現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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本の虫。
2014-09-28 Sun 19:55
 ちょっと時間が無いんで、もう簡潔に済ませます。

 色々と用事があって忙しい蔵間マリコです。
 今週も更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 本当ならゆっくりと書きたかったんだけど、家でゴタゴタがあってね……。ですので、前置きと後書きはとにかく簡潔に書きます。手抜きかもしれませんが、許してください。
 それでは、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)をどうぞ。あまり上手くありませんが、ぜひ楽しんでください。
            第10話 不可思議な少女(ミスティック・ガール)(6)

 ゴールデンウィーク最終日、俺は課題を済ませるために私立東雲学園の図書館へ行った。
 最新設備や最新式の教育などで、あらゆる面で先進的な東雲学園であるが、この赤レンガ造りの立派な大図書館は違う。
 明治時代、時の政治家によって東雲家に寄贈された大図書館。世界でも五指に入るほどの蔵書数を誇り、絶版した古書から先日発売された参考書、果てには1冊数千万円ものの価値がある大図鑑なども納められている。地下には歴史的価値がある本も厳重に納められており、それそのものを借り出すことは出来ないが、データで借り出すことも可能であり、外部の利用者も多い。そのため第二次世界大戦でも重要な書類が保存されているということで空襲の対象からも外され、時を経た今でも全く老朽化を匂わせない。由緒正しき経緯と日本の歴史が詰まった大図書館、それが東雲大図書館である。
「え~っと、3階のたのDの28はどこだ?」
 見渡す限りの本という本に、俺は目の回る感覚に襲われる。今まで数度ほど利用したことのあるが、この広さと蔵書数には未だ慣れることが出来ない。本の虫か偏屈でもない限り、こんな空間には長居したいと思う人間などいないだろう。
 司書のアドバイスどおりにあいうえお順で追って本棚を探すが、なかなかお目当ての本が納められている本棚が見つからない。どこだどこだ……。
「きゃあっ!!」
「うぉうわっ!!」
 目的の資料を探すために余所見をしていたためか、人とぶつかってしまった。昨日といい、今日といい、よく人にぶつかる。今回の場合、俺の不注意であるが。
「ご、ごめんなさい!!」
 眼鏡をかけた少女は、とても申し訳なさそうに謝る。
「いや、こっちこそ余所見をしていたので」
 俺は少女の手から離れた文庫本数冊を拾う。タイトルは『地下室の書記』に、『分身』、『地獄の季節』。どれも聞いたことがなく、どれも固そうな作品だ。
「あ、ありがとうございます……」
 俺が文庫本を拾うや否や、少女はそそくさとその場を立ち去った。
 ふうっ、ちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまったが、昨日のものに比べると全然可愛い。気を取り直して探索再開。
 今度は周りに注意しながら、お目当ての本をじっくりと探す。さ、し、す、せ、そ……。
「おっ、あったあった」
 探索再開してから10分、俺はようやく目的の本である『橘町の風土史』という名の資料を発見した。
 巻数にして3巻。かなり年数が経っているのか、ページが日焼けをしている。だが、今まで借りた人間の本の扱いが良かったのか、殆どくたびれていない。
 厚さはブリジットから貰った宇宙の法律書に比べると遥かに薄いが、それでも1冊200ページはある。これを金曜日までにまとめるとなると、少々骨が折れそうだ。
「貸し出し期間は1週間ですね」
 俺は処理を手短に済ませ、大図書館前の木製ベンチに腰掛けた。息っ苦しい空間から開放されて、少し疲れた。小休憩を取ると同時に課題を済ませよう。
 まず最初に探すべきものは、やはり妙の言っていた妖狐と青年の昔話。
 わざわざキツネ耳とキツネの尻尾を用意するほどに雰囲気を出されたのだから、気になって気になって仕方ない。昨日は、それでなかなか寝付けなかったし、今でもそのモヤモヤ感は残っている。
 資料の各巻目次を調べ、妖狐と青年の昔話を探す。あの忘れられた神社のことなら、きっと載っているはずだ。
「これか」
 見つけるのには、さほど時間がかからなかった。
 タイトルは『橘の妖狐』。
 内容は、妙の話していたものと殆ど同じだった。
 飢饉の中、少年に助けられた子狐。
 子狐はお礼をしたいがために、異邦から来たとされるシノーヴェ一族の下、徳を積む。
 徳を積んだ末、子狐は人間の少女となり、青年と出会う。
