現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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甘えたい気持ち。
2014-08-03 Sun 19:59

 進捗状況90パーセント。
 まさに絶好調!!

 苦戦しながらも、色々と考えながらも、楽しく書いている蔵間マリコです。
 さてと日曜日ですので、いつものコーナーに入りますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナの共同生活を描いた、オリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 いや~、本当にライトノベルを書くのって楽しいのなんの。下手ではありますけど、自分の作り上げたい世界をダイレクトに書くことが出来ますから。イラストを描いていた時もそういった面も強かったですけど、作りたいものと完成したもののギャップがあまり酷すぎましたからねえ。経験値不足だったのかもしれないけど、目に見える分だけ劣等感に苛まれることが多々ありまして。それが悔しくて悔しくてライトノベルを書くことに転向したというわけです。
 結果、そういった気分にならず、悠々自適に書くことが出来る。イラストを描くことも楽しいことかもしれませんが、自分にとっての適正はこっちなのかもしれません。遠回りはしているけど、それに気付けただけでも幸せだと思います。
 とまあ、少し長くなってしまいました。そろそろ本題である、彼女たちの極秘事項(トップシークレット)の本編へと入らせてもらいます。先に言っておきますが、あまり上手ではありませんよ。それでも、読んでくれると非常にありがたいです。出来れば、感想なんかも書いてくれるより一層に。
 というわけで、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)をどうぞ。
                   第9話 雨降って、地固まる(6)

 その日、月曜日からミューナと瀬良は、昼休憩に放課後、部活勧誘に奔走した。
 だが、前回と違い、今回は強力な味方がいた。
 呉アキと高野翠の2人だ。
 後輩2人は部活動がスケジュールの関係で休みだったらしく、その時間を生かして、2人に協力しているようだ。いや、ミューナと瀬良のために暇を作ったのかもしれない。
 一方で俺たちは何をしていたかというと、特に手伝っていたわけでもなく、普段どおりの学園生活を過ごしていた。
「大和くんは、手伝わなくてもいいの?」
「俺たちが手伝ってどうする? 元々は、あいつらが自主的に始めたことじゃないか。手助けしたら意味無いだろ」
「それもそうだね」
 とはいえ、一抹の不安もあった。
 もし、部員が残り3人集まらなければどうするのだろうか? そのまま引き下がるかもしれないし、ミューナと瀬良の性格を考えるとひと悶着だって考えられる。ブリジットのように姉心というわけではないが、見ている側としては心配でもあった。
 しかし、そうはならないためにミューナたちは一生懸命に頑張っている。
 昼休憩の時間に放課後、余裕さえあれば勧誘活動を行い、写真部の魅力と素晴らしさを余すとこなく語る。
 ポスターやチラシも今までのものに加え、新しいものを作り、目新しさを加えた。
 時には、その場で撮影した写真をプレゼントするほどだ。
 瀬良たちの部活勧誘は校内でもちょっとした話題となり、写真部に興味を持ち始めた人もちらほらと現れるようになった。
 たった3日という残り少ないタイムリミット、4人は可能な限りのアクションを行い、ギリギリのギリギリまで部活勧誘を行う。
 青春真っ盛り、4人の姿はとても輝かしかった。

 水曜日の放課後、運命の時。
「これが我々の部活勧誘の結果じゃ」
「豊田先生、お願いします!!」
「これで文句あらへんな?」
「ボクたちの部活勧誘を認めてください!!」
 職員室前。瀬良は、『写真部入部届け』と書かれた木製の箱を体育教師の豊田に突き出した。4人とも自信に満ちた表情だ。
「ほほぅ……、これが1週間の成果というわけか」
 豊田は、いかにも嫌みったらしげな口調で、木箱を開いた。
「猫屋徹(ねこやとおる)、吉島吉平(よしじまきっぺい)、福田香織(ふくだかおり)、霞(かすみ)エレナ、猿猴橋小夜子(えんこうばしさよこ)、広佑(ひろたすく)。この6名か。全部、文字の特徴が違うし、正真正銘の入部届けというわけか」
「ノルマの3人以上を集めましたから、これで良いですよね? 今度こそ、文句を言わせませんよ」
 これで断ったら徹底抗戦を行う、瀬良の背後からは警戒とも取れるオーラを漂わせる。
 しかし、
「いや、駄目だ」
「どうしてなんですか!? ちゃんと約束を果たしたじゃないですか!?」
