現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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涙の理由。
2014-04-13 Sun 19:35

 随分遅れているなあ……。

 なかなか思うように書けない蔵間マリコです。
 さてさて、日曜日ですので、あのコーナーを更新しますよ~。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタとミューナとの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 やっとこさ、今回で8話目に突入する彼女たちの極秘事項(トップシークレット)ですが、相変わらずスローペースですんごい困っていますねえ。先々月はPCが壊れたせいで現行のデータがぶっ飛ぶし、先月は物もらいと霰粒腫に罹ってしまいまして……。いざ頑張ろうという時に、不幸が重なって上手くいかない状況が続いています。そのせいか、ちょっとモチベーションが低くて……。
 でも、それでも頑張らないといけないからねえ。今年は6話分書ききるというノルマがある。いくらトラブルが続いているといっても、せめてそのくらいは達成しないとね。今の不甲斐ない自分をどうにかするためにも。
 とまあ、ちょっと愚痴気味になってしまいました。そろそろ本編へと入ります。ハッキリ言って、駄文レベルの稚拙な内容です。それでも、感想なんかを書いてくれると非常にありがたいです。
 それでは、今回もどうぞ。
                   第8話 忘れられない光景(1)

 この世界は間もなく終わる。
 数多の生命体を生み出し、育み、還っていった生命の揺り籠、母なる大地が。
 極寒でありながらも幻想的で澄み切った空は、赤く灰色に濁った空に。
 万年雪で埋め尽くされた大地は割れ、裂け目からは灼熱の溶岩が噴出す。
 文明の象徴である建造物の数々は、無惨にも崩れ去り、死のモニュメントと化す。
 崩壊する世界から脱出するための舟は半分は既に飛び去り、残りの半分は消失した。
 舟に乗り遅れた者たちは、ただただ絶望するしかなかった。
 ある者はあてもなく彷徨い、ある者は郷愁の世界に逃げ込み、ある者は凶行へと乗り出す。もはや、モラルと理性など残っていない。
 しかし、それでも諦めることなく、生きる道を探す者たちもいた。
「うわあああああぁん!! おにーちゃーん!!」
「こっちだ!! 早くしないと間に合わないぞ!!」
 泣き叫ぶ少女に、手を引っ張る青年。
 この兄妹と思わしき人物も、それにカテゴライズされる者たちだった。
 2人は持てる力を振り絞り、汗だくになりながらも息も絶え絶えながらも走った。
『争いのない場所で、幸せに生きてほしい』
 2時間前に息絶えた母親の遺言が、生へと走らす唯一の糧となっている。
 2人は脱出艇を求め、崩れかけた道路を走り抜け、障害物をよじ登り、非難口へと駆け込む。
 もう既に脱出艇は無くなっているかもしれない。
 絶望への時間稼ぎに過ぎないかもしれない。
 それでも、諦めるわけにはいかない。母親との約束を破るわけにはいかない。約束を果たして、幸せに暮らさなければ。
 非常電源のみが稼動する薄暗がりの中、歪みかかった螺旋階段を下り、今にも崩落しそうな通路を渡り、ようやく希望への糸口へと辿り着いた。
 しかし、その願いは半分しか叶わなかった。
 脱出口に残された脱出艇は1台。だが、脱出艇は1人乗り用の小型。それも、1,2世紀も前に作られたと思われる旧型。1人で乗るならともかく、2人が乗ることなど出来るはずがない。
「クソッ!! どうして、ここまで来てこんな仕打ちを受けるんだ!?」
「おにいちゃん、これに乗って逃げようよ!!」
 泣きじゃくる少女は、幼い故か状況判断が出来ず、この脱出艇に淡い希望を抱いている。2人が乗ることは、自殺行為であるにもかかわらず。
「ごめん、おにいちゃんはダメなんだ」
「えっ?」
 青年は少女を脱出艇に押し込み、ハッチを無理矢理閉じた。
「おにいちゃん、おにいちゃん!!」
 薄暗い脱出艇の中からハッチを叩く音が響くが、青年は聞き取ることは出来なかった。正しくは、聞き取ろうともしなかった。ただ辛い思いをするだけだからだ。
「俺は約束を守れないからな、だからお前が叶えてくれよ」
 青年は、まるで少女に語るかのように独りごちる。それが今生の別れであることを、告げるかのように。
 満身創痍の体に残された最後の力を振り絞り、青年は外部のコンソロールパネルを押す。強制射出装置のプログラムだ。
「おにいちゃ……!!」
 泣き叫ぶ少女の声は、青年には届かなかった。
 耳に残響する轟音とともに、脱出艇は非難口から消え去った。そして、希望を託した星となった。
「元気に生きてくれよ、リリィ……」
 射出口から見える終末の空を壁に寄りかかりながら眺め、青年はゆっくりと瞼を閉じる。
 青年は一歩も動くことが出来なかった。
 1時間後。
 母なる大地、シュノークは消滅した。

