現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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別れと出会い。
2014-01-26 Sun 20:06


 1話が結構時間かかるなあ……。

 苦戦しつつも、楽しみながら書いている蔵間マリコです。
 さてさて、日曜日ですので恒例のコーナーを更新させてもらいます。貧乏高校生、夏目大和とネコ耳宇宙人、デュタとミミの共同生活を描いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 毎週更新しているこのコーナーですが、今回で第6話目が終了。いや~、書き慣れている人にとっては70ページ程度のもの1ヶ月もかからないんだろうけど、自分は2ヶ月もかかりましたからねえ。元々遅筆というのもありますが、調子の波というものが激しいからなあ。もうちょっとペースが早ければと思うことがたびたび。
 で、現行の進捗状況ですが、本日、ようやく7話目がひとまず完成しました!!5日前に書き終えて、3日ほど推敲。チェックしたところに致命的なミスが数ヶ所ほど見つかって、修正するのにかなり苦労しましたよ。でも、この作業をしないとダメダメな今の物よりも、さらに悲惨なものになりますからね。少しでも良い物を作るためには、細かいチェックは何事も重要重要。
 ちょっと話が長くなりました。そろそろ本編へと入らせてもらいます。いつも言っていますが、あまり文章力や構成力は上手くありませんよ。それでも、読んでくれて、感想を書いてくれるととてもありがたいです。それでは、今回もどうぞ。
                第6話 グッバイ、ハローワールド(7)