 瀬良は鼻息を荒げ、憤慨する。他の3人も同様だ。
「確か、写真部に入りたいと言ったのは瀬良とミューナ、お前たち2人だよな」
「そうじゃ。なにか物言いでもあるのか?」
 鬼のように怖いことで有名な体育教師、豊田繁(とよたしげる)を前にしても、ミューナは全く態度を改めない。相手が何者であろうが物怖じしない、それが彼女の流儀である。
「お前たち2人でやるべきことなのに、2人に助力してもらった。これはどういうことだ?」
「それがいけないんですか!? 豊田先生、私と翠さんは、瀬良さんとミューナさんが困っていたから手伝っただけです!!」
「そうや!! 親友として、協力しただけや!!」
 すぐさま呉と高野は、援護射撃を行うが、豊田の前には無駄な足掻きだった。
「それがいけないんだ。部外者2人が、部活勧誘を行ってどうする? ルール違反だ」
 呉と高野の反撃はあっという間に封殺される。
「では、瀬良の願いを聞き入れぬというのか?」
「そういうことになるな」
「そ、そんな……!?」
 簡潔でいながらも、鋭い一撃。その刃は、瀬良の心に深く突き刺さった。
「みんなのおかげで、ここまで出来たのに……。入部届けを届けた人にもなんて言えば……」
「仕方ない、リリィ。部活動ではなく、妾と一緒に趣味で写真を撮ろうの。写真を撮ることなら、部活動でなくとも撮れるのじゃから」
 ショックのあまり、瀬良は膝から崩れ落ちる。
「そ、そうだよ!! 先生たちが部活動を認めなくても、それだったら大丈夫だよ」
「今度の日曜日にでも、海か山か街でも行って撮影会なんてのはどうや? うち、ナイスなスポット知っているで」
 酷く落ち込む瀬良を3人はフォローするが、フォローしきれないほどの精神的なダメージを受けている。立ち直るのには、しばしの時間が必要となるであろう。
 しかし、その必要はなかった。
「それにしても、瀬良。お前にしては良くやったものだな。短時間で、ここまでの部員を集めるとは」
「えっ……?」
「お前は中学生の頃から耳に入れてたが、とても危なっかしい人間で、とても頼りにならない人間だと思っていた」
 ダメ出しとは違う。寧ろ、肯定的な物の言い方に近い。
「そんなお前が仲間の協力があったとはいえ、ここまでの事が出来た。それは簡単に出来ることではないぞ」
「豊田先生……」
「今回ばかりは例外だ。約束どおり写真部の開部を認めよう。写真部部長、瀬良リリィ」
 清々しくにこやかに語った。それは、瀬良たちの1週間の頑張りが認められた瞬間だった。瀬良リリィにとっての大きな一歩と、友情の結実が。
「「「「やったぁーっ!!」」」」
 中央校舎1階の職員室前から、歓喜の声が響き渡った。そして、4人ともに抱き合った。
「ただし、ちゃんと部として活動する以上は記録を残せよ。述べり駄弁(だべ)りの仲良しクラブなど、言語道断だ。その場合は、当然ながら廃部にするぞ」
「分かっていますって、豊田先生」
 先まで不機嫌だった瀬良はどこへ、今では全然明るい。野原で昼寝をしたくなるような五月晴れかのように。
「ああ、それと忘れていたが、もう1つ」
「えっ?」

 午後8時30分。
 俺は、ファミリーレストラン『ジュリー』でいつもどおりにバイトをしていた。
 ミステリーサークル騒ぎも下火になり、客も徐々に減り始めたと思いきや、今度は先週の未確認飛行物体騒ぎで再び客が増え始めていた。週の中日というわけあって、それでも客は控え目ではあるが、土曜日曜はかなりの混雑で息をする暇もなかったようだ。
「8番テーブル、和定食1、UFOカレー1、ミート1」
「山田さん、お会計お願いします!!」
「盛り付け遅いよー!!」
 キッチンは相変わらずの鉄火場。1分1秒が勝負の世界となっている。
「今日も忙しいですわね、大和さま」
「いつも思うが、よく喋りながら出来るな」
「大和さまも慣れたら、このくらいは出来ますわ。うふふ」
 一年間、ここでバイトをしている身だが、それを凌駕する妙の身のこなしは、毎回毎回舌を巻く。俺を含めたバイトどころか、店長よりもテキパキと効率よく行動をしている。まるで、どこかの有名レストランか高級料亭あたりで英才教育を受けたかのようである。毎度の話ではあるが、どこか妬けてしまう。
 今日のバイト終了まであと90分、そろそろ集中力が欠け始めるところだ。気合を入れて頑張らなければ。
 俺は頬を2度叩き、気合を入れ直す。
 気合注入完了、これで後半戦も大丈夫だ。
「夏目くん、外で女の子が用事があるから呼んでほしいといっていましたよ」
 気合を入れた終えたと同時に、それを遮るかのようにバイトからの連絡が入った。
「用事? 誰からの?」
「よくは分からないけど、夏目くんと同じ学校の子。背と髪の短い子で、とても可愛かったな」
 誰だろうか? デュタは背が低いわけでもないし、ミューナはツインテールだ。それ以外に、俺の知り合いでそんな子いただろうか?