                            ※

 デュタの連絡を受けた俺は、早退してアパート経由でスカイタワー東雲に直行した。雨が降り始めていたが、そんなことなど気にする暇などなかった。
 ミューナが襲われて、倒れた。
 一体どういうことだろうか?
 通り魔? あるいは、ミューナが宇宙人であることを知っている者か?
 分からない。デュタに聞けば答えが分かる。
「デュタ!! ミューナ!!」
 俺はデュタの自宅へ入るなり、大声で叫んだ。落ち着かなければいけないと分かっていたが、ミューナの安否以上に優先することはない。
「大和……」
 そこにはフローリングで体育座りをし、顔を伏せるデュタがいた。
「ミューナは大丈夫なのか?」
 こくりとデュタは頷き、ミューナの部屋を指した。
「ミューナ!!」
 俺は落ち着く間もなく自動ドアを開き、ミューナの薄暗がりの部屋に入った。
「すぅー……、すぅー……」
「ミューナ……」
 ベッドで眠っている。少なくとも命に別状はないようだ。
 だが、ミューナの異変にすぐ気が付いた。そして、直感的に何があったのか分かった。
 首にしっかりと残った赤い跡と頬の擦り傷。
 ミューナは誰かに襲われて、首を絞められた。
「これは一体……。誰がしたんだ? デュタ、犯人を見たのか?」
 デュタは再び頷き、無言でソファーの上を指した。
 そこにあったのは、東雲学園のスクール鞄。
 ただし、デュタやミューナのスクール鞄ではない。2人とも、ドッグタグのようなキーホルダーは付けていない。第三者のスクール鞄だ。
「もしかして、これの持ち主がミューナを襲った犯人だというのか?」
 デュタは、何も語らず頷いた。
 俺は学生鞄の中を恐る恐る開ける。
 ミューナを襲った犯人だから、何か物騒なものを隠しているはずだ。
 ナイフ? スタンガン? 拳銃? 爆弾? もっと危険な物?
 ありとあらゆる可能性と不安がよぎる。
 せめて、それらとは全く関係のないものが出てくれ。
 その心配は杞憂に終わった。代わりに、それ以上に衝撃的な物が入っていた。
 インスタントカメラと青い業務用ファイル。
 知っている。これが何者の所持品であるかを。
 あまりにも意外すぎる犯人に、俺は愕然とし、眩暈がした。突然と足場がなくなり、崖から突き落とされた気分だ。
「なんであいつが襲ったんだ……? 昨日までは仲良くしていたはずなのに……」
「あいつ……?」
 やっと、二言目を喋ってくれた。しかし、相変わらず顔を伏せたまま。
「ああ、昨日、俺が言っていたミューナの親友だ」
「あの子がミューナの親友?」
「無理はしなくていい。だけど、教えてくれ。ミューナに何があったのか」
「分かった……」
 デュタは涙声で、淡々と一部始終を語った。
 事件があったのは、今から1時間前。時刻でいえば、7時半。
 デュタは、ミューナに近くのコンビニでポテトサラダ用の魚肉ソーセージを買うように電話をかけた。
 だが、いつまで経っても帰ってこない。
 不安になったデュタは、マンションの周辺を探索した。
 そこで、デュタは悪夢的な光景を見た。
 白髪と銀色の唇と褐色色の肌が特徴的な少女に、馬乗されたまま首を絞められるミューナ。
 ミューナは苦しそうな顔どころか、血の気が引きかけている。
 デュタは考える猶予もなく、少女を殴った。
 殴られた少女は、デュタを睨みつけて、その場から逃げた。 
 デュタは、その少女を追おうとしたが、ミューナの安否を確認するために追うのを止めた。
 意識を失ったミューナを、デュタは応急処置をした。
 幸い、ミューナはすぐに意識を戻してくれた。
 しかし、首を絞められたショックからか、ミューナは一言も喋ることなく、家に帰ると部屋に籠ってしまった。
 そして、今に至る。
「これが私の知っている限りだ」
「いや、ちょっと待て。その白髪の少女って、何だ?」
「ミューナの親友じゃないのか?」
「いや、俺の知っているあいつとは違う……」
 どうにも情報が噛み合わない。俺の知っているミューナの親友、瀬良・リリィは茶髪で肌の色も浅黒くない。それに対して、デュタの知っている瀬良・リリィは、白髪の褐色肌、銀色の唇。どうしてこうも違うんだ? どちらにしても、ミューナの親友が襲ったのは間違いない。
