 しかし、それと同時にブリジットは妙のことを期待していたことには、どこか安心感を覚えた。ライバル心を燃やしているとはいえ、妙の実力を過不足なく認めている。そして、この大役を果たしてくれると信じている。素直ではないが、いい奴だ。
「ありがとうございます、ブリジットさま」
「こ、このくらいのこと当たり前ですわっ!! 褒める必要なんて、あ、ありませんわっ!!」
 紅潮させた顔でブリジットはギクシャクした笑顔を見せる。こんな面白い表情を見せたブリジットを見れただけでも、儲けものである。
 突如、心の底から落ち着くような綺麗な音色が流れ始めた。
「こんな時に電話なんて、誰かしら?」
 ブリジットは懐から最新型と思わしきスタイリッシュな携帯端末を取り出し、画面を確かめた。
「また黒田……」
 ブリジットは毒突き、表情が再び不機嫌なものとなった。
「貴方たちと戯れている余裕はありませんわ、今日はここでお暇(いとま)させてもらいますわ」
「はいはい、分かったから用事があるんならさっさとずらかってくれ」
「言われなくても分かっていますわ!!」
 そう言うと、ブリジットはどこかに消えてしまった。
「それにしても大変なことになったね、大和くん」
「ああ、まさかこんなことになるとはな」
 先日、たまたま偶然にアイドルを助けたことでこんな展開に進展するとは思わなかった。まあ、俺ではなく、妙への頼みごとだから余裕を持って言えるのかもしれないが。逆に俺が妙の立場なら、すぐに断るかプレッシャーに潰されていた未来しか見えてこない。
「大和さん、先日は助けてくれてありがとうございました。大和さんのおかげで、体調不良からも回復
できましたし、カメラマンからも逃げることができました」
「いや、俺は殆ど何もしていないが……」
 俺がしたことはせいぜい担いだぐらいで、カメラマンをアリスから離したのは妙、そのカメラマンをコテンパンにしたのはデュタ。別に俺がいなくても出来ることばかりだ。
「それでも助けてもらったことは変わりありません。助けてくれた気持ちがあっただけでも、私はとても助けられました」
「そ、そんな大袈裟な……」
「これはお礼です」
 アリスは、薄く凸凹のある花柄がプリントされた封筒を手渡された。
 そして中には、金枠が塗装されたどこか特別感漂わせるチケットが数枚入っていた。
「これは?」
「おおっ!!」
 武士は変な声を出して歓喜した。
「知っているのか?」
「知っているも何も、これはスタッフや専属のマスコミ、大株主のみに配布されるというプレミアムチケット!! オークションに流れたら、何十万円もする代物!! ファンなら、喉から手が出る最高の逸品だぜ!!」
「その通りです。私たちアンジェリカのライブの一番良い席を確保しました。大和さんだけでなく、お友達の分も用意しました」
「6枚も!! デュタちゃんやミューナちゃんのもあるぜ!!」
「少し余分に取っておきました」
「ありがとうございます、ありがとうざいます!!」
「もう武士くんったら……」
 武士は再びアリスの手を握る。先からも失礼な行為をしているというのに、今度は涙まで流しているよ。ごめんなさい、アリスさん。
「でも、こんなのを貰ったら他の人が困るんじゃあ……」
「何を言ってんだよ、大和。アリスちゃんの精一杯のお礼だぜ。これを貰わないなんて、アンジェリカのファン全員を敵に回すのと同じことだぜ」
 だからお前に言われたくないって。ていうか、そろそろ手を離してやれよ。
「その点は大丈夫です。元々は予備用の席のチケットですので。ですから、皆様、気兼ねなくお楽しみください」
「アリスさん……」
 俺はアリスの心からの計らいに喜びを覚えられずにいられなかった。
 聖大天使みんとのファンでもないし、このチケットが武士の言うほどの価値があるのかはよく分からない。それでも、周りにも迷惑をかけかねないほどのことをしてでも、俺たちに楽しんでもらおうという気概が嬉しかった。
 しかし、その余韻もあっという間に掻き消されてしまった。
「大和さま~!!」
「へあぅっ!!」
 突然、アリスの写し身をした妙がいきなり抱きついてきたではないか。
「なっ、何を突然!!」
「嬉しいに決まっているじゃないですか!! 大和さまが私の参加するライブコンサートを最高の席で見てくれるんですから!!」
「そ、それは分かったから離してくれないか……」
「大和さま~」
 感情が高ぶっているのか、妙の耳には全く入っていない。
 そして、例によって接触する妙のプニプニと柔らかいおっぱい。ある意味天国だが、ここには……。
「ねぇ、大和くん」
 何の感情も含まれていないそらの淡々とした言葉と顔付き。
 いや、感情が含まれていなかったわけではない。感情を言葉と顔の裏に隠していたのだ。マグマのように煮えたぎる怒りを。
「い、いや、俺が悪いんじゃない!! 妙が悪いんだ!!」
「大和さま、わたしが何かしましたか?」
 俺が危機的状況に陥っていることを飲み込めていない妙。
 そうこうしているうちに、そらは距離を詰めていく。
 俺はどうにかして妙のハグを解こうとするが、なかなか上手く抜け出せない。ああもう、こんな時に限って、要領が悪すぎる!!
