現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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存在の暴露。
2014-03-30 Sun 19:09

 両目が物もらいになったので前置きと後書きは無しで。

 めっちゃ目が痛い蔵間マリコです。
 今日はオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を更新します。ただし、物もらいがとても痛いのでそれ以上のことは書けませんので、許してください。
 あまり上手くありませんが、今回もどうぞ。
                   第7話 フォト・メモリー(7)

「ここが、ミミィのホームステイ先……」
 お気に入りの自転車を押して登った瀬良は、目の前にある超高層マンションに目を丸くしていた。
 スカイタワー東雲。東雲学園からおよそ1km、西東雲山に存在する建造物である。
 全50階、高さ200mを超える建造物は、東雲市で最も目立つ建造物の1つであり、近未来都市である東雲市の象徴の1つにもなっている。
 セールスポイントは、東雲市全景を眺めることの出来る最高のロケーションと未来的なデザインと機能が施された室内構成。これほどに至れり尽くせりなマンションは、簡単に見つからないであろう。
 当然ながら、そのような最新設備が揃った超高層マンションに住める人間などほんの一握りに過ぎず、部屋も常に満席状態。2年から3年の予約待ちで埋まっている。デュタとミューナがこのスカイタワー東雲に住めたのは、宇宙人という知られてはいけない正体の秘匿性を高めるため例外中の例外である。
「こんなに凄いところに住んでいるんだね、ミミィは」
「そうじゃ、ここに住んでおるのじゃ」
 ふん、と鼻を鳴らして胸を張るミューナ。
「後で写真撮影していい?」
「写真部だから、当然OKじゃ」
「きゃふぅ~ん!」
 飛び跳ねて喜ぶ、瀬良。その瞬間、本人の身体能力以上跳躍力を見せる。陸上大会であれば、間違いなく上位に入るほどオーバーに。
『愛しき者を守るためにー、その躰(からだ)をささーげて』
 ミューナのポケットから、大人気特撮ドラマ聖大天使(アークエンジェル)みんとの主題歌、『ピュアハート』が流れ出した。デュタからの電話である。
「もしもし、デュタだ」
「ミューナじゃ、何か用があるかのお?」
「今、どこにいるんだ?」
「スカイタワー東雲の前じゃ」
「なら、近くのコンビニで魚肉ソーセージを買ってくれないか。ポテトサラダに入れる具材を買い忘れたんだ。お金なら後で払う」
「そんなこと容易い事じゃ。15分もあれば十分じゃ」
「分かった」
 デュタとの連絡が終わり、ミューナは踵を返す。
「ちょっと買い物じゃ。瀬良もついてくるか?」
「うん、ボクもシャープペンシルの芯をちょうど切らしていたんだ。下り坂だし、乗っていかない?」
「では、コンビニにレッツラゴーじゃ!!」

