現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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命がけの脱出。
2014-07-13 Sun 19:41

 このモチベーションの高さを保たなければ。

 少しずつ実力をつけていきたい蔵間マリコです。
 さてさて、日曜日ですので、あのコーナーを更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 いや~、ライトノベルに限りませんが上手くいかない時はとことん上手くいかないものですけど、上手くいく時はとにかく上手くいくものですねえ。少し前までは、週に10ページも書けない状況が続いていましたが、今は週に15ページ近く書けていますから。このモチベーションの高さ、なんとか維持したいものです。
 そして、アイデアも温泉を掘り当てたかのように噴出しています。まあ、大まかな話の流れは書く前に先に作っていますが、細かい部分は書きながら調整している。それをカバーするのがアイデアですけど、トランス状態だと生み出される量が半端無いですからね。ホント、絶好調だと楽しく書けるし、アイデアもアホみたいに生まれるわ。
 とまあ、精神のバイパスが完全に繋がっている状態がここしばらく続いていますが、そろそろ本編へと入らせてもらいます。いつものことですけど、文章や内容が壊滅的かもしれません。それでも、優しくアドバイスをしてくれると非常にありがたいです。
 それでは、今回もどうぞ。
                   第9話 雨降って、地固まる(3)

 おにいちゃん?
 一体何を言っているんだ、瀬良は? 意識が朦朧としているためか、俺を別の誰かと勘違いしているのだろうか? それとも、酸素不足の影響なのだろうか? 前者ならまだしも、後者なら非常にまずい。
「俺はお前の兄じゃないぞ。夏目大和だ、夏目大和」
「なつめ……やまと……?」
「そうだ、夏目大和だ。お前が大っ嫌いな夏目大和だ」
「なんで……、あんたが……」
 良かった、ちゃんと認識しているし、悪態を吐くだけの体力が残されている。
「それは俺だって聞きたいぐらいだ。だが、話は後だ。さっさと帰るぞ」
「わ、分かった……」
 何が起きたのか状況把握は出来ていないようだが、そんなことを話している暇などない。体力を消耗しきっているんだから、さっさと帰らないと本当に倒れてしまう。
「あうっ!?」
 瀬良が突然、悲鳴を上げてしゃがみこむ。
「何があったんだ」
「だ、大丈夫だって!!」
 とは言っているが、右足首を両手で庇っている。
「ちょっと見せろ」
「やっ、やめろ!!」
「こんな時に喚くなよ!!」
 俺は、反抗をする瀬良の泥まみれのソックスを半ば無理矢理剥がした。
 案の定、紫色に膨れ上がっている。捻挫か骨折かは分からないが、これで悪路を歩くのは無理な注文だ。
「酷いじゃないか、あんまり無理するなよな」
「ボ、ボクだって、たった今気がついたんだ!!」
「ったく……、世話の焼けるやつだ」
 俺はびしょ濡れとなった髪を無意識に掻いた。雨露で髪の毛が絡まる。
 連絡が通じない以上は、レスキューが到着するのも時間がかかる。かといって、ここでボーっとしているわけにもいかない。心肺蘇生同様、あまりしたくはないがやるしかないか。
「仕方ない、背負ってやるよ」
「えっ!?」
「こんなところで立ち往生しているわけにもいかないだろ。このままだと風邪を引くぞ」
「でも……」
「でももへったくれもへちまもない。さっさと乗れ。こっちも体力の限界なんだから、無駄に時間をかけさせるな」
「……」
 瀬良は5秒ほど沈黙し、決意した。
「分かったよ……」
 渋々とした表情だったが、思ったよりは嫌そうな声色ではなかった。
「よし、あまり暴れるなよ」
「子供じゃないんだから、分かっているって」
 瀬良は体を軋ませながらも、ゆらりと俺の背中に乗る。
「うおっ!?」
 想像以上に重たい。足が微妙に沈む。小柄で華奢な体だからもっと軽いものだったと思ったが、このくらいの歳の女の子が、こんなに重たいとは。
「思った以上に重たいな……」
「ボクは太っていない!! 泥がついているんだから、重たいんじゃないか!!」
