現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告
大自然の脅威。
2014-07-06 Sun 20:05

 面白いけど、色々大変。

 暇があったら、ネタを探している蔵間マリコです。
 さ~てと、日曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタ、耳とミューナとの共同生活を描いたオリジナルSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 いや~、新章を書き始めてから俄然調子が良いですねえ。現在連載中の第9話と違って、執筆スピードが違う違う。週10ページ程度の進捗状況だったのが、今は週14ページのペース。一番調子が良い時期ほどではありませんが、それでもモチベーションが高い状態を維持出来ています。このやる気のある状態をいかに長く持たせるか、それが自分の課題の一つかもしれません。この調子でいけば、確実に12月までにノルマの1年で6話執筆を達成することが出来るだろうし、何かが原因でくじければ、ノルマを達成出来ないのですから。
 とまあ、モチベーションの波のコントロールしながらラノベを書いている今日この頃ですが、そろそろ本編へと入らせてもらいます。あまり上手くありませんが、心優しいアドバイスなんかをくれるととてもありがたいです。
 それでは、今回の彼女たち極秘事項(トップシークレット)をどうぞ。
                   第9話 雨降って、地固まる(2)

 俺は瀬良の母から借りた自転車で、ミミのいる東雲市西東雲山旧道沿いへと向かった。
 デュタがミューナを探す時に使った探知機から導き出された位置は、天候の悪さを含めても15分あれば到着するだろう。
 それよりも、どうしてミミがあんなところにいるのか? 全く土地勘の無い場所で、それも国道から大幅に外れた森の中にいるのか。遊びにいった結果、旧道に行ったのまでは分かる。だが、森の中にいるのはおかしい。何かがあったと考えるのが、妥当だ。それもあまり良くないことが。
 事件? 事故? それは、俺自身の目で確かめるしかない。
 俺は全力で漕ぐが、急勾配で膝が笑っている。普段使わない部分の筋肉を使うことが、どれだけ辛いことか。その上、体全体に叩きつける豪雨が俺の体力を奪う。昨日の大雨も酷かったが、今日はそれ以上のものだ。観測史上最悪といってもいいかもしれない。
 しかし、そんなことを気にしている場合ではない。ミミの身に何かあってからでは遅い。
 脳内で湧き上がる不満とミミの身に起きた不安を抑えつつ、目的地へと自転車を走らす。
 荒い息を吐きつつ、立ち漕ぎで心臓破りの坂を上る。
 西東雲山の頂を越えて、ロクに手入れのされていない公園を通過する。
 ふと、俺は何か違和感を感じ取った。
 豪雨の影響で視界不良のため確定的ではないが、何かこの風景におかしいところがある。勿論、俺の勘違いかもしれない。だけど、ミミの安否を確かめるためにも、違和感の正体を確かめるため必要がある。
 俺は自転車をその場に放置し、少し小高い坂を駆け上がった。
 小高い坂を登りきった末、そこから見えた風景は。
「地獄だ……」
 本来、舗装された道路があるはずなのに、そこには何も無かった。代わりにあったのは、自然の脅威そのものだった。
 道路が豪雨により抉(えぐ)れ落ち、露(あらわ)となった土色の地肌。ガードレールを易々と突き破り、岩と土と泥とアスファルトの塊になぎ倒された谷底の雑木林。ニュース番組や新聞などで見かける自然災害の現場と何ら違わぬが、現物に勝る恐怖など無い。
 そして、この災害現場を見て、即座に理解したこと1つあった。
 ミミが、この土砂崩れに巻き込まれたということ。巻き込まれたから、森の中にいたんだ。
 1秒でも早く助けたいという気持ちに駆られたが、ひとまず落ち着きすべき行動をとった。
 消防署への連絡。自然災害が起きた以上はフォローを入れなければ。
 俺は携帯電話で消防署へと連絡をかける。だが、エマージェンシーは皮肉にも届かなかった。このご時世だというのに、圏外とはなんということだ。
「なんで、こんな時に限って……」
 仕方がない。俺はミミを助けるために土砂崩れ跡を慎重かつ可及的速やかに駆け下りた。
 泥と豪雨で不安定な足元に注意しつつ、踏ん張りを利かせる。おお、少し危なっかしいが何とか進める。土砂崩れの傾斜も思ったよりは厳しくないし、これならば大丈夫かもしれない。