 10分後、ミューナと瀬良は、コンビニで買い物を済ませた。
 買ったものは、魚肉ソーセージとシャープペンシルの芯、そしてアイスバーである。
「このアイス美味しいよね」
「うむ。初めて食べるが、とても美味しいのお」
 ミューナと瀬良が買ったのは、1本60円の昔ながらのアイスバー。
 チョコレートやナッツ類を着飾ったものでなく、フルーツのソースが入った洒落たものではない。特に工夫されたわけでもないバニラ味やチョコレート味、フレーバーで味をつけたイチゴ味といったものが3種類。良く言えば懐かしい味、悪く言えばチープな味。
 だが、その味を創業以来守っているが故に、老若男女ともに人気が高く、定番商品の1つとして君臨している。
「歩きながらアイスを食べるのも悪くないものじゃ」
 ペロペロとチョコレート味のアイスバーを舐める、ミューナ。舌はすっかりチョコレート色だ。
「デュタって? 留学先のご家族?」
「妾の姉みたいなものじゃ」
「姉みたいな?」
「そうじゃ、昔から妾の姉として一緒にいたのじゃ」
「そうなんだ」
 瀬良は聞きたかったが、敢えて追求しなかった。ミューナの言い回しからして、何か複雑な事情があると察知したからだ。親友と言えど、それは踏み込んではいけない領域というものがある。
 代わりに、瀬良は身の上話を切り出した。
「ボクはね、お兄ちゃんがいたの」
「ふむ、リリィには兄がいるのじゃな」
「お兄ちゃんとは、とってもカッコ良くて、とっても賢くて、とっても優しかった。ボクが風邪を引いた時は、一日中看病してくれたんだよ。ボクが頑張ったときは、よくなでてくれたんだよ」
「とても素晴らしい兄じゃな。今度合わせてくれぬかのお」
「それはちょっと出来ない」
「どうしてじゃ?」
「お兄ちゃんは、10年前に事故で……」
 瀬良は、とても寂しそうな表情で空を見上げる。大好きだった兄と出会うことが二度と出来ない、その苦痛と悲しみがどれだけのものなのか。ミューナにとって、それはデュタを失うのと同じくらいに辛い事であることと理解できる。
「湿ったような話にしてしまってすまぬのじゃ……」
「ううん。ちょっとミミィが羨ましくてね。でも、腹を割って話せたからスッキリしたよ。こんなことを話せる相手は少ないよ」
「そうか、それは良かったのじゃ」
 ミューナはしんみりと、優しい顔で返事をする。
 そして、瀬良の告白を聞いて、デュタもあることを決意していた。
 本来ならば隠すべきことであるかもしれない。宇宙民保護条約でも良しとされていない。
 でも、リリィも秘密を話した。このタイミングを逃して、いつ言う? それならば、やましいことがないほうが親友としても心地いい。
 ミューナは周囲を確認する。誰もいない。これならば、気兼ねなく明かせる。
「のお、リリィ」
「ん?」
「リリィ、お主が秘密を話しように、妾も話たい秘密がある」
「えっ……」
「これから明かすことは、とても重要なことじゃ。他の者には明かせぬ重要なことじゃ」
「ど、どういうことなの? ボク以外に離せないことなの?」
 突然の神妙な面持ちのミューナに、瀬良は慌てふためく。先までの雰囲気からのミューナと全く違う。まるで別人のようである。
「別に嫌なら、それでも構わぬ。妾はそれでも不都合はない」
「ええっ!? ど、どうしよう……」
 急に迫られた選択肢に、瀬良はしどろもどろしていた。
 そんなに真剣になって言う必要があるものなのか? 今言わないといけないことなのか? 他の人には言えないこととは、どういうことなのか? 
 他に言えないこと、もしかして……。
 緊張感のあまりに、瀬良は唾を飲み込んだ。そして、選ぶ道を決めた。
「う、うん……。分かった……」
「分かった」
 ミューナは瀬良よりも数歩先ほど坂を駆け上り、街灯の下へと移動した。街灯の光は即席のスポットライトとなり、この出来事の主人公であることを暗喩している。
「リリィ」
 風がなびいた。街路樹の梢が擦れ合い、自然ならではの心地良い音が生まれる。写真を撮るには絶好のタイミングだ。
 しかし、瀬良の耳や目には入っていない。一言も喋らず、ただただミューナの姿と声に注視するのみ。
「これが妾の正体じゃ」
 ミューナは、自らの球状型の髪飾りを指で撫でた。
 球体状の髪飾りの浅い淵を親指と人差し指で同時に3度撫で、聞き取れるか怪しいぐらいの呪文を呟く。「限定不可視モード解除」と。
 すると、ミューナの体の至る所から、プラズマを帯びた光の輪が頭上に現れたではないか。
「えっ!?」
 不思議な光は、ミューナの体を上から下へと何事もなくゆっくりと通過する。
 瀬良は、その超常現象に目が釘付けになる。
 それとともに、ミューナの秘密が明らかとなっていく。
 人にあるはずがないふさふさ毛のネコ耳、両頬に書かれたピンク色の2本線、そして細くて長くて可愛らしいネコの尻尾。
 プラズマを帯びた光の輪が地面に到達した瞬間、それはどこかへと消えて行った。
「ミミィ、君は……」
「妾は、この星の人間ではないのじゃ」
 この星の人間ではない存在。
「妾は、遥か遠くの宇宙から来た宇宙人じゃ」
 宇宙から来た存在。
「妾は、アル・ビシニアン。我々、はアル・ビシニアンなのじゃ」
 アル・ビシニアン。
「リリィ、今まで隠してすまぬ。我々は事情があって、このセラン、いやお主らの言葉でいうと地球に亡命することになったのじゃ。騙すつもりなどはないが、本当にすまぬ」
 言ってしまった、ヤマトたち以外の者に正体を言えた。
 これがどのような影響を与えるのか、ミューナは考えていなかった。
 おかしい人だと思われるかもしれない。
 嫌われるかもしれない。
 正体を周囲にバラされるかもしれない。
 だけど、ミューナは瀬良のことを無条件で信頼しているからこそ、悪影響のことなどを考えていなかったのだ。それは、デュタやヤマト、ヤマトの友人たちと同じように。きっとこれからもなんら変わりなく仲良くできるはずだ。
「ねぇ、ミューナ……」

