現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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小生意気な少女。
2014-03-08 Sat 20:02
 ちょっと今回の場面は長いので、今日と明日の2回で。

 進捗状況よりも、掲載ペースが早くて困っている蔵間マリコです。
 土曜日ですけど、イレギュラー的にあのコーナーを更新します。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタとミューナの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 本来なら用事でもない限りは日曜日更新のコーナーですけど、今回は土曜日と日曜日の前後編での2回に分けての更新。単にブログのネタ切れというのもありますけど、ちょっと長いセッションですからね。そのまんま載せても、読むのが辛いと思ったので。まあ、どれだけの人が読んでいるか怪しいですが。
 しかし、更新ペースに比べると進捗状況がちょっと厳しいんですよねえ。いや、サボっているわけじゃあありませんよ?ただ、ちょっと今の場面で苦戦していましてね……。どうしても納得のいく流れが作れないんですよ。大まかな流れは話を作る前から書いているんですけど、それとのブレが激しいというか、いざ書いてみると不自然なものでして……。考えるのと実行するのとでは全然別物であることを痛感させられます。
 ちょっと、前説が長くなりました。そろそろ本編へと入らせてもらいます。毎度毎度のことですが、稚拙な文章で読みにくいですし、面白くないかもしれません。それでも、感想やアドバイスなんかをしてくれると非常にありがたいです。
 それでは、今回もどうぞ。
                   第7話 フォト・メモリー(4)

 今日は、抜き打ち小テストがあったということ以外、特に何ら変哲もない1日であった。
 ブリジットが挑戦状を叩きつけたわけでもなく、担任の江草真来奈が変な物理実験を行ったわけでもない。抜き打ち小テスト以外、山も谷もない本当に平穏な1日だった。
 ただ、それは授業が終わるまでの話。放課後は、そうもいかなかった。
「武士もデュタも、これから部活だったよな」
「ああ、女子部員のブルマを拝みに行くぜ」
「まったく、相変わらずスケベだな」
 俺は漫才のツッコミのように、武士の胸を軽く叩く。
「私は茶道部だ」
「部活が楽しみだからといって、あまり無茶をするなよ」
 剣道部ならともかく、茶道部でどうやって無茶をするかは分からないが。
「行ってくる」
「頑張れよ」
 デュタは相槌が終わると、武士は校庭へ、デュタは茶室のある北校舎へと消えて行った。
「さて、今日はバイトがないから俺が夕食を作ることになるが、どうしようか? じゃが芋がたくさんあることだし、ミートボールを入れたカレーライスにでも……」
「ねぇねぇ、大和くん。あの約束覚えている?」
 背後から少女の声がした。そらだ。
「えーっと、なんだっけ?」
「もう、しらばっくれちゃってねえ。パフェだよ、パフェ」
「パフェ? もしかして、『テレサ』っていう喫茶店の傲慢店長の気晴らしフルーツパフェのことか?」
「違うよ、違う。『マリア』の店長自慢の特選フルーツパフェだよ。お金を貸す代わりに、奢ってくれるって言ったじゃないの」
 そういえばそうだった。デュタとミミの服代を借りた見返りに、パフェを奢ってほしいと言っていたな。
覚えていなかったらそのまま踏み倒そうと思ったが、ダメだったか。
「確かそれって3000円だよな? 1000円くらいのでいいじゃないか」
「それ、前に同じこと言ったよ。駄目だよ、男に二言はないでしょ」
 まったくこういう事まで覚えているとは。面倒なことになったな。
「もし奢らなかったら?」
「催促する。ずっと催促する。末代まで催促する」
 まるで幼稚園児だ。16歳の幼稚園児だ。どうにもなりそうもない。
「分かったよ、分かった……。今日は時間があるから奢ってやるよ」
「やったー! ありがとう、大和くん!」
 テンションあがりまくりの万歳三唱のそら。これでまた生活費が消えた……。今月本当に大丈夫なのだろうか? 給料日までまだ10日あるぞ。デュタとミミは、東雲財閥の機関から生活費を貰っているからともかく、このままでは俺の蓄えがなくなってしまう。
 しかし、その生活費を圧迫する悪魔がもう一匹現れる。
「大和さま、もしかして今日もデートですか? でしたら、わたしもよろしいでしょうか?」
 ああもう、このタイミング妙が現れるなんて。平穏な一日で終わると思ったら、最後の最後に最悪な日になりそうだ。
「今日は、私が大和くんに用事があるの。大事な大事な用事が」
「『マリア』の店長自慢の特選フルーツパフェを食べることがですか?」
「うっ……」
 完全に聞き取られていたようだ。どこで盗み聞きをしていたのか分からないが。
「いいじゃないの、たまには大和くんから奢ってもらっても」
「でしたら、わたしも店長自慢の特選フルーツパフェをいただいてもよろしいでしょうか?」
「そういう問題じゃないよ、私は大和くんと一緒に話をしたいの」
「そらさま、わたしはあなたの友達じゃないんですか?」
「それはそうだけど……」
「それとも、何か深刻な話でもするのでしょうか? それならわたしが相談に乗ってあげましょうか? 微力ながらも力添えしますから」
「う~ん、妙ちゃんそうじゃなくて……」
「大和さま、わたしも放課後付き合ってもよろしいですよね? 将来の旦那さまですか……、あれ大和さま?」
「大和くん、どこなの?」