「なんで、こんなことが起きたんだ……。あんなに仲が良かったはずなのに」
「耳」
「ミミがどうした?」
「ミミではない、耳だ」
 耳が一体どうしたんだ? それが今回の事件と関係があるのか? ミューナが何を言いたいのか、全然理解できない。
「あの子の頭にも耳が生えていたんだ」
「えっ?」
 ますます意味が理解出来なかった。
 耳が生えているのは当たり前だろ、人間なんだから。それとも、頭以外に耳があるとでもいうのか? 普段は冗談を言わないからって、こんな時に馬鹿なことを言うな。
「我々、アル・ビシニアンにはお前たち地球(セラン)人の言う所のネコ耳という耳が生えているじゃないか」
「それは何度も見ているから分かっている」
「彼女にも生えていたんだ、地球(セラン)人とは違う耳が」
「それって……」
 ようやくミューナの話の内容が見えてきた。それも衝撃的な事実を引っ提げて。
「ただし、我々のようなネコ耳とは違う。彼女には、お前たち地球(セラン)の言葉を借りると、イヌの耳だ」
「もしかして、お前たちと同じように宇宙人だとでもいうのか?」
「そうだ。彼女は、ウル・シュナイド。ウル・シュナイドという名の宇宙人だ」
「ウル・シュナイド……」
 イヌ耳を生やした宇宙人、それが瀬良・リリィの正体だなんて。
「デュタ……、それは見間違えじゃないだろうな」
「私が見間違えるはずがないだろ……。あのイヌの耳に、髪の毛の色、肌の色。全てが全て、ウル・シュナイドの特徴に当てはまる」
「褐色肌に、白髪。それがイヌ耳宇宙人の特徴の1つなのか?」
「そうだ。君が違うと言っていたのは、恐らくは不可視モードの応用で髪の色と肌の色も変えていたからだと思う」
「もうどうなっているんだよ……」
 俺は、デュタとミミがネコ耳宇宙人であるということを理解する前と同じように、イヌ耳宇宙人という存在に酷く混乱していた。
 あの日の非現実的な出来事、エリア51や東雲財閥といった宇宙人と繋がりのある機関、それらに関わったというのになかなか咀嚼が出来ない。ミューナたちネコ耳宇宙人の存在ですら常識の埒外だというのに、これと同じくらいに非常識な存在、それも身近にいたからだ。
 それでも、デュタが言っていることは間違いなく事実。俺自身がイヌ耳を見たわけではないが、生真面目な性格のデュタ、それも泣いている状態でそんな嘘が言えるはずがない。俺が信じないでどうする? それを疑うなんて、最低他ならない。
 ただ、僅かな時間でここまで大量の情報が明らかになると、脳が拒絶反応を起こしてしまう。いわゆる、カルチャーショックである。ネコ耳宇宙人という非常に特殊な同居人がいるというのに、あまりにも情けない話だ。
「君が悩むことじゃない。悪いのは、我々アル・ビシニアンとウル・シュナイドだ」
「アル・ビシニアンとウル・シュナイドが悪い? どうし……」
 俺が問い質そうとした時、外から呼び鈴が鳴った。
「すいません、夏目大和さんはいませんでしょうか?」
 声帯が未発達な少年の声がした。あまり聞き慣れないが、どこかで聞いたことのある声だ。
「代わりに俺が出てもいいか? 今、お前が出ても冷静にじゃないだろ」
「ありがとう……」
 デュタは小声で返答をした。
 俺は玄関へと駆け寄る。お客様を待たせるのは失礼な行為であるのは、ファミレスのバイトでも同じだ。
 しかし、腑に落ちないことが一つある。
 どうして、俺の名前を知っていたのだろうか? どうして、俺がここにいることを知っているのだろうか?
 武士なら、わざわざスカイタワー東雲側からではなく、俺の住んでいるアパートから入ってくるはず。スカイタワーはセキュリティが厳重で、招待した客以外はまともに入ることができない。
 それに、ここはデュタとミューナとミミが住んでいるマンション。それなのに、俺の名前を呼ぶのはあまりにも不自然すぎる。
 まあ、ドアを開ければ正体が分かる。
「はい、何か用事……」
 声の正体が分かった瞬間、俺は声を失った。
「夜分、失礼しますわ。夏目大和に、デュトナ・サイベリアス」
「お久しぶりですね、夏目大和さん」
 自動ドアの向こうにいたのは、客人2人だった。