 けたたましく置時計が鳴り続けている。
 かれこれどれくらい鳴っているだろうか。30分? それとも1時間?
 俺は、置時計を手元に手繰り寄せ、ベルを止める。
 針は、12時を指している。すなわち、昼だ。
 休日だからといっても、これは寝すぎだ。今日は今日で、朝から済ませたいことがあったというのに。
 しかし、どうして起こしてくれなかったのだろうか、デュタとミミは。あの2人なら、毎日起こしてくれるはずなのだが。
 デュタ? ミミ?
 そういえば、静かだな。外からは、バイクやら車やらの騒音はするが、2人の声はない。
 いや、そもそも時計がずっと鳴りっぱなしであることがおかしい。2人がいるのなら、ベルをとっくに止めているはずだ。
 ベルを止めない?
 そういうことか……。
 もう、デュタとミミはいないんだよな……。
 昨日で、短い夢が終わったんだよな……。
 分かってはいたけど、何か実感として湧いてこない。大声で呼べば、どこかから返事をしそうだ。ただ単に、買い物に出ているだけかもしれない。
 だけど、そんなわけがないと頭の中で理解していた。理解していたが、それを認めたくなかった。認めたら、何かが壊れそうだから。
「なんだよ、お礼の一つも言わずに……」
 溜息とともに、涙が漏れ出てしまった。
 男であるというのに、どうして泣いている。泣くな泣くなと散々言っておきながら、デュタにでも見られたら笑われてしまうじゃないか。忘れ物でも取りに来たデュタとミミに見られたらどうする。
 俺は、気を誤魔化すためにTVをつけた。
 流れているのは、朝の情報番組『休日ナビ』の映画ランキングのコーナー。昨日見た、ナマズアタックがランキング3位に入っている。あんなにつまらないSF映画が、この順位に入っているなんておかしい。きっと騙されてみた人が殆どであることに違いない。
 だけど、そんなことどうでも良かった。もうミミはいないんだから。
 そういえば、今日は12時過ぎているんだよな。まだ何も口にしていないから、何か作ろう。
 俺は、冷蔵庫の中にある卵と残りの野菜でスクランブルエッグを作った。だが、今日はどうも上手く作れずに卵を焦がしてしまった。俺としたことが。
 だけど、そんなことどうでも良かった。もうミューナはいないんだから。
 俺は、一昨日に買ったレーズンパンを取り出し、スクランブルエッグとともにつまむ。レーズンパンがパサパサでお世辞にも美味しくはない。今度から別のパンを買おう。
 だけど、そんなことどうでも良かった。もうデュタはいないんだから。
 1人で見るTVに、1人で食べる朝食。
 これが本来の形であるはずなのに、デュタとミミとミューナがいないだけで、こんなに寂しいとは。何一つ痕跡を残さずに消しているだから、寂しさが募るばかりだ。
 それは、武士もそらも妙も同じかもしれない。特に、そらは宇宙人と出会えたことをとても喜んでいたからな。いると信じていた宇宙人に出会えた、そらにとってこれほど嬉しいことはないだろう。それだけに、デュタとミミとの別れは……。
「はぁ……、でもいつまでも落ち込んでいてもどうしようもない。気合を入れないと」
 俺は、腫れぼったい頬を両手で叩く。どうにかして、気分でも変えなければ。
 そうだそうだ、今日は武士の家にでも洒落込んで一日中ゲームをしよう。そうすれば、明日には何事もなかったようになれるはずだ。それか、武士のお気に入りの聖大天使みんとを通しで見るのも悪くないな。ああいうのも、たまにはいいかもしれない。
 と、自分の心に言い聞かせるが、それは全く意味のないことであった。
 再び涙が零れ落ちる。
 どうしてこうも今日は朝から泣いているのだろうか。全然俺らしくないや。
「デュタ、ミミ……。今頃、どうしているのかなあ……。せめて、到着したことぐらいは連絡をしてくれたらいいのに……」
「にゃまと~、ジュースもらっていいにゃ?」
 少女の明るく黄色い声が、六畳一間を支配する。
「いいけど、あんまり飲みすぎるなよ。虫歯になるぞ」
「にゃあ!!」
 少女は、冷蔵庫の中をごそごそと物色する。その後ろ姿は、ハムスターのようにこじんまりとして可愛らしい。
 そうだよな、ミミがいた時は子供らしく明るかったんだよな。それが煩(わずら)わしく感じることもあったけど、人懐っこい性格でとても元気だった。新しい妹が出来たと思えるほどに、愛おしかった。
「にゃまと? にゃまと、どうして泣いているのにゃ?」
 心配に思ったのか、少女は俺の顔を覗き込む。少女の表情は、明るいとは少し言い難い。
「ああ、もう出会えないからな」
「誰ににゃ?」
「誰って、そりゃあデュタとミミに決まっているじゃな……」
 俺は、ここに来て気が付いた。
「ミミは、いるにゃ」
 ミミがいる。
 デュタとともにどこかに行ったはずのミミが、目の前にいる。
 何故だ? さっぱり皆目見当つかない。
「なんで、ここにいるんだ? 出て行ったはずじゃあ……」
「ここから来たのにゃ」
 無垢な笑顔で、ミミは部屋の奥を指差した。
 そこには、一昨日から立掛けられていた一枚の板が。
 ただし、昨日とは違い、紙が剥がされ、代わりにUFOの内部にあったような材質のパネルとなっている。これが、デュタとミミのプレゼントとは。大きいものであるにもかかわらず、今の今にも気付いていなかった。
「これはなんなんだ?」
「触るにゃ」
「こ、こうか?」
 俺は、特に深く考えることもなくパネルを力強く触れた。
 途端、パネルはなくなり、俺の腕を支えるものはなくなった。
「うおっと!?」
 バランスを崩し、前のめりに床へと叩きつけられてしまった。鼻っ柱が痛い。
 しかし、そんな事よりも重要なことがある。
 パネルを通り抜けた先、そこには俺の知らない世界が待ち構えていた。
 最初に視界に入ったのは、木製のフローリング。それも、新品の高級品だ。
 立ち上がり続いて見えたのは、海と空と街を展望できる強化ガラスの窓。夜になれば、より一層に綺麗に見ることが出来るだろう。
 他にも、壁に映し出される最新型TVに、3人は座ることの出来る立派なソファー、センス溢れるデザイン性のテーブルなどといったものが揃っている。ドアも全室自動扉で、台所や風呂も未来的だ。
 そして、部屋の端には段ボール箱が重ねられている。段ボール箱には、『東雲運輸』の文字が。
 ということは……。
「おはよう。大和」
 視覚外から現れたのは、デュタだ。何も言わずに去ったはずのデュタだ。
 目も口も鼻も耳も髪の毛も肩も腕も胸も腰も太腿も足も寸分違うことのない、昨日までいたデュタだ。違うのは、昨日着ていた服とは違うぐらいだ。
「ど、どうしたんだ一体!? どういうことだ? それにこの部屋。一体絶対どうなっている? 俺にはまったく理解ができん!?」
 こんなに混乱したのは、先週の三人組の襲撃以来かもしれない。状況が全く把握できない、理解できない、朝からおかしなことが起こりすぎている。
「大和、落ち着かないか。近所に迷惑だぞ。それに目が真っ赤だぞ」
「落ち着いていられるわけがないじゃないか!! お前たち、出て行ったんじゃないのか!? もう2度と会えないんじゃないのか!?」
「もう2度と会えない?」
「なんだにゃ?」
 デュタとミミは、いまいち事態の掴めていなげな顔だ。
「そうだよ!! 契約書を書いたじゃないか!!」
「確かに書いた。だが、2度と会えないとは言っていない」
「んにゃ」
「えっ?」
 オーバーヒートしていた脳が、冷温停止された。
「我々は1度もさよならと言っていないぞ。引っ越しすることは言ったが」
「んにゃ」
「えっ?」
 冷温停止した脳から、徐々に熱が抜けていく。
「宇宙民保護条約第69条第2項には、退去しないといけないとは書いていた。だが、それは仮住まいしている場合だ。だから、私たちはここに住むことにした」
「んにゃ」
「はぁっ?」
 熱の抜けた脳は、通常運行モードへと移行する。
「火曜日に出会った東雲という少女から、ここを貸してくれた。流石にタダで借りるのは引けるので、出世払いということにしてもらったぞ。『スカイタワー東雲』という所だが、眺めはとてもいいし、生活はとても快適だ。大和達も優しいが、東雲という少女も優しい」
「んにゃ」
「な、なんだよ……」
 やっと事情が分かり、安心をした。それと同時に、酷く脱力してしまった。
 俺は、くたくたと膝から着き、口からは「ははは」と変な笑い声が漏れだす。
「にゃまと、だいじょうぶにゃ?」
「大丈夫さ……。でも、良かったぁ……」
 嬉しさのあまりにポロポロと大粒の涙を零してしまった。
「大和、何かあったのか?」
「あったさ。あったから、泣いているんだ……」
 涙が止まらない。嬉しいから涙が止まる気配がしない。
 良かった……。
 まだ、こいつらと一緒にいることが出来るんだ……。