「どうして、妙ちゃんと抱きついてるのかなあ?」
「だっ、だからっ!!」
「問答無用!!」

 この後、俺がどうなったかは敢えて省略させてもらう。聞いたことを後悔したくなるほどの生き地獄を味わったのだから。
 それはともかく、その日から妙はアリスとアンジェリカのスタッフの下、学園祭に向けてホールで特訓をするようになった。
 妙がどんな特訓をしているのかは、残念ながら俺は知らない。演目の内容を外部に漏らしたくないためのようだ。ただ、10時近くまで練習をしているらしく、その特訓内容は相当なハードなことだけは分かっている。学校にいる時こそは表情に出してはいないが、風呂で眠りかけたほどにクタクタになるらしい。どんなにバイトが忙しくても全く疲労感を見せない妙がそこまで疲れるとは、それはもう凄まじい特訓なのかもしれない。
 さて、それがどんなものになるのか……。失敗せずにちゃんと完走できることだけは願いたい。
「大和、危ない!!」
「わぁっ!!」
 デュタの大声が闇夜に響き渡った。
 同時に俺の意識は、モノローグから目の前の光景へと戻された。
 そして、目の前に映し出された光景は、顔をスレスレに通過する大型トラックだった。
「うひゃあらあっ!!」
 情けない声とともに、俺は三歩引き下がり、尻餅をついた。
「バカヤローッ!! 死にたいのかーっ!!」
 大型トラックの運転手は怒声とともに、夜道を走り去った。
「はぁはぁ……」
「全く何余所見をしているんだ、大和。私がいなかったら、君は死んでいたぞ」
「その通りじゃ!! デュタに感謝するのじゃ!!」
「ご、ごめん……」
 素直に謝るほかなかった。
「大和、もしかしてどこか悪いところでもあるのか?」
「うわっ!!」
 デュタは、俺の額に手を当てた。どうやら、体温を確認しているようだ。
「熱はないか。もしかして、疲れているのか?」
「そうじゃなくて、ちょっと考え事が……」
「いや、そういう時だからこそ体力をつけるべきだ。よし、今日はレバーと羊肉とにんにくの芽と鰻と山芋と納豆だ!!」
「お、おい、ちょっと待て!! いくらなんでも、それは少し多すぎじゃないか!! ていうか、羊肉ってなんだよ?」
 話を先々に進めるデュタに俺はなかなか思考が追いつかない。事故に遭いそうだったのは悪かったが、話が飛躍しすぎだ。
「大和、羊を知らないのか? 地球では常識的な生き物ではないのか?」
「そうじゃないって。羊肉がどうしてここで出るんだよ? 何を作るんだよ?」
「心配するな、私に任せろ。これらを使った新しい料理を生み出して見せる」
「いくら料理を作るのに慣れたからって、創作料理は無謀な気が……」
「それはとても楽しみじゃ。デュタの作った料理なら間違いなく絶品じゃ。間違いなく疲れも吹き飛ぶであろう」
「お、お前ら、変な料理を作って……」
 腹でも壊したらどうするんだと言おうとしたが、途中で言うのを止めた。やる気満々のデュタにこれ以上言っても無駄だと悟ったからだ。不味かったら不味かったで、カップ麺でも食べればいい話であるし。
 しかし、その創作料理が存外美味しかった。不思議な風味と食感ではあったが、それでも店で出しても問題ないほどの料理だった。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 次回も多分スケジュールの関係で月曜日更新予定。すいませんすいません、色々と予定が被っちゃいまして。だけど、そこのところは許しくてだチャイナ。

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