 1人は、私立東雲学園の学生であり、東雲財閥の次期当主である令嬢、ブリジット・東雲。
 もう1人は、エリア51に所属する役員であり、俺たちの命を狙った忌々しき銀髪のネコ耳少年、ヴァン・スコラットだ。
「なんであんた達が……」
 ブリジットはともかく、どうして敵対関係であるはずの銀髪のネコ耳少年が。
「勿論、あなたがたに用事があるからですよ」
「用事? また捕まえに来たのか?」
「いいえ。そんな物騒なことでありませんよ」
「じゃあなんだ?」
「本日あった出来事について話したいことがありまして」
 なんでこいつが知っている? ほんの1時間半前に起こったトラブルなのに。
「どうして、あんたが知っているんだ? もしかして、監視でもしているのか?」
「そんな無粋なことはしませんよ。他の部署から情報が回ってきただけですよ」
 それがどういうことなのかは分からない。分かるのは、何らかの方法で情報を手に入れたということだ。ハッキリ言って、監視されている以上に気味が悪い。
「で、ブリジットも同じ用というわけか?」
「ええ、話が早いですわ。今日は、瀬良・リリィについて話したいことがありますの」
 やはり。東雲財閥が宇宙人と深く関わりがある以上は、その話からは避けられない。ましてや、瀬良はブリジットの親衛隊の1人。そうなると、ブリジットも瀬良について事情を知っていることは間違いない。
「立ち話もなんだから……、入れよ」
 俺は、仕方なく2人を部屋の中へと入れた。
 部屋に戻ると、俯きっぱなしだったデュタは顔を上げ、いかにも冷静であることを装っていた。
 しかし、顔は真っ赤、目も充血しており、少し前まで泣いていたことが手に取って分かる。
 それでも、デュタは逃げることも塞ぎ込むこともなく、現実と向き合っていた。
「久しぶりですね、デュトナ・サイベリアスさん。出会うのは、あの日以来でしたね」
「余計な話はいい、さっさと話すべきことを話せ」
「そんなに熱くならないでくださいよ。まともに話せないじゃないですか」
 デュタは出会って早々、ヴァンに対して警戒心を全開にする。
「くだらない争いをしている場合じゃないだろ。立って話すのも難だから、とりあえず座れ」
「それでは、甘えさせてもらいます」
「失礼しますわ」
 ヴァンとブリジット、そしてデュタは言われるがままにソファーへとゆっくりと、それもリラックスせずに座った。
 部屋の中に流れる険悪な雰囲気。ヴァン以外、話す前からこんな空気だと、これから話す内容が思いやられる。
「ヴァンに、ブリジット。今日は、瀬良って子の話があるんだろ」
「そうですが、何から話せばいいのか……。話したいことが多くて」
「じゃあ、お前に任せるよ。どこから話しても、同じ所に辿り着くのなら」
 どうせ聞かなければいけない話だ。どれから話を聞いても、大して変わらない。
「それではまず、アル・ビシニアンとウル・シュナイドの歴史でも話しましょう」

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は。
 第7話の内容から一転、暗い内容で始まった第8話。比較的スラスラと書けた7話と違って、話の内容が内容だけにカロリーをめっちゃ消費しますねえ。登場人物の心理描写や会話のやり取りといったものをいつも以上に注意しないといけないのですから。その上、書いているとこっちまで気分が沈むこともあるからな。本当に書くのが大変っす。
 で、今回の場面で一番力を入れたのは最初のパート。まあ、一体何のことかは読んでいたら分かることなのですが、こういう場面を読むのが好きだし、書くのも大好き。だから、全体的に落ち込んでいるとはいえ、ここはスラスラ~っと書けました。自分の中でもちゃんとイメージが出来ていますし。ただ、それが相手に伝わっているかどうかは怪しいですが。

 スローペースながらも、なんとか執筆をしているオリジナルのライトノベル。
 次回は、いつものように日曜日更新予定。ヴァンの口から語られる、ウル・シュナイドの歴史とは?それは、見てのお楽しみということで。

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