                             ※

 驚くべき事実がもう一つあった。
「諸君、おはよう。特に野郎ども、今日は朗報がある」
 いつもと同じように露出の激しい赤いボンテージと白衣を着こなす江草真来奈(えぐさ まきな)。いつものことであるが、とても教師らしからぬ人物だ。
「入ってもいいぞ」
 引き戸を開けて、教室に入ってきたのは、凛とした姿の少女だった。
 神秘的な水色のショートヘアーに、付け焼刃の作り物ではない引き締まったな顔つき、無駄な贅肉を徹底的に取り除いた締まりきった体、そして見事なまでに大きなおっぱい。
 入ると否や、教室内はどよめきに包まれる。
「わあ、かっこいい……」
「妙ちゃんもいいけど、新入生もそれに負けないな」
「おい、あの子、先週の月曜日に大和と絡んでいたよな」
「もしかして、大和の新しい彼女?」
 いきなり色々と話しているよ。ただ、俺の話はやめてくれな。
「あーあー、静かに。今から、転入生の自己紹介を始めるぞ」
「私の名前は、デュトナ・サイベリアス。呼び名は、デュタでもデュトナでも構わない。アルビ……ニューヨーク州の生まれだが、両親の方針で、東雲学園に留学することになった。日本の生活について知らないことは色々あるが、よろしくたのむ」
 そうだ。デュタとミューナは、この東雲学園に入学することになった。
 デュタは高校2年生から、ミューナは高校1年生から、ミミはブリジットの屋敷で一時預かり。これも、マンション同様、ブリジット・東雲の計らいのようだ。数日前は悪く言ってしまったが、後で謝らなければならない。
「見てみろ、このバスト。男なら一度はうずめたくなるなるだろ」
 むにむにとデュタのおっぱいを指で押す、担任教師の江草。絶対に女の皮をかぶったセクハラ親父だろ、こいつ。
「これはなんでしょうか、先生。ここでのコミュニケーションの一環でしょうか?」
「……」
 デュタは、この状況を全く理解していない。江草の試みは、完全に空振ってしまったようだ。
「じゃ、じゃあ、デュタさんはあの席に座ってね……」
「分かりました」
 デュタは本来、武士のいた席へと座る。
 ちなみに武士はどこへと行ったかというと、前の扉に一番近い席だ。サボることも出来なければ、一番目立つ最悪な位置だ。武士は抗議したが、結局は強制的に配置転換されてしまった。ご愁傷様。
「学校でもよろしく、大和」
「ああ、よろしくな」
 デュタは、可能な限りに小さく声をかける。当然ながら、俺は返事を返す。
 学校ではネコ耳とネコの尻尾は隠しているが、学校でも始まったネコ耳宇宙人との交流。
 一時はどうなるかと思ったが、まだまだこの生活は続きそうだ。
 いや、ずっと続いてほしいものだ。

                                          第6話 終わり

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、デュタとミミとの別れの後とエピロローグを書きました。昔からよく使われているベッタベタな展開ですけど、自分なりに展開や言葉の使い方に注意しました。
 自分としては、今回力を入れた点は2つ。1つは、大和の心境。人間とは違う存在であるネコ耳宇宙人といがみ合ったりトラブルもあったが、それ以上に思い出をもらった。そんな大和の心境をどのように描くか。そこで『だけど、そんなことどうでも良かった』は、デュタやミミ、ミューナとの思い出を行動で思い返すと言ったような反復にして、より印象的にしてみました。小細工みたいなものかもしれませんが、自分なりに工夫してみました。
 もう一つは、ミミをどうやって可愛く描くか。これは、ここに限らずとも共通していることですが、ミミというキャラを書く時は、いかに可愛く描くかということに注意しております。我儘な性格だけど肝が据わってるミューナとは違い、年相応でマスコットキャラらしさを重視して、キャラのギャップを作る。それが伝わっているかどうかは分かりませんが、今出来る限りのことをしたつもりです。

 やっと6話目が終了したオリジナルのSFファンタジーライトノベル、彼女たちの極秘事項(トップシークレット)
 次回は冷却期間ということで、来週はお休み。再来週更新の予定。その間にでも、明日から執筆開始の8話目をガンガン進めて行きますわ。

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