 青年とともに、妖狐の少女は橘の人間を救済するために活動をする。
 ある日、青年は薬の材料と知識を得るために遠国へと旅をすることになる。
 妖狐の少女は、青年の帰りを楽しみにするが、帰ってくることはなかった。
 悲しみに暮れる妖狐の少女と戻ってこぬ青年のために、神社を建立(こんりゅう)する村民。
 いつの間にか、いなくなった妖狐の少女。
 そして、妖狐の伝説は時代とともに風化し、神社の逸話を知るものは数少ない。
 文献とともに説明されていたが、本当にこんな物語があるとは思わなかった。俺がその青年であるかは分からないし、妙が妖狐である証拠にもならない。ただ、ほんの僅かではあるが信憑性を帯びてきたのは確かだ。
 それにしても妙の言っていた異国の少女とは、東雲家のことだったのか。確かに異端の一族として故郷を追放されたなんて話を執事から聞いたし、それが東雲の一族であってもおかしくはない。しかし、こんな所にまで東雲の一族が関わっていたなんて。歴史というものは、阿弥陀籤のように複雑怪奇に入り乱れているとしみじみ思う。
 さて、妖狐と青年の昔話も調べたことだし、残りは家で……。
「や~まとくん!!」
 突然、目の前が暗くなった。
「おいおい誰だよ?」
「誰だよじゃないの、当ててみてよ」
「う~ん、武士(たけし)かな?」
「犬飼くんがそんな声をしていると思っているの?」
「じゃあ、担任の江草(えぐさ)?」
「江草先生がそんなことするわけないじゃないの」
「だったら、同じクラスの……」
「うんうん!!」
「風紀委員の落合か!!」
「そんなわけないでしょ!!」
「うっつっ!!」
 キンキン声が俺の耳元を支配した。
「耳元で叫ぶなよ……、鼓膜でも破れたらどうするんだ……」
「だって、おちょくるじゃないの……」
 俺の目の前に現れたのは、幼馴染であり親友であり腐れ縁である星野(ほしの)そらだ。
「せっかくの休日ライフを過ごしていたというのに」
「でも、休日に大和くんが学園にいることなんてないじゃないの。しかも、珍しく外で本を読んでいるし。何か悪いものでも食べたの?」
「そう言われたらそうか」
 平日と学園のイベントのある日以外に、俺がここにいたら不思議がってもおかしくはない。それも自発的に本を読まない人間が読んでいたとなると。
「学園祭に出す課題を済ませないといけなくてな」
「課題って、部活の?」
「ああ。橘町の歴史を写真とともに纏めていこうと思って」
「大和くん、その写真見てもいい?」
「あまり変に触って壊すなよ」
 俺は学生鞄から銀色のデジタルカメラを渡した。
「分かっているって」
 デジタルカメラを手渡されたそらは、ベンチの右隣に座った。
「もしかして、ここって橘漁港跡?」
「そうだけど」
「あそこって不思議だよねえ。昔は豊漁だったのに、ある日突然、そこから出航した漁船が帰ってこなくなるって事件が続出して。噂だと、海底の底に棲む魚人が海底に引きずり込んだとか」
 わざと怖げな雰囲気を出して語るそらだが、俺は殆ど動じない。そらの雰囲気の出し方がかなり下手だからだ。こんな怖がらせ方では、子供ぐらいしか怖がらない。
「よく知っているな、そんなこと」
「だって、宇宙人と関係あるかもしれないじゃないの。コズミック・ホラーのクトゥルー神話に地球外出身の水棲生物だっているのよ。だから、いてもおかしくないじゃないの。大和くんは違うって言うの?」
「クトゥなんとかは知らんが、絶対に違うだろ」
「いてもおかしくないよ。噂では、FBIがその魚人と勇敢な海の戦士とともに、邪悪な宇宙生物を倒したなんてのもあるの。別にここだけでなく、同じような話が世界中にあるの。だから、きっとこの橘漁港跡も宇宙人の仕業かもしれないよ」
 また始まった、そらの熱弁モードが。こうなると俺には止めることが出来ない。
 ベラベラと喋り始めるそらを他所に、俺は風土史を再び読む。そらの宇宙人トークに耳を傾けて、無駄に時間を潰すよりも課題を済ませたほうが建設的だ。
 しかし、1分も経たないうちに言葉数が少なくなった。いつもなら、一度火がつくと10分以上は話し続けるというのに、こんな事態は珍しい。
「ねぇ、大和くん」
「なんだ? 宇宙人のことは、お断りだぞ」
「どうして妙ちゃんがいるの?」
「えっ?」
 迂闊だった。明らかにそらの声色が違う。
「どうして妙ちゃんと一緒に、橘神社にいるの?」
「あ、それか……。えーっと、まあ、なんていうか……」
 なんと言い返せばいいのか分からず、俺は言葉に窮してしまう。
「もしかして、デート?」
「いやいやいや、それは違うって!! これは、あいつが勝手にデートとか言って!!」
 しまった、思わず口を滑らしてしまった。本当なら、たまたま町内で出会って、一枚撮影してほしいと言われたから一枚取ったと適当に誤魔化すつもりだったが。どうして肝心な時にドジを踏む?