 その油断が命取りだった。
 途端、急斜面の半分を過ぎたところで足元を掬われてしまった。泥の中に潜んでいた木の枝か木の根っこかよく分からないが、足元を掬われてしまったのだ。
「うわわあわああああわああ!!」
 頭から転がり落ち、1回転、2回転、3回転と回転数が増すにつれて、スピードが増す。
 俺はどうにも抗うことはできなかった。坂を転がり落ちるサッカーボールの気分、それをただただ味わうことしか。
 夏目大和という名のサッカーボールの着地点は、谷底の倒木だった。なぎ倒された木に背中から激突し、勢いが完全に殺される。
「いつつつ……」
 全身に走る激痛、少なくとも骨折はしていないが、無数の打撲と切り傷ができてしまった。制服も泥まみれとなり、あらゆる部分が破けてしまっている。1,2ヶ所ならばまだしも、ここまでボロボロになってしまうと、直しようがない。ああもう、ますます最悪だ。
 しかし、骨折り損のくたびれ儲けというわけではなかった。
 俺のぶつかった倒木から左隣、そこには行方不明だったミミが倒れていた。
 仰向けに倒れ、泥まみれとなったミミ。意識はないが、目立った外傷もないし、変に曲がった部分はない。打ち所が悪くはない限り、大丈夫かもしれない。
「おいミミ、聞こえるか!?」
 俺はミミのからだをゆっさゆっさと揺らす。起きてくれ、早く起きてくれ。
「にゃ……あぁ……?」
 俺の声に呼応してくれたのか、ミミはゆっくりと瞼を開け、小さな声を漏らす。
「ああ、俺だ。大和だ。大丈夫か?」
「にゃまと……」
 土と泥にまみれ汚くなった顔で、ゆっくりと笑顔を浮かべるミミ。涙をいっぱいにこめて。ああ良かった、大事に至らなくて。
「さて帰るぞ、ミミ。デュタが心配しているからな。今日だけは背負ってやるからな」
「にゃまと……、まってにゃ」
「なんだ?」
「りりぃがいないにゃ」
「リリィ……、もしかして、髪の短い女の子か!?」
「うん……、ミミ、いっしょにあそんでいたにゃ」
 どういう経緯で、瀬良がミミと遊んでいたのか分からない。だけど、一緒にいたということは間違いなく確かだ。そして、この土砂崩れに巻き込まれて……。
「りりぃ、りりぃ……」
 ミミの涙目と鼻声で語る様は、ミミ以上に危険な事態に陥っていることを予感させる。俺がここに到着した時間を考えると、あまり猶予は残されていない。
「まったく、あいつは余計な仕事を増やす……!! ミミ、探すぞ」
「うにゃ!!」
 俺は泥とアスファルトと岩にまみれた足場に注意しつつ、ミミに雨合羽を着せて探索した。
 視界不良の中、俺とミミは見落とさないようにと神経を尖らせる。
「おーい、せらー!! どこにいるんだー!!」
 ミミみたいにただ巻き込まれただけなら何とか見つかるかもしれない。だが、土砂に飲み込まれていたらお手上げだ。そうなっていないことを祈るしかない。
「りりぃー!!」
 生意気で暴力的だけど、どこか憎めない瀬良リリィ。そんな奴が、いなくなればどれだけの大勢の人が悲しむだろうか。そんな者たちを泣かせないためにも、ここで俺が頑張らなければ。俺1人でどうにかなるか怪しい重責であっても。
「せらぁーっ!!」
「りりぃーっ!!」
 気持ちは焦りつつも、俺とミューナはひたすら呼びかける。豪雨に掻き消されそうだが、それでも負けないようにと必死に叫ぶ。
 しかし、いくら探しても見つからない。同じ土砂崩れに巻き込まれたのなら近くにいるはずなのだが。もしかして、もっと遠くまで流されたのかもしれない。地中深くに埋められたのかもしれない。そうなると、見つけるのがますます困難となる。
「どこにいるんだよ、瀬良……」
 俺は思わず弱音を吐いてしまった。これではいかんと分かっているけど、体力を酷く消耗しているし、心も折れそうだ。
 やっぱり、俺には助けることができないのだろうか?
 いや、違った。
「にゃまと、こっちにゃ!!」
 ミミの黄色い声が豪雨の中、響き渡った。
「いたのか!?」
 俺は何も言わず、バシャバシャと水溜りを踏み鳴らし、ミミのいる場所へまで急行した。
「ミミ、何があったんだ?」
「にゃまと、これ……」
 鼻声のミューナは、土砂崩れから少し離れた粘質の泥の塊を指差した。
 そこには、不自然に右腕が一本生えていた。華奢で細い女の子の右腕が。
「瀬良っ!!」
「にゃあ!!」
 俺とミューナは、泥を掻き分けて、掘り起こした。