「もしかして、夏目くんの彼女? だとしたら、かなり見る目があるじゃないか」
「大和さま!? 妻であるわたくしがいるというのに、浮気を!?」
「なんで、俺がお前の夫なんだよ!!」
 俺と妙の大声に、辺りは微妙な空気となる。
「高校生なのに、夏目と橘は結婚しているのか?」
「夏目くんって、もしかして二股でもしているの……?」
「見た目と違って、相当な遊び人だな」
 妙のトンデモ発言が、ジェリーでも炸裂する。下手をしたら、客席のほうにまで話が聞こえているかもしれない。
「違う、違うって!! 俺は妙の夫でもないし、二股もしていないって!!」
 俺の声が届いたかどうかは分からない。ただ、この件での根も葉もない噂が完全に風化するまで1ヶ月近くかかってしまった。それに至るまでの経緯は、それまた別の話だが。

 ちょっとした災難を乗り越え、俺は事務室に戻り、ジェリーのエプロンを早急に脱ぐ。用件があると入っても、仕事中に抜け出すことになるのだから、他のバイトや店長に迷惑をかけてしまう。それがしわ寄せになって、残業に繋がることだってある。週の中日だというのに、それは勘弁である。
「はあぁ……、バイト中だというのに俺に用事があるって誰なんだ? 変な誤解まで受けたんだから、それなりのことでもないと割に合わないぞ」
 弱々しい蛍光灯のついた裏口から退出し、ジェリー周辺を見回した。
 羽虫が飛び交う街灯の下、その少女は照らされていた。
「夏目、大和……」
 少女の口から、初めて俺の名前が発せられた。
「瀬良、なんでお前が」
「なんでじゃなくて……、夏目が一番知っているんじゃないの?」
 瀬良は、もじもじとした、今までとは違う一側面を見せている。今までは、やたらと突っかかる攻撃的なガキという印象だったが、今の瀬良は女の子らしさがにじみ出て、どことなく可愛い。
「もしかして、入部届けのことか?」
「うん……、どうしてボクのことを助けたの?」
「いやいや、助けたとかそういうのじゃない。ただ、興味があったからさ。なんで、お前が写真撮影に熱くなれるのかって」
 それは半分事実であり、半分間違いである。確かに、もし写真部の部員が揃わなかった時の保険という意味合いで入ったのは確かだ。男として、瀬良を助けるために入部したなんて言えるはずが無いのだから。
 だが、瀬良の写真に対する並々ならぬ情熱や瀬良の義母の話を聞いて、どことなく写真に対する興味を持ったのも事実である。
 俺が忘れていた何かをこの写真部という活動が持っているかもしれない。いや、それが写真部じゃなくても、他の部でも同じだろう。とにかくきっかけと正体が知りたかったのだ。
「それに、俺も新しいことに挑戦したかったんだ。勉強とバイトだけの生活も、健全な青少年としてはどうかと思ってな。週に1回か2回ぐらいしか参加できないとは思うが、それでもいいだろ?」
「夏目……」
「別にお前のためじゃない、俺のためにしただけだ」
 言い切ったが、少し恥ずかしかった。まるでトレンディードラマの主人公が、ヒロインに告白するかのようで。俺はただ、入部したと言っただけなのだが。
「用件はそれだけか? 無いなら、俺は仕事に戻るぞ」
 俺は踵を返し、ジェリーへと戻ろうとした。
「まっ、待って!!」 
「なんだよ、言いたいことがあるんなら早く言えよ」
「わっ、分かっているって!! ちょっと待ってよ!!」
「分かった、分かった。少し待ってやるよ」
 俺がそう言うと、瀬良は深呼吸を2度3度した。それだけ重要なことなのだろうか?