「別にいいよ」
「えっ?」
「大和くんにも大和くんなりの事情があるんだよね?」
 妙は、質問すれど俺のことを非難はしなかった。それどころか、俺のことを受け入れてくれた。
 男として、幼馴染みとして、とても恥ずかしくて情けなかった。誤魔化そうとしていた俺とは違って、現実を見つめていたのだから。
「まあ、そうだけど……」
 どこか後ろめたかったが、そう答えるしかなかった。
「だったら、いいじゃないの。大和くんが気にする必要ないの」
 妙と一緒にいたことを全く気にも留めていないそら。あるいは、俺が気付かないように必死に隠しているのかもしれない。その真意は分からないが、そらの振る舞いにますます後ろめたく感じていた。
「ただ……」
「ただ?」
「私のわがままを聞いてくれるかな?」
 そらは俺の瞳から目を逸らしながら、頬を赤らめる。
「わがままって、何だ? お金のかかりすぎることは無理だぞ」
「そんなことじゃないよ……」
「じゃあ、一体何なんだって言うんだよ」
「学園祭の2日目、一緒に回ってくれないかな……?」
 そらはお腹の底から振り絞るような声で告白をした。それは今まで溜めていたものを全て吐き出すかのように。
「大和くんは、妙ちゃんとデートしたんでしょ。だから、私だって大和くんと一緒に遊びたいの。デートじゃないけど、たった1日でいいから遊びたいの」
「そら……」
「駄目かな……」
 そらの精一杯の言葉は、どこか愛しく、切なく、か細かった。
 どんな気持ちを馳せて、この言葉を口に出しのたか分からない。それでも、そらにとって清水の舞台から飛び降りるほど勇気のいることだったのかもしれない。
 そんなそらの気持ちに応えるべく、俺は。
「まあ、俺も誰と一緒に学園祭を回るわけでもないし、それでいいなら」
「えっ……」
 そらの想いを尊重した。
 幼馴染みがこんなに苦しんでいるのに、断ることなんて出来るはずがない。断ることができるほど、俺は冷血漢ではない。
「本当に一緒に学園祭回ってくれるの?」
「本当の本当だ。男に二言はない」
 とは言っても、100%保障する出来るかどうかは少し怪しい。何らかの理由で、そらの約束を反故する可能性だってあるかもしれない。事故とか事件とか。
 それでも断言する必要があった。例え相手が幼馴染みでも、このくらい言い切らなければ納得しないと判断したからだ。
 そして、その判断は間違っていなかった。
「えへへへ……、ありがとう大和くん」
「別に感謝しなくてもいいってば。俺だって暇だったんだからさ」
「ううん、それでもいいの。私は大和くんと2人で遊びたかったの」
「ったく、それなら別に学園祭じゃなくてもいいのに。女の子ってのは、よく分からない生き物だよ」
「女の子はそういうものだよ、大和くん」
 そらは冗談を交えつつ、満面の笑みを返した。それを見て、俺も心の奥底から安心した。
「さて、そろそろ俺も……」
「そうだね、私も学園祭の課題を済ませないと……」
 突如、遠方から津波のような歓声が聞こえてきた。
「なんだ、あの騒ぎは?」
「そういえば、今日はあの日だったね」
「あの日?」
「今日は有名人が訪問する日なの」
 初耳だった。そんな噂、どこから仕入れてきたんだ? そして、有名人が東雲学園に訪問する理由とはなんだろうか?
