現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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雨上がりの夜。
2014-07-21 Mon 19:50

 暇があったらちょくちょく書いています。

 ライトノベルを書くことが趣味の一つである蔵間マリコです。
 先日は別の記事を書いたので掲載することが出来ませんでしたが、月曜日に更新することになりました。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 現在、10話目を執筆中ですが、ここしばらく驚くほど調子が良いですねえ。3週間で42ページと比較的進捗状況が良く、調子が悪かった頃に比べると本当にのびのびと書くことが出来て楽しい。それに、この3連休で10ページほど執筆していますし。作品の出来不出来はともかく、こんなに気分良く書けるのは久しぶりかもしれない。この調子を長く維持できるように、上手い具合に肉体的精神的コンディションを維持したいものだ。
 とまあ、絶好調の状態が続くライトノベル執筆ですが、そろそろ本編へと入らせてもらいます。いつも言っていることですけど、内容は自己満足的でかなり残念なものですよ。それでも、読んでくれると非常にありがたいです。出来れば、感想なんかも書いてくれるとなおのこと嬉しいです。
 それでは今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)をどうぞ。
                   第9話 雨降って、地固まる(4)

 俺も瀬良も叫ぶ暇などなかった。
 崖崩れに巻き込まれた瞬間、何が起きたのか全く理解できず、宙に放り投げだされた時にようやく何が起きたのか理解した。そして、それを理解した時には、全てが永遠に近い時間となった。
 俺たち3人は自然の驚異に曝されたということを。
 その証拠に俺の視界には、切り崩れた崖の切れ目、岩がはだけた断崖絶壁、青く黒く荒れた海が見える。こんな風景、落下している時にしか見えるはずがない。
 高さは30m以上、廃屋から飛び降りた時の倍以上の高さ。叩きつけられれば、ただ死あるのみ。仮にそれで死ななかったとしても、荒波に飲まれて溺れ死ぬ。
 助かる術はどこだ? そんな都合のいいものは、存在しない。目の前には残酷な現実と結果があるだけだ。ああ、これが運命だというのか。あまりにも呆気ない最期だ。
 こんな最期を遂げたとして、皆は許してくれるだろうか? 許してくれるか分からないが、先に謝っておかなければ。
 父さん、喧嘩別れをしてしまってごめん。
 母さん、自分の都合のために1人暮らしを許してくれてごめん。
 愛美(あゆみ)、こんな情けないお兄ちゃんでごめん。
 そら、宇宙人がいることを信じていなくてごめん。
 武士、借りていたゲームを返すことができなくてごめん。
 妙、俺が許婚じゃなくてごめん。
 ブリジット、色々と助けてもらってごめん。
 江草先生、こんなバカなな生徒でごめん。
 店長、バイトを続けることができなくてごめん。
 瀬良の義母(かあ)さん、約束を果たせなくてごめん。
 デュタ、ミミを連れて帰ることが出来なくてごめん。
 ミミ、たくさん遊んであげることが出来なくてごめん。
 ミューナ、あんなに悪態を吐いてごめん。
 みんなみんな迷惑をかけてしまってごめん。
 俺は今まで関わってきた家族や親友、知人に謝れるだけ謝った。
 もうこれで思い残すことなく、この世からオサラバできる。
 さよなら現世、来世でまた会おう。
 来世? 非科学的なものを信じていない俺がどうして、そんなものを信じているんだ。
 ああ、やっぱり嫌だ、こんなところで死ぬのは嫌だ。
 何がやりたいかは決まっていないけど、これからやりたいことがたくさんあるのに。
 こんな最期、認めたくないし、受け入れたくない。
 最期の最後まで足掻いて足掻いて生きる道を見出さねば。
 俺は目を見開き、大声で叫んだ。
「デュタ、お願いだ!! 助けてくれっ!!」
「うわああああっ!!」