 時々混じる石やアスファルトの欠片などに、指を傷つけ、爪を傷めるが、そんなことはお構いなし。それを気にしている暇なんてない。ただ助かっていることを願うしかない。
 土砂の中から、瀬良の右肘が掘り起こされた。まだだ、まだ掘り起こさなければ。
 土砂の中から、瀬良の右肩が掘り起こされた。もう少しだ、もう少しで助けることができる。
 土砂の中から、瀬良の頭部が見え始めた。よし、一気に引っ張り出せる、はず。
「ミミ、俺と一緒に瀬良の右腕を引っ張ってくれないか。大変かもしれないが、手伝ってくれ」
「うにゃ!!」
 俺とミミは、ギネス級のかぼちゃを引き抜くかのように、全身に力をこめて引っ張った。
 泥水で足元がぬかるみ、雨で手元が滑り、土砂の重量が体に伝わる。
 それでも俺とミミは力を緩めない。ここが正念場、これさえ抜ければ希望が見えてくる。
「もうひと踏ん張りだ、ミミ!!」
「うにゃあ!!」
「ふぁいとぅおおおおおおぉっ!!」
「いっぱつぁーっ、にゃー!!」
 崖から転落しそうな筋肉隆々の男を引っ張るCMのごとく、俺とミミは残された力を振り絞る。
 その願いは、通じたのだろうか。今までうんともすんとも動かなかった瀬良の体が、ずぶずぶと引き出されるではないか。
「せーの、せーの!!」
「うーにゃ、うーにゃ!!」
 頭から顔、顔から肩、肩から胸。徐々にではあるが、確実に引っ張り出されていく。
 そして、
「うおおおおおおぅっ!!」
「うにゃあああああっ!!」
 ついに瀬良の体は、完全に土砂の中から引きずり出された。俺とミミは勢いあまって、尻餅をつく。5分近くの格闘は、俺とミミが勝利したのだ。
「はぁはぁはぁ……」
「うにゃあああ……」
 泥から掘り起こされた瀬良の姿は、見るも無残な姿だった。制服やスカートは破れに破れ、泥まみれで元が何であったか判別しにくい。外傷については、パッと見は切り傷や擦り傷はあれど、骨が折れているかどうかは分からない。そして、顔色は血の気が無くよろしくない。とにかく素人目からしても、かなり危ない状態だ。
 休む暇などないが、ほんの僅かな時間だけ呼吸と脈拍を安定させる。少しずつではあるが、落ち着いてきた。これで次のアクションに移れる。
 心肺蘇生である。
 あんな重たくて息苦しい泥の中に、長い間閉じ込められていたら酸素が不足しているだろうし、泥水だってたくさん飲んでいるかもしれない。何とか息を吹き返しても、後遺症があるかもしれない。それに、心肺蘇生の方法もあやふやだ。成功するかどうかも怪しい。
 それでもアクションしなければ、最悪の結果を迎えるだけだ。ただただ、やるしかない。
 俺は、ミューナの学生制服のジャケットを剥ぎ、Yシャツ越しから胸を両手で押した。
 回数は分からない。だが、全くの適当でやっているわけではない。あまりにも力を入れないように加減を考えているし、押す回数もちゃんと考えている。正解どうかは分からないが、より近いものを選んだはずだ。
 頃合を見計らい顎を手で押し上げてマウストゥマウス、口の中に空気を入れ込む。
 女の子、それも宇宙人の女の子に理由はあれどキスをしないといけないことに抵抗はあったが、一分一秒争う中、そんなことなど気にする暇などなかった。
 瀬良の平たい胸が僅かに膨らむ。しっかりと空気が送られている証拠だ。
 空気を十分に入れたら、再び胸を両手で押した。
 それの繰り返し。
 そして、ただ祈るのみ。
 おい、息を吹き返してくれよ。そうじゃないと、俺もミミもミューナもみんなも困るじゃないか。
お前も頑張れ。
「ぶはっ!! ゴホッ、ゴホッ!!」
 突如、瀬良の口の中から、飲み込んでいた泥水が噴出(ふきだ)された。よし、もう少しだ!!
「おい、しっかりしろ!!」
「うにゃ!!」
 俺はとミミは、朦朧とした意識の瀬良に耳鳴りがするかのような大声で呼びかけた。
 僅かにだが、ピクリと体が動いた。
「起きろってば!!」
「うにゃあ!!」
 再度、俺とミミは呼びかけた。
 今度は、まぶたが微妙に開いた。確実に反応している。もう一声だ。
「今すぐ、起きろってば!! 瀬良リリィ!!」
「りりぃ!!」
 三度(みたび)、俺とミミは呼びかけた。声が枯れそうなほどの叫びで。
「ん……」
 ついに瀬良は、返答してくれた。ああ、良かった。これで、誰も泣かずに済む。
 だが、ホッとしたのも束の間、俺は思いもせぬ言葉を聞き取った。
「お、おにい……ちゃん……?」
「おにい……ちゃん?」