「大和くん、毎年学園祭にアーティストやアイドルが来るでしょ」
「そういえばそうだな」
 私立東雲学園学園祭の催し物の一つに、人気アーティストのライブがある。とはいっても、ただのライブではない。今まさに旬のアーティストを呼び、武道館顔負けの豪華で壮大なライブを行い、マスコミに盛大にアピールをする。とても学園祭の出し物とは思えないほどのスケールである。
 しかし、そのアーティストが何の用事だろうか?
「今日は、その準備の一環なのかもしれないの」
「準備の一環? 学園祭にはまだまだ早いじゃないか」
「そうだね。でも、このイベントは芸能界での今後を暗示しているの」
「ん?」
「私が中学2年生の時、『夢の始まり』が来たの」
 そういえば、そんなアーティストがいた気がする。どんなバンドグループかは思い出せないが、真っ白な化粧と凄い髪型だったという記憶だけはある。デスメタルというのだろうか?
「でも、その時にスタッフの機材忘れの不手際があったの。一応、代用品でライブをしたんだけど、結局は大失敗しちゃって」
「失敗なら誰にでもあるじゃないか」
「ううん、その失敗をきっかけに大変なことになったの。芸能事務所は脱税と裏金が発覚して会社が倒産、ギターの人は不幸な事故が原因で弾けなくなって、ドラムの人はスランプに陥ってからそれっきり行方不明。ボーカルの人は詐欺師に騙されて莫大な借金を背負わされた上に、薬と酒に溺れちゃったの」
「た、たまたまじゃないかな?」
「そうだったらいいけど、それがきっかけでどこの芸能事務所も早めに準備するようになったの」
 夢の始まりというアーティストなのに、学園祭のライブの失敗が夢の終わりであり、悪夢の始まり。ジンクスかもしれないが、それを恐れての行為なのかもしれない。
「大和くん、見に行く?」
「ピリピリしているんじゃないのか?」
「大丈夫だよ、たった一例だし。きっとアーティストの人も、手を振ってくれるよ」
「そうか?」
「だから、見に行こうよ!!」
 目をキラキラと輝かせて、そらは俺を見つめる。どう考えても、俺と一緒に見に行きたい目だ。
「はぁ、我侭な奴だな。一緒に見に行ってやるよ」
「やったー!!」
 そらは天にも届きそうな勢いで万歳をした。さっきまでのロマンチックな雰囲気から一転して、子供っぽい反応である。
「じゃあ、そろそろ……」
「俺たちもそれに参加してもいいかな?」
「うわっ!!」
 ベンチの後ろから男性の野太い声がした。それも、よく聞き慣れた声が。
「武士、それに」
「おはようございます、大和さまに、そらさま」
 クラスメイトである犬飼武士(いぬかいたけし)と、橘妙は快活に挨拶をした。
「武士、もしかして今日は部活なのか?」
「これを見て部活じゃないように見えるのか? 見えないなら、お前の目は節穴だぜ」
 汗まみれの体操服とスポーツドリンク。別に見たいわけではないが、間違いなく部活である。
「妙ちゃんはどうして?」
「私ですか? 私は、転校届けの書類の手続きに学校側の不手際がありまして。ですから、今日は休日登校をしました」
「さっき、休憩中に出会ったんだぜ。いつ見ても妙ちゃんは可愛い可愛い」
「そ、そんな恥ずかしいですわ……」
 武士、祝日も下心全開モード。それだからこそ、武士らしいとも言えるが。
「で、今日もいつものメンバーで行動というわけか」
「そっちのほうが行動しやすいしな。ミステリーサークルの現場の時とは違って、4人だし、人も少ないからな。そのアーティストやらを見るには十分だぜ」
「ああ……、あの時は……、ああっ!?」
「ん?」
「大和さま、どうしましたか?」
 思い出すのも嫌なミステリーサークル現場の探索。デュタがいそうな場所だと予想し、ミステリーサークル現場を探したはいいものの、結果はなしのつぶて、それどころか服も破け、青痣もいくつか作ってしまった。オマケにリリィに撥ねられるし、ロクなことはなかった。
「何やってんだよ? さっさと行かないと、見そびれるぜ」
「大和さま、行きますわよ」
「もー、馬鹿な事をしないで見に行くよ」

 どうでしたか?今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は。
 次回の更新はいつもどおりに日曜日の予定。その時もぜひ遊びに来てください!!

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