 「ミミ!! 大和!!」

 豪雨の中、一陣の風が吹き荒れた。
 同時に、俺の体に痛みと衝撃が伝播した。
 俺は死んでしまったのだろうか? これが死の感覚?
 否、死んでいなかった。
 青く黒く荒れた海に叩きつけられていない。
 俺の体は、青黒い海からおよそ1mの距離で宙に浮遊していた。
 それもハングライダーやパラシュートといったものなどなく、透明の超自然の力で。
 いや、俺だけではない。瀬良やミミも同じだ。
 俺の右隣には瀬良、ミミは俺と瀬良よりも少し上のところで浮遊している。しかも、ミミはこんな状況でありながらもいまだに眠っている。
 何が起きたか全く理解できず、崖崩れに巻き込まれた時以上に状況を飲み込むのに時間がかかった。
 ただ、なんとか生き延びたという事実だけは把握できた。
「はぁーっ、はぁーっ……」
 全身に高速で血が駆け巡り、息を酷く荒げる。一安心としたと同時に、体にとんでもないほどの疲労感が襲ってきた。もう一歩たりとも歩く体力は残されていない。少し油断すれば、意識が途絶えてしまいそうだ。
「怪我はないか、大和?」
 背後から落ち着いた少女の声が聞こえた。
「もしかして……」
「そのもしかしてだ」
 俺たち3人の中心点からプラズマ光が現れた。そして、一瞬で消えた。
 プラズマ光が消えた先には、頭部に包帯を巻いた1人のネコミミ宇宙人の少女がいた。
 デュトナ・サイベリアス、デュタだ。
 SF作品に登場するようなネコミミ宇宙人特有のボディースーツを着込み、その場で静止している。そして、彼女の両肩から2m近く離れた位置に、これまたSF作品に登場しそうなカーコーン状の巨大な装置が2つ浮遊している。
 知らないうちに俺と瀬良は腋で抱えられ、ミミは背中に背負われていたのだ。
 青白い粒子と光を放ちながら装置の先端が天を仰ぎ、上昇する。それと同時に、俺たち4人も急上昇する。
「うわわありゃっ!!」
「きゃうんっ!?」
 逆フリーフォール的なGを受け、俺の心拍数はさらに加速する。
「い、いきなりなにをするんだよ!?」
「すまない、あんなに低空飛行をすれば危険だと思って。だから、空に逃げた」
「いや、だからといってこれは飛びすぎだ!! ゆっくり飛べよ!!」
「そうか、大和がそう言うのならスピードを落とすぞ」
 俺はパニック気味にジタバタと脚を動かす。崖崩れに巻き込まれた時以上の高さ、西東雲山どころか、東雲町の奥地まで見えるほどの高度で浮遊しているのだから。こんなものをいきなり見せられて、慌てないわけがない。
「しかし、デュタ、一体全体何が起きているんだ?」
「これか。これは、シャルトリー式浮遊磁場発生装置といってな、一般的なデボン式に比べるとかなりの大型だが、出力はデボン式の25%以上もあるし、浮遊磁場の安定度も出力も桁違いに高い。それに、戦闘用としても使うことが出来てな、大出力のプラズマ障壁に、アル・ビシニアン製縮退砲が……」
「そうじゃない……。それよりもどうしてお前が、ここにいるんだ?」
 嬉々として語るデュタだが、今の俺にはそれを聞く余裕は無い。それはいつか別に機会にでも話してくれ。
「空を見て、不安に思ったんだ。ミミや君の身に何かあったのかと」
 直感。ある意味、デュタらしい判断である。
「だけど良かった……、助けることができて……。ミミも君もいなくなったら、私は……」
「泣くなよ、泣くなって。涙もろすぎるって」
 気持ちは分かるが、そのたびに泣かれるとこっちも困ってしまう。少しは我慢してくれよ。
「どうして……、ボクを助けたの……?」
 デュタに助けられてから殆ど喋っていなかった瀬良が、重々しく口を開いた。敵意を見せているわけではないが、大きな溝があることには間違いない。
「助けることに理由がいるか?」
「ボクは、我々は、お前たちアル・ビシニアンが嫌いなんだぞ。恨んでいるんだぞ」
「分かっている。だが、困っている人間を助けずにどうする? それは私の信条に反する」
 人助けは、デュタにとっての根幹をなす要素の1つ。これが無くなれば、デュタはデュタでなくなってしまう。だから、デュタは瀬良を助けた。デュタにとって、至って当たり前のことだ。