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は。
 前回はイヌ耳宇宙人の瀬良リリィの回想を描きましたが、今回はいつもどおり主人公の夏目大和の視点で書きました。普段どおりに書けば良いので、そこまで苦労したという感じはしませんでしたね。その代わり、このパートは3つに分けるほどの非常に長い場面でしたので、他の点で苦戦をしました。
 で、今回の話で一番力を入れたのは、夏目大和が必死こいてミミとリリィを助ける場面。やはり、物語が大きく動く序破急の急の場面ですから、ここに力を入れない手はないですよねえ。いかにも命がけであることが読者にも伝わるように言葉を選び、熱量を与える。それが上手く伝わっているかどうかは分かりませんが、それでも自分なりに考えて書いたつもりです。
 それと、どのような状況であるかちゃんと伝わるかにも注意をしました。自然災害という混沌とした状況、それを的確に伝えるには普段以上に注意しなければならない。土砂崩れや破壊された地形に、現実的でありながらも非日常的な状態。第3話目の戦闘シーンもそうですけど、そういった塩梅がいかに重要かは身を持って知りましたからね。だから、念入りにか書きながらも、どのような状況か分かりやすいように書きました。

 難しいけど、楽しく書けているオリジナルのSFファンタジーライトノベル。
 さて、次回はいつもどおり日曜日更新の予定。なんとかミミとリリィを発見した大和だが、この状況からどうやって脱出するのであろうか?そして、その果てに待ち構えている運命とは?それは、次回までのお楽しみ。

関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 彼女たちの極秘事項(トップシークレット) | コメント:0 | トラックバック:0
<<更なる改善。 | 黒のノエル。 | 少しの我侭。>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら


| 黒のノエル。 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。