 そうだった、服に付着している泥を計算していなかったな。そうじゃないと、何かがおかしい。まあ、そんなことはどうでもいいか。
「痛むかもしれないけど、我慢しろよ。それとミミももう少しだから頑張ってくれ」
「子供じゃないんだから、そのくらい分かっている」
「うにゃあ!!」
 俺たち3人は、崖崩れの現場から脱出できる経路がないか探すため、壁伝いに歩き出す。
 足元は不安定で、よく分からない草や大量の敷き詰められた落ち葉が、生理的嫌悪を誘う。こんな気持ち悪い場所を通るよりも、崖崩れを登っていけば良かったかも知れない。
 だが、それは3人では選べない選択肢だ。ミミのような子供があのような急斜面を上れるとは思えない。ましてや、俺は怪我人を背負っている。とてもではないが登ることなど出来ない。それならば、少しでも安全だと思われるルートを通るのが懸命だ。保証なんて無いが、崖崩れの前で突っ立っていたり、崖崩れを登ろうとするよりも建設的である。
「どうしてボクを助けたの?」
 瀬良は背後からボソッと喋った。
「どうしてって、危なかったから決まっているじゃないか。まあ、元々はお前を助けに来たわけじゃないが。というよりも、どうしてこんなところにいたんだ? ミミ」
「だって、おうちにいてもつまらないにゃ~」
「はぁ……、そんな理由か。勝手に遠くまで出歩いたらダメだぞ」
「は~い、にゃ……」
 一応、ミミを納得させたが、幼子を1人でマンションに残すというのは、ちょっとどころかかなり問題があるな。保育園に預けるのも何か危ないし、かといってデュタ以外に身寄りがいない。誰か安心して預ける相手がいればいいのだが……。
 それは今考えている場合じゃない。それ以上に、聞かないといけないことがある。
「じゃあ、逆に聞くが、どうしてお前がここいた? 飛び出したんじゃないのか?」
「うっ、うるさい!!」
「耳元で叫ぶなよ。響くじゃないか」
「ご、ごめん……」
 しゅんと萎れる瀬良。さっきまではやたらと文句を言っていたが、そんなことを言うのすら厳しいほどに疲弊しているのかもしれない。
「りりぃは、ミミとあそんでくれたの!!」
「瀬良が遊んでくれた?」
「うん!! だから、りりぃのこと、わるくいわないで!!」
「そうなのか、瀬良?」
「わ、悪い?」
「悪くはないが……、ありがとう」
 俺は掛け値なしに感謝をした。
「しかし、お兄ちゃんねえ……」
「えっ!?」
「お前言っていたじゃないか、お兄ちゃんとかって。目を覚ました時に、そんなことを言っていたぞ。もしかして、覚えていないのか?」
「そ、それは……」
 瀬良は言葉を詰まらせる。やはり、心の内に閉まった他人に言えないことなのだろうか? そうだとしたら、俺が地雷を踏んだことになるが。
「昔のことを思い出しちゃあいけないの!?」
「いけないわけじゃあないさ。ただ、なんだか気になってな」
 俺はどうにかして話を続けようと試みた。そうでもしなければ、疲れがドッと出そうだからだ。誤魔化し誤魔化しでもコンディションを保たないと。
「そんなに俺が、お前の兄に似ていたのか?」
「……」
 今まで饒舌だった瀬良は突然として沈黙した。背負っているからどんな表情をしているか分からないが、言葉を選ぶのに迷っているのかもしれない。
 瀬良が再び口を開いたのは、10秒後だった。
「ちょ、ちょっとだけ……」
 小声ではあったが、確かに言った。 「ちょっとだけ」と。
「珍しいことがあるんだな、俺がイヌミミ宇宙人に似ているって。ハハハ」
「お、お兄ちゃんを馬鹿にするな!!」
「止めろ止めろ、髪の毛を引っ張るな!! お前の兄のことは馬鹿にしていない。ただ、意外だと思ったんだ」
 背負ってもらっているのに、この態度。さぞかし瀬良の兄も苦労しただろう。
「俺にもな、妹がいるんだよ」
「えっ!?」
「にゃまとのいもうと?」
「ああ、お前より歳は1つ下で、身長は同じくらいで。これが結構可愛くてな、典型的なお兄ちゃんっこで。目に入れても痛くないというか」
 俺は瀬良に話しつつ、実家の妹の愛美(あゆみ)のことを思い出していた。
 愛美は、今、何をしているのだろうか? 友人と一緒に遊んでいるのだろうか? あるいは、家で宿題を済ませているのだろうか? 少なくとも、俺より大変な目に遭ってはいないだろう。
「ロリコン……」
「うぐっ!?」
 クリティカルヒット。否定が出来ないのが痛すぎる。
「だ、だけど、お前の兄も俺みたいに素晴らしかったんだろ。カッコ良くて、困った時に助けてくれる。まさにスーパーマン」