 夕方6時半。
 今日のファミリーレストラン『ジュリー』のバイトは、かなり捗っていた。
 UFO騒ぎも10日以上経ち、話題も次第に沈静化していた。そのためか、客もピーク時に比べるとかなり少ない。暇でもなく、忙しすぎでもない。ちょうどいい塩梅だ。
 俺は精神的な余裕を持って、皿洗いや料理の盛り付け、皿の片付けなどを済ませていた。
 だからといって、手抜きをするわけではない。ここ数日間での財布へのダメージは計り知れない。いつも以上にアピールをして、時給アップを目指さなければ。
「今日は調子いいですね、大和さま」
 相変わらず、俺よりもテキパキと、それも効率よく動く妙。俺もこのくらいのスピードも仕事が出来ればいいのだが、現時点の能力では到底及ばない。それに邪魔になりそうなキツネ耳とキツネの尻尾をつけているのに、よく動ける。ここでは先輩であるが、その能力が羨ましい。
「仕事中だろ、私語は謹んで仕事をしろ」
「分かりましたわ」
 厨房で光る番号のライトを確認する。13番テーブル、UFOとペペと和食か。
 俺はそれら3つをお盆の上に載せて、お客様のもとへと向かおうとする。
「すいませーん、大和くん。ご家族の方から電話ですよー」
 間延びした女性バイトの声が、大戦場の厨房に渡り響く。
「なんだよ、このタイミングで。せっかく料理を運ぼうとしたのに」
「なんか、急ぎの用ですよ」
「急ぎ? 分かったよ、誰かこの料理を運んでくれないか?」
「大和さま、その仕事、わたしが済ませておきますわ」
 授業参観の子供のように手を挙げ、妙はアピールをする。
「ありがとう、妙。助かるよ」
 俺は仕事を外す時間を少しでも減らすために、速足で事務室へと向かった。
「なんだ、大和だ。こんな時に電話を……」
「大変なんだ、大和!!」
 いきなりの大声。その強烈さに、鼓膜の中で酷く残響する。
「落ち着け、落ち着けって。そんなに慌てていたら、話が出来んだろ。家事のことか? それとも、押し売りでも来たのか?」
「そんなのではない!! とにかく、落ち着いている場合じゃないんだ!!」
 普段は落ち着いているはずのデュタが、ここまで慌てることは余程のことだ。
 考えられる可能性は2つ。
 1つは怖いものを見た時だが、そんなために電話をかけるなんて考え辛い。
 では、もう1つの可能性だが……、それは考えたくない。
 それでも、怖くても聞かなければならない。自らの不安が杞憂であることを証明するためにも。
「もしかして、ミューナに何か……」
「ミューナが……、襲われて、倒れた……」
 涙でくぐもり、ぐしゃぐしゃとなったミューナの声。
 考えたくも、想像もしたくもない可能性が的中した。

 これで7話目が終了。
 来週からは8話目といいいたいところですが、実のところ、完成していなくて……。ノルマが上手くいかなくて、本当に駄目駄目な自分……。2ヶ月で1話という目標を立ていたのに……。

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