 そして、瀬良は決意した。
「あ、ありがとう……」
 前のように周りから強制されたわけでもない、前のように意識が朦朧とした中で吐露したわけでもない、正真正銘、瀬良の心から感謝。
「瀬良、お前……」
「ボクは最初、ブリジット様を馬鹿にされてすごく悔しかったし、とても嫌いだった」
 それは俺も同じだった。他愛も無いことを言っただけなのに体当たりを喰らわされ、悪態を吐かれた。そんな瀬良に対する印象は、最悪他ならない。
「でも、ボクを2度も助けてくれた。こんなに嬉しかったのは、ミミィと仲直りした時くらいに嬉しかった。こんなボクに優しくしてくれるなんて」
「だから言ったじゃないか、入部届けは俺個人の問題だって」
「ううん、部活動が出来ても出来なくても、ボクにとっては助けてくれたのと同じだよ」
「ま、まあ、それならでそれでいいが……」
 そこまで言われると、逆に認めないと何か悪者に思えてしまう。恥ずかしいが、ここは先輩として引き下がるしかない。
「これだけの借り、どうやって返したらいいのか……」
「いやいや、返さなくてもいいからさ」
「お願いします!! ボクに恩返しをさせてください!!」
 瀬良は、びっくりするほどの勢いで45度最敬礼をした。
「そんなに恩返しをしたいって……。猛犬だと思ったら、今度は忠犬かよ」
「はい!!」
 脊髄反射に近いほどの即答だった。
「はぁ……、負けたよ。お前の熱意には」
「ありがとう!!」
 瀬良は再び最敬礼をした。それも、先よりも勢い強く。どんだけ、嬉しいんだよ……。
「そ、それともう1つお願いがあるけど、いいかな?」
「なんなんだよ、欲張りすぎるぞ」
「お、お……」
「おって、何が言いたいんだ。はっきり言わないと分からないぞ」
 しかし、それを知った瞬間に俺の顔は赤面し、顔から火が出そうな思いだった。
「お兄ちゃん……」
「おっ、お兄ちゃん!?」
 瀬良は上目遣いで衝撃的なお願いを頼み込む。前のように意識が曖昧だったわけではなく、平常心だ。代わりに俺の心は、一瞬にして平常心からかけ離れたものになってしまったが。
「夏目お兄ちゃんって言っていいかな……? それと、ボクのことをリリィって呼んでくれないかな?」
「ええええええっ!?」
 ワケが分からなかった。
 血の繋がった妹でもない、義理の妹でもない、知り合い程度の関係であるはずの瀬良から、「お兄ちゃん」なんて言われる必要があるのか。確かに瀬良は俺が生き別れた兄に似ているとは言ったが、それはかなり特殊な状況だった。だから、あれっきりの話だと思っていた。だけど、今度はまともな状況で「お兄ちゃん」と言っている。どういう風の吹き回しだろうか?
「な、夏目お兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃないことは分かっている。でも、ボクにとって、お兄ちゃんと変わらない。だって、お兄ちゃんが同じ立場だったら同じことをしてくれたもの」
「いやいや、俺はお前の兄でもなんでもないって!!」
 反論はしているものの、思考が混沌とし、一体どんな状況になっているのか客観的に理解することが出来ない。どうしてこんなことになった?
