現在連載中の『極黒のブリュンヒルデ』をはじめ、デビュー作の『エルフェンリート』、スキージャンプ漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、ライトノベルの執筆をしております。どうぞごゆっくり見てください。
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恐怖の二時間。
2014-01-05 Sun 20:20

 今年最初のラノベ投稿ということで、こちらもよろしく。

 6話分は進めぐらいは頑張りたい蔵間マリコです。
 さてさて、2014年も同じく更新しますよー。貧乏高校生の夏目大和と、ネコ耳宇宙人のデュタとミミとの共同生活オリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』を。
 今年も始まりましたこのコーナーですが、相変わらず進捗状況が遅いですねえ。去年の気の滅入っていたころに比べるとだいぶ早くなったとはいえ、それでも週に10~12ページ程度だからなあ……。毎日テキストを開いて睨み合ってから書いてはいるのですが、亀の歩みで……。やる気はあれど、なかなか筆の進まない状態であります。
 こうなると目標の6話分更新するというのもちょっと怪しくなるなあ……。クールタイムとか含めても週15ページほど頑張れば十分到達できるそこまで難しくないものだし、絶好調の時は20ページ書けた時もあったからねえ……。なんとかして力を入れねば。勿論、執筆力を上げないとね!!
 と、ちょっと新年一発目から愚痴っぽい前座となりました。気分を切り替えて、そろそろ本編に入らせてもらいます。お世辞にも上手いとは言えませんが、それでも優しくアドバイスをしてくれると非常に有難いです。
 それでは、今回もどうぞ。
                第6話 グッバイ、ハローワールド(4)