「ハァー、ハァー……」
 俺は息を整えつつ、中庭の自動販売機にもたれかかった。
 このまま2人に付き合っていたら、この間のように争奪戦になってしまう。かといって、学校から出ようとすれば隠れる場所などない。となると、学校のどこかにしばらく潜伏するしかない。せっかくの放課後アフター5が台無しである。
 しかし、2人から逃げ切るために全力で走ったから喉が渇いた。缶ジュースでも買って、喉を潤わせるか。それからゆっくり考えよう。
 自販機に150円を投入。さて今日は気分を変えてコーラでも飲もうか。
 ピッ、ガシャコン、プシュー、ゴクッゴクッ。
 最低限の挙動で俺はコーラを半分ほど飲み干した。一気に飲み込んだせいか、ゲップが出そうだ。だけど、出そうでもない。なんとも中途半端な気分で違和感ありまくり。
 大体、そんなに急いで飲んでどうする。そらや妙にはそうそう見つかるわけがないんだから、ゆっくりとすればいいのに。
 俺は強化プラスチック製のベンチに座りこみ、天を仰ぎつつコーラをちびちびと飲む。ああ、炭酸と甘味が体中に行き渡って癒される~。
「さて、この後はどうしようか……。あの2人に見つからずに脱出する方法でもあれば……」
 ふと、俺はベンチの横に捨てられた一枚のプリント用紙を見た。
 プリント用紙には、『写真部部員緊急募集中!!』と書かれていた。そして、綺麗な風景写真が数枚。
 写真部? うちの学校にそんな部活あっただろうか? そんな部活動、あっただろうか? いや、部活動そのものに興味がないから記憶になくて当然かもしれないが。
 しかし、どうしてこのタイミングで部活動のビラなんて。部員勧誘にしては、ちょっと時期が遅いのではないだろうか。
「お主らも写真部に入らんかの? 写真部は素晴らしい部活動じゃ」
 中央校舎側の渡り廊下から聞こえる部活勧誘者の大きな声。
 癖のある口調に、少し幼さを残すトーンは思い当たる節がある。こんな特徴的な声の持ち主は、俺の知ってい限り、1人しかない。
「誰か、写真部に入らぬかー!! 写真部は面白いところじゃー!!」
「なんでお前が部活勧誘をしているんだ?」
「なんじゃヤマト、何か用があるのかのお」
 少女は振り返る。小柄な体に、特徴的な髪の色とツーサイドアップ、野球のボールと同じくらいの大きさの髪飾り、そして青と赤のオッドアイ。言うまでもない、声の主はミューナである。
「もしかしてお前、写真部に入ったのか?」
「そうじゃ、妾は写真部に入部したのじゃ」
 ふふんと腹を鳴らし、自慢げに語るミューナ。別に自慢することではないのだが。
「それにしても、お前が写真部に入るとはなあ……。お前の性格からすれば、もっとオタク的な趣味に興味があると思ったんだが。そんなにカメラに興味があるのか?」
「いや、妾は写真を取らぬ」
 おかしな話だ。写真撮影に興味があるから写真部に入部するのに、ミューナは写真を取らない。では、どうして写真部に入部をした?
「妾がモデルになるのじゃ」
 そういうことか、納得。いかにも自己主張の激しいミューナらしい発想だ。
「それでよく入部させてくれたな」
「妾の大切な友じゃからな。にゃははははは」
 まだ1日経ったか経っていないかぐらいで、こんな変わり者相手に深い仲になるとは。しかも、相手は正体を隠してはいるものの、生態系も価値観も文化も全く違うネコ耳宇宙人。相手の心が余程広いのか、あるいは相当変わり者かのどちらかだ。
「しっかしまあ、写真部なんてマイナーな部があるもんだな」
「マイナーとはなんじゃ、マイナーとは。写真部は素晴らしい部活じゃ」
 ムッとした顔付きで、ミューナは俺を睨みつける。
「写真撮影なんてニッチな趣味、学校に1人いるかいないかだろ。毎年映画を文化祭で発表する映画部ですらたった数名なのに。写真部なんて部員集めは無理……、ゴバァアアアッ!!」
 直後、背後から強烈な衝撃が走った。そして、そのまま緑樹帯へと頭から突っ込んでしまった。
「ねぇねぇ、ミミィ。調子はどう?」
「まあまあじゃ。あと15枚で、全部なくなる」
「ぼくは10枚。この感じだと、意外と早く終わりそうだね」
「明日には部員も大勢来るはずじゃな。にゃははは」
 激突したにも関わらず、それを気にせず始まる2人の会話。交通事故に遭った俺には気を使わないのかよ……。
 ガサガサと緑樹帯から抜け出し、木の枝や木の葉を振り払う。げげっ、最悪だ、制服に穴が開いちゃったじゃないか。
「あっ、お前は」
「なんだよ、激突しておいてお前呼ばわりは……、ってあんたはいつぞやの!?」
 そう、目の前にいる少女を俺は知っている。