「ボクにはお兄ちゃんが必要なの……。お兄ちゃんと生き別れてから10年以上出会っていないけど、今日の今日まで頑張れた。でも、夏目お兄ちゃんに助けられたおかげで、お兄ちゃんのことが恋しくなっちゃた。お兄ちゃんがいないとダメな子になっちゃう。お兄ちゃんがいないと、ボク、おかしくなりそう……」
 いつの間にか、瀬良の目には涙が溜まっている。いかん、女の子の涙はどうしてもダメだ。
「だから、お兄ちゃんって呼んじゃあダメかな……?」
 瀬良の声はか細く震え、今すぐにも消えそうなほどに儚げであった。
 ここで断ったら、本人の言うとおりおかしくなるかもしれない。でも、家族でもないのにお兄ちゃん呼ばわりされるのも、とてつもなく恥ずかしい。究極の選択だ。
「お願い、夏目お兄ちゃん……」
 もうダメだ、こちらもプレッシャーに潰されそうだ。すぐにでも結論を決めないと。
「せ、瀬良……」
 ええい、ままよ!!
「もうそれでいいよ……、その呼び方で」
「えっ、本当にいいの?」
「お前の気が済むのなら、その呼び方でも何でもいいよ、リリィ。そんなこと言わせるなよ。恥ずかしくてたまらん」
 恥ずかしいこの上ないし、こんな所を人に見られたら、また変な誤解を生んでしまうかもしれない。そうなれば、この事態に収拾がつかなくなってしまう。
 そして、その肝心のリリィはどうだったかというと、嬉しさのあまりに涙を手で拭っていた。
「ありがとう、夏目お兄ちゃん。ボクの我侭を聞いてくれて」
「ただ、これだけは言っておく。俺はお前の本当の兄でもなんでもないからな。リリィ、そこのところは弁えろよ」
「うん、分かっている。だから、これからもよろしくね、お兄ちゃん!!」
 瀬良は涙で頬を赤くしながらも、ニッコリと笑った。その笑いは、どことなく妹の愛美(あゆみ)に似通ったものがあった。
「これでいいだろ、俺はもう仕事に戻るぞ」
「本当に本当にありがとう、お兄ちゃん!! この恩は忘れないから!!」
「はいはい」
「ばいばい、夏目お兄ちゃん!! 明日もよろしくね!!」
 手を振りながら、リリィは夜の闇へと溶けていった。その時の少女の顔は、今までで一番の笑顔だった。
 俺は、瀬良が完全に消え去ったのを確認し終えたと同時に、体の底から疲れが溢れ出る。土砂崩れの現場の時の疲労とは違う種類の疲労が。
「まったくもってどうしてこうなった……」
 しかし、まんざら嫌な感じではなかった。
 お兄ちゃんと呼ばれる感覚、それは故郷にいた頃の時を思い出す。べったりくっついていた妹の愛美。呼び方こそは違うものの、それに近いものがある。
「やっぱり俺って、ロリコンのシスコンなのかあ……?」
 もし、周りからそのように見られているのなら、俺は相当おかしな人間なのかもしれない。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、リリィとミューナの部活勧誘活動とその結果、そしてリリィの大和への好意を書きました。二つのパートを載せているため、ページ数的にはかなりのものです。
 まず、前半のパート、部活勧誘と部活動決定のシーンだが、ここで注意したのは教師の豊田。7話目でも非常に嫌らしいキャラとして描きましたが、9話目ではそういったところを残しつつ、ちゃんとリリィとミューナを理解している人物として描きました。厳しくて嫌みったらしいからこそ、ギャップが光る。基本的なことではありますけど、そういったことろはしっかり抑えないとね。
 一方の後半のパートはとにかく台詞回しに注意しました。リリィの大和への謝罪と告白、大和の動揺。そういったものを見ている側としては非常に恥ずかしいが、当の本人は真剣そのものであることに注意しながら書きました。リリィが段階を踏んで大和のことを「お兄ちゃん」と呼び、大和がそれを認める。テンポ、キャラクターの性格、感情、息遣い……。普段から台詞回しは注意していますけど、この場面は念入りに作りました。

 楽しく書かせてもらっているオリジナルのSFファンタジーライトノベル。
 さて、次回で第9話はラスト。リリィに好意を持たれた大和だが、その後に待ち構えているものは?それは見てのお楽しみということで、次回もお楽しみに!!

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