「お前はスーパーマンじゃないし、お前みたいなのが兄だったら、畳針千本飲んで死んだほうがマシだ」
「ぐあがっ!?」
 これまたクリティカルヒット。このままでは、本当に心が折れそうだ。
 だが、救いもあった。
「でも、こんなボクを助けてくれありがとう……」
 良かった、それを聞けただけでも助けた甲斐があった。
「ねぇ、にゃまと~」
「なんだ?」
「ろりこんってなんだにゃ?」
「うぉるうっ!?」
 俺は危うく足を滑らしそうになった。
「だ、だいじょうぶにゃ、にゃまと!?」
「あ、ああ……、大丈夫だ」
 瀬良め、余計なことを吹き込みやがって。
「もしかして、あれって……」
 瀬良が背後から指をさした。ちょうど、針葉樹と針葉樹の合間だ。
「ああ……」
 俺は暗中豪雨の中、目を凝らした。
 ガードレールだ。
 やっと見えた迷路の終わり、ここまで辿り着くのにどれだけの体力と時間を費やしたのだろうか? もう少しで解放される。
 俺とミミは、残された体力を雑巾のよう振り絞り歩み出た。
 このまま森の中で休みたかったが、誘惑を押し殺して、一歩一歩を踏みしめた。
 服が枝に引っかかり袖が破れたが、形振り構わなかった。
 これで、これで……。
 そして、20mは歩いただろうか。
 俺たちはついに、ガードレール先の道路へと辿り着いたのだ。
 海の見える崖沿い道路。ここがどこだか分からないが、生きて脱出できたのだ。
「はぁはぁ、やったぞ、やったぞぉー!!」
「うにゃああ~!!」
 俺は30分ぶりのアスファルトを踏みしめて、その場にくたくたと倒れこんだ。
 それはミミも瀬良も同じで、大の字なって倒れこんでいる。
「あは、あははははは!!」
「ハハハハハハハハッ!!」
「にゃははははは~」
 俺たち3人は、馬鹿みたいに笑った。雨に掻き消されないほどに笑った。
 ああ、これでようやく帰れる。生きて帰れる。生きているって最高。
 嬉しさのあまりに、涙まで出てきた。
「本当に怖かったあ……」
「それは俺もだ。気が張り詰めていて、そんなこと考える暇なんて無かった」
「つかれたにゃ~、おなかすいたにゃ~、おふろにはいりたいにゃ~」
 ミミは地べたでじたばたと手足を激しく動かす。まるでデパートで駄々を捏ねる子供のようだが、それに比べると勢いはない。明らかに疲れが出ている。
「ダメだ、ひとまずは病院に行かないと」
 いくら大きな外傷がなくても、あとで大事になったらまずい。念のために病院でチェックしてもらわなければ。
「いやにゃ~、べとべとするにゃ~」
「ああもう、おんぶしてやるからそれで我慢してくれ」
「やったにゃ~!!」
「うぉっ!?」
「ふにゃあ~……」
 ミミは勢いよく、背中に飛びついた。そして、そのまま俺の眠りついてしまった。こんなところで眠られても困るが、あれだけの危険を掻い潜った後だ、俺でも相当堪えているのに、幼子の体に耐えられるわけがない。仕方ないことかもしれない。
 俺は軋む体に「俺なら出来る」と言い聞かせ、ミミを背負(しょ)った。瀬良に比べると遥かに軽いが、それでも重たい。
「ところで病院はどうするんだ、お前は」
「別にボクは病院……」
「宇宙人は普通の病院でいいのか? 全く分からないんだ」
 ミミや瀬良は宇宙人。普通の病院で調べてもらって分かるはずがない。それどころか、宇宙人の存在を公にしてしまう恐れがある。そうなれば、治療どころではない。
「しょうがないなあ、ボクが病院に電話をかけますよ。どうせ断っても、無理矢理、病院に連れて行かれそうですから」
「宇宙人専用の病院があるっていうのか?」
「そういうわけじゃない。でも、東雲大学病院は、ブリジットおねえ……、東雲財閥が経営している病院があって、ボクも診察してもらったことがあるから」
「はあ……」
 生活環境のバックアップもしっかりと行っているのか。東雲財閥の懐の広さには感服するよ。
「携帯電話ある? ボクの携帯、鞄の中に入っているから」
「ほらよ」
 俺は通信範囲が圏内であることを確認した後、投げて渡した。
「「あっ」」
 憶測を間違えたのだろうか、あるいは瀬良がミスしたのだろうか、携帯電話は空を切り、アスファルトへと落としてしまった。
「まったく何やってんだか、俺」
「ううん、取れなかったボクが悪いから」
 瀬良は、足を引きずる形で俺が渡し損ねた携帯電話を拾おうとした。