 ミューナほどではないが小柄な体に、ラフな茶髪ウルフカットや幼さを印象付ける八重歯。
 先々週の土曜日、デュタ探しのため俺が武士と一緒にミステリーサークル現場へと行った折、向う見ずに突撃してきたブリジット大好き少女だ。
「あ、いつかの特徴のない男」
 出会って早々、苦々しく言葉を吐くウルフカットの少女。
「その言い方はやめろ」
「だって、特徴がないじゃん」
 ぐさりと突き刺さる一言。そんなに俺は無個性なのか?
「特徴がないのは分かったから、夏目大和って名前で呼べよ」
「じゃあ、こいつでいいや」
 なんだよこいつ、下級生で、それも全然面識がないのに馴れ馴れしい……。
「おい、なんでさっきぶつかったんだよ。この間も体当たりくらったんだぞ。少しは謝れよ」
「ぼくは悪くないよ、交通妨害したお前が悪い」
「はいっ!?」
「あんな所でボーっと立っていたんだから、ぶつかって当然。赤信号なのに、横断歩道で突っ立っているのと同じ」
「こいつ……」
 この期に及んで謝らないどころか、悪人呼ばわりするとは。ミューナが相手なら教育的指導ものだ。
「で、なんで妨害していた?」
「だから妨害じゃないって。俺はミューナと話していたんだ」
「ミミィ、こいつと何か関係があるの?」
「妾はこやつの所に居候しているのじゃ」
「えーっ!? なんでこんな何の取り柄もない特徴のない男の家に住んでいるの? 嫌じゃないの?」
 こんなにボロクソ言われたのはいつ振りだろうか? イライラを通り越して、心が折れそうだ。
「いや、ヤマトはとてもいいやつじゃ。口は悪いが、とてもいいやつじゃ」
 口は悪いは余計だが、フォローしてくれるから良しとしよう。
「こいつが? とてもいいやつには思えないけどなあ……」
 じーっと睨みつけながらグルグルと俺の周りを調べるウルフカットの少女。肉食獣に追い詰められた草食獣のような気分であまりよろしくない。
「もうこれ以上話すことがないんなら、俺は帰るぞ。夕食も作らないといけないからな」
「結構結構、ボクはミミィと一緒にまだやることがあるからね。邪魔しないでよ」
「邪魔なんかするか。お前なんか見たいな偏屈者と関わっても、ビタ一文の得も……、はぐぁっ!?」
 直後、俺の体に再び凄まじい衝撃が走った。ただし、今度は倍以上の衝撃が伸し掛かっていた。
 立ち上がろうにも立ち上がれない。まるで金縛りにあったようだ。
 何故ならば、そらと妙が馬乗りになっているからだ。
「見つけたよ、大和くん!! 今日という今日は逃がさないの!! 店長自慢の特選フルーツパフェを奢ってくれる約束守ってよね!!」
「大和さま、今日のアフター5はデートに行きましょ!!」
「お、重たいから離れろって!!」
「「ダメ!!」」
 体の上から聞こえる2人の黄色い声。どんなに弁明しようが、誤魔化そうがどうにもならない。もう諦めるしかないのか? 俺の財布も命もこんなところで尽きてしまうのか?
 いや、諦める必要などなかった。
「ミューナに瀬良やないか、ここで何やっとん?」
「もしかして、取り込み中?」
 誰かよく分からないが、ミューナの親友と思わしき女生徒が2人ほど通りかかる。
 これは、この苦境から逃げ切る最大のチャンス。
 本当は、男して恥ずかしくて使いたくないが、使わせてもらう!!
「助けてくれ、そこの女子生徒!! 食堂でケーキを奢るからさ!!」
 裏技、買収である。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、夏目大和のアフター5と部活勧誘の光景を描きました。日常パートですので、コメディ調を重点に。面白いかどうかは分かりませんが、自分なりの感覚で書いたつもりです。
 自分としては、今回のパートで力を入れたのは、夏目大和と瀬良リリィとの会話。2話目でのいざこざを引きずる形で書いたのですが、いかにリリィが大和に対しての敵対心を見せるか、そこに苦労をしました。態度やアクションは当然ですけど、台詞回しはそのウェイトが大きい。出来るだけユーモアかつ大和を煽るような台詞を思いつくのに、かなりの時間がかかりましたよ。まあ、それでも時間内に思いついたものであって、満足のいくものではありませんが。

 面白いけど、苦戦中のオリジナルのライトノベル。
 次の更新は、最初書いたように明日更新の予定。大ピンチから抜け出すために最終手段を取った大和だが、どのような受難が待ち構えているだろうか?それは、見てのお楽しみ。

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