「ただ、敢えて理由をつけるのなら、瀬良、君がミューナ、それにミミの親友だからだ」
「親友……」
「君がいなくなれば、ミミもミューナも悲しむ。勿論、逆も同じだ。姉である私が勤めを果たさなくてどうする?」
「それにな、瀬良」
 俺はデュタに視線を合わし、確認をした。デュタは、即座に首を縦に振った。何が言いたいのかを察してくれたようだ。
「ミミは、ネコミミ宇宙人なんだ。そして、ミミとミューナは、2人で1人なんだ」
「まさかっ!? どう見ても、ミミはミューナじゃないし、アル・ビシニアンじゃない!!」
「俺も原理はサッパリキッパリ分からんが、ミューナは数日に1回、ミミになる。そして、また数日経つと、ミューナになる。俺もその現場を何度か見た」
「うっ、嘘だっ!!」
 瀬良の顔は、明らかに飲み込むのに苦戦をしている表情だった。それもそうであろう、俺だって現場を目の当たりにしても、事実を咀嚼するのに時間がかかった。ましてや、瀬良の場合はミューナと喧嘩中だ。背格好以外が同じであっても、簡単に納得するはずがない。
 それでも確実に理解する方法があった。
「ミューナ・ミスティール・スコティッシィ、部分不可視状態を解除」
 デュタは、ぐっすり眠っているミミに命令をするかのように呟いた。
 直後、ミューナの頭部にプラズマ光が帯び、可愛らしいネコ耳が現れた。
「アル・ビシニアン……」
 ようやく瀬良も、回答に辿り着いた。ミミがミューナであり、アル・ビシニアンであることを。
「信じても、信じなくても構わない。ただ、これだけはお願いだ」
 デュタは、3秒ほど間を空けた。
「これからも、ミミとミューナの親友でいてくれないか?」
 デュタの顔は、とても穏やかで、とても優しく、とても温かなものだった。
 俺もそれに加勢しようと思ったが、敢えて何も言わずに事の端末を見守った。ここから先は、俺の入る幕ではない。当事者間のやり取り、デュタと瀬良との1対1の対決だ。
「だから、ボクはウル・シュナイドだ!! 絶対にお前たちを……」
「そんなの関係ない。友達というものは、国境や生まれてなんて関係ない。ましてや、種族になんの意味があるのか?」
「ある」
「いや、ない。実際、私やミミとミューナは、地球(ちきゅう)人である大和と親友になれた」
 ここで俺の話が出るのか。口出ししたいが、瀬良の義母さんが言っていたように口出ししてはいけない。なんだかむず痒い気分だ。
「もし、大和がいなければ、私はこの星で涙に明け暮れていたかもしれない。大和に助けてもらわなければ、私はこの世を去っていたかもしれない。大和に止めてもらわなければ、私とミミとミューナは、どこか遠くの地で寂しく暮らしていたかもしれない。こうして、ここにいるのも大和のおかげだ。種族なんて関係ない」
「それはお前たちの場合で……」
「本当に友達になりたいんじゃないのか? ミミとミューナと」
「……」
 デュタに圧され、歯切れの悪かった瀬良がついに沈黙してしまった。
「もう苦しまなくてもいいんだ。楽になろう」
「……」
「きっと、君の家族だって、そう思っているはず。幸せになってほしいって」
「パパ……、ママ……、お兄ちゃん……」
 瀬良は何かを思い出すかのように呟いた。その声は、小さく震えていた。
 一体何があったかは、俺が知るわけではない。だけど、何かに繋がったのかもしれない。何か大切なことに。
「ずるいよ……」
 一粒の涙が零れ落ち、黒い大海へと消えた。
「こんなことを言われて、断ることなんて出来ないよ……」
 ボロボロと涙を零す、瀬良。
 彼女が泣いたのは、アル・ビシニアンを憎んでいるからでも、自身の過去を悲観しているからでもなかった。とても嬉しかったからだ。そして、許してくれたからだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
 瀬良は、憑き物が落ちたかのような無垢に純粋に眠っているミミに謝った。
 アル・ビシニアンとウル・シュナイドではなく、親友という関係で。
 同時に豪雨も弱まり、殆ど気にしなくてもいい程度の小降りの雨となった。それはまるで、瀬良とミューナ、ミミとの争いに終止符を打つかのように。