 携帯電話が小刻みに揺れた。

 しかし、いつもと何かが違う。普段のバイブレーションと違い、通話連絡用のメロディーは流れていない。それに、震え方がどこか違う。携帯電話が震えているというよりも、外的要因によって震えているように見えた。
 その違和感に気づいたのは瀬良も同じようで、拾おうとしていた腕を止めていた。
「変わったバイブレーションだけど?」
「いつの間に、新しいアプリを入れたのだろうか? 誰がこんなことをしたんだ。きっと武士かな、ハハハハハ」
 俺は何かおかしいことに本能的に気付きながらも、そうでないと言い聞かせた。
「そんな変わったものがあるのか」
 瀬良は再び携帯電話を拾おうとした。

 携帯電話が異音と共に小刻みに揺れた。

 しかし、いつもと何かが違う。いや、先ほどのものに比べてもかなり違う。メロディーも当然ながら、震え方が先よりも明らかに強い。その強さは、さも瀬良の手から逃げようとしていると思えるほどにだ。
「なあ、もしかしてわざと拾おうとしていないよな?」
「そんな馬鹿なことをする余裕なんて無い。ボクだってさっさと済ませたいんだから」
「そうだよな」
 互い顔に合わせて、意志を確認する。どうやら、瀬良も何かおかしいことに気付いているようだ。
 瀬良は三度(みたび)、携帯電話を拾うことにチャレンジした。
 よし、今度は何ら問題なく拾うことができた。
「ふぅっ……、携帯電話一つ拾うのにここまで苦労するとは」
「うるさい」
 瀬良はモニターにタッチし、病院へ電話をかけようとした。

 不吉な音が小刻みな揺れと共に聞こえた。

 どこか腹の底から鳴り響くような異様な音。体がビリビリと揺れるほどの異常な音。雨音にしてもおかしいし、そもそもこんな音など聞いたことがない。
「やっぱりおかしくないか?」
「うん」
「なんか地震というか、地面そのものが揺れているというか」
「もしかして、携帯電話が揺れていたのもまさか……」
「分からない。でも、嫌な予感はする」
「とにかくここから」

 瞬間、凄まじい轟音とともに、俺と瀬良が踏みしめていた大地が崩れ落ちた。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、ミミとリリィを救助した夏目大和が森から脱出するに至るまでのやりとりと、その後の大事件を書きました。このパートは1回続きますが、自分でも本当に長い場面を書いた気がします。なにしろ、36ページに渡る長丁場なんて一度も書いたことがないのですから。文章や行動の齟齬を直すのも大変ですし、労力も段違い。まあ、こういうのを産みの苦しみなんて言うんだろうけどね。
 で、今回の場面で一番力を入れたのは、ギャグとシリアスのバランス。基本的にはシリアスで話を進めていますけど、所々茶化す場面を入れて程よく緊張感を緩ませる。自分の好きな漫画もそうだけど、そういった緩急が重要なことはわかっていますからね。とはいっても、どっちかというと湿った展開とかを書くのが好きなのですが。ただ、そういうのを読んで楽しいかというと別問題ですし。他人が読んで面白い作品を書くって難しい。

 色々と苦心しているけど、同時に楽しく書けているオリジナルのライトノベル。
 さて、来週は予定外の出来事がなければ、通常通り日曜日に更新予定。安心したのも束の間、崩落に巻き込まれた大和たち。果たして、大和たちは助かることが出来るのだろうか?それは、見てのお楽しみ。

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