 ブルーマリン東雲。
 近未来都市のモデルシティとして名高い東雲市の中でも、象徴的な複合型商業施設である。
 2000店以上のショップをはじめ、世界でも有数の満足度を誇る遊園地、夜間でも楽しめる遊園地や水族館、一年中使うことが出来る屋内型ファミリープールやスキー場など、一日ではすべてを回りきることが出来ないほどの広さとなっている。他にも、最新鋭のコンパニオンロボットの大量起用、最新型動く歩道、無水手洗い器などといった、東雲家電と東雲重工の技術の結晶が集結し、まさに未来の街として成立している。
 そんな世界でも指折りの複合型商業施設に到着した俺達3人は、人気施設の1つへと行った。
「ここはどういう施設だ? 色々な映像が流れていたり、ポスターが貼っているじゃないか。ここが楽しむ施設というのか?」
「きれいだにゃあ~」
 デュタとミミは、あまり周りを気にせずにきょろきょろと見回す。地球のものひとつとっても珍しいものばかりだろうが、特に娯楽施設は好奇心を注がれるのは間違いないだろう。
「ここは、映画館と言ってな、大画面で色々な映像を見るんだ」
「それは、大和の家にあったTVというやつか?」
「違う違う、スクリーンに映像を流したものを見るんだ。見たら、驚くぞ」
「それは楽しみだ」
「にゃ!!」
 と、デュタとミミに期待をかけさせたはいいものの、何を見ればいいか困る。
 別に恋人同士でもないのに恋愛映画というのは、あまりにも恥ずかしい。SF映画は当たりはずれが激しい。コメディ映画にしても、センスが通用するか怪しい。ホラー映画は、ミミがいるから論外だ。アニメ映画というのもなあ……。
 じゃあ、ここは俺のセンスに任せて……。
「ミミ、これがいいにゃ!!」
 ミミが、シャツの袖を引っ張り、そして、一つのポスターを指差した。
 ポスターには、絶叫する一組の男性と女性、そして中央には間の抜けたナマズ顔の化け物が。タイトルは、『ナマズアタック』とでかでかと書かれている。TVCMなどでも見たことも聞いたこともない、いかにも低予算なタイトルとポスターだ。
「こ、これにするのかぁ?」
「ミミ、これが見たいにゃ」
 明らかに地雷だ、見えている地雷だ。わざわざこれを踏みに行く奴なんているのか? よほどの物好き以外、有り得ない。本当にそれでいいのか?
「ミミがそれでいいというのなら、私もそれにする」
「デュタもか!?」
「何を驚いている? 不都合でもあるのか?」
「いや、まあ、その……。それでいいんだな?」
「くどいぞ、大和。ミミも私もそれが見たい」
「はいはい、分かりましたよ」
 俺がどうこう言っても無駄だ。今日は、デュタとミミのためにセッティングしたイベントなんだから。仕方がないが、そのナマズアタックとやらにするか。
「いっらしゃいませ。本日は、どの映画を鑑賞になられますか?」
 にこやかな表情の女性店員。いかにも、場慣れしている感じだ。
「ナマズアタックを一般2枚、子供1枚」
「後ろのお連れ様、2人分ですよね」
「そうですが」
「今日はカップルDAYということで、お2人様は半額ですね」
「えっ!?」
 耳を疑った。
 どこからどう見たら、俺とデュタがカップル見える? ただ、遊びに来ただけだ。
「だって、お2人様はカップルですよね? お子様は、こちらの女性のお連れで」
「いやいや、違いますって」
「あれ、違いますか? なら、ご夫婦ですか?」
「それも違いますから。だから、学生2枚に、幼児1枚です」
 なんで明後日の方向へ行く? この年齢で夫婦というのは、おかしいだろ。
「いや、カップルじゃなくてもいいですよ。半額にしておきますから」
「あーもう、それでいいですよ」
「ありがとうございましたー!!」
 何かおかしかったのか、口調が明らかに上がっていた。
 半額にしてくれるのは嬉しかったが、素直には喜べなかった。数日前の弁当の割引とは、ワケが違う。ただ、遊びに来たというだけなのに、こっちがからかわれたじゃないか。
「3枚買ったぞ、これでいいんだな? あと、これだ」
 俺は、トレーに乗った紙カップを2つ渡した。大きめのものと小さめのものだ。
「これはなんだ?」
「なんだにゃ?」
「これは、ポップコーンという食べ物だ。これを食べながら、映画を見るんだ」
「ほほう、それは面白そうだ」
 興味津々そうに返答するデュタ。さっきよりは、緊張がほぐれている。
「あと、これだけは注意しておけ」
「ん?」
「大騒ぎをしない。他の人も映画を見ているんだ。これが、映画を見るときのマナーだ」
「そうか、それでは静かに見よう」
「わかったにゃ」

 ナマズアタックとは、いわゆるSFホラーものの映画だ。
 アメリカのクリスタルレイク付近で、体中を噛まれた人間の変死体が発見される。最初は、野犬の仕業として捜査していた主人公だったが、主人公の彼女が住む家にナマズ顔の化け物が襲撃する。死闘の末に、ナマズ顔の化け物を倒すことに成功する。しかし、これは、これから起こる大事件の序章に過ぎなかった。
 というのが、ナマズアタックのあらすじだが、これがもう面白くない。
 そもそも、話の内容があまりにも酷すぎるし、登場人物の演技がビックリするほどヘタクソ。それにカメラワークがあまりにもぶれすぎて、雑な作りだ。物語の中盤には全く伏線無しの超兵器の登場が登場するし、台詞回しも安っぽい。そして、肝心のナマズの化け物は、あまりにもチープすぎる。予算が余りかけられないという事情があるのかもしれないが、全然怖さが伝わって来ず、それどころか上映中に苦笑してしまうほどだ。これが、個人製作の映画なら許されたかもしれないが、映画会社が作ったものとなると、あまりにもお粗末だ。詐欺そのものだ。なんで、こんな映画が存在するのか問いたいぐらいだ。
 だが、壊滅的につまらない映画をミミとデュタは、驚くことに楽しんでいるのだ。
「にゃ、にゃまと、