「雨降って、地固まる。これで一件落着、か……」
 一安心したのか、俺は酷い眠気と疲労に襲われた。それでも、ここで寝るのはデュタに対してとても失礼だ。あと数分の辛抱だ。欠伸が出そうだが我慢我慢。
「大和、瀬良、あれを見ろ」
 デュタは、遠方を指した。
 夜の闇に彩られた、東雲町のネオンや街灯の輝きだ。
「いつ見ても地球(セラン)の夜は綺麗だな」
「こんなところから眺める夜景は初めてだ……」
「ボクも……」
 少し前までは雨で視界不良だったことと、精神的余裕が無かったために気にも留めていなかったが、今は鮮明に見える。
 人工的に作られた光でありながらも、どぎつさなど一切なく、寧ろ幻想的な煌きが心と疲れを癒す。東雲の夜の街はセールスポイントの一つであるが、夜の大空から眺めるものはこれまた格別である。この夜景を見れたことは、今回の騒ぎの労いかもしれない。
 しかし、
「デュタ、もういいんじゃないかな?」
「何がだ?」
「いくらなんでも高すぎるんだよ!!」
 スピードこそないものの、俺たち4人は3分前よりも300メートル近く上昇している。あの巨大な東雲屋敷もブルーマリン東雲も、豆粒のようになっている。
「すまない、大和。人を抱えている状態では不可視状態を使うことが出来ない。だから、目視できない高さにまで逃げた。あと2、3分あれば、着陸できる」
 とはいうものの、あのカラーコーン状の機械が青白い光や粒子を飛ばしている。未確認飛行物体にでも認識されたら面倒な話になってしまう。
 それともう一つ、不満、というよりも物言いがあった。
「それとさ、この姿勢、どうにかならないか?」
「どうしてだ? これが一番安定する姿勢だ」
「いやだってさあ……、おっぱいが当たっているんだよ」
 デュタの柔らかく豊満なおっぱいが脇腹に当たっている。ボディースーツ質感と薄さが、それをより強調させる。下心としては嬉しいが、倫理的には問題大有りだ。
 それでも、デュタは全く気にも留めなかった。
「当たっていたらなにか不都合でもあるのか? 私は何も問題ないぞ」
「俺は問題大有りだ!!」
「大和のへんたい~。ロリコンのへんたい~」
「なっ、なんで俺がロリコンの変態なんだ!?」
 なんだよ、さっきまで泣いていたと思ったら、また茶化しやがって。この切り替えの早さ、本当に反省しているのだろうか?
「ロリコンとは、どういう意味だ? 大和」
「いい加減にしろ!!」
 もう泣きたい……。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、前回のラストで起きた崩落事故から三人の救助、そして瀬良リリィの謝罪を書きました。前回、前々回と続いた場面ですけど、これでようやくこの場面は終了。3分割にしないといけないほどの長い場面が終わったことに、少しホッとしています。
 さて、今回の場面で一番力を入れたのは、やはりデュタとリリィのやり取り。崩落事故の場面でも、クライマックスの部分にあたる場面であるため、どのような台詞を喋らせればいいのかとかなり苦労しましたよ。デュタに助けられたはいいものの、どうやったらリリィを説得させるのに成功させるか、そしてそれに対してのリリィの反応というものをじっくり考えしました。これが他の人に伝わったか分かりませんが、自分なりに頑張ったつもりです。
 それと、リリィを説得した後の大和のデュタに対する抗議も工夫してみました。リリィが謝罪してそれで終わりだとパンチ力が弱いので、コメディ調のやり取りを入れて全体のバランスを整える。物語のアップダウンを考える、それは創作では重要な部分ですからね。それを意識しながら、このやり取りを書きました。

 第9話も後半戦に突入のオリジナルのライトノベル。
 さて、次回は日曜日更新予定。デュタの言葉に心が氷解したリリィだが、彼女にはまだやるべきことがあった……。それが何かは、来週までのお楽しみ。というわけで、次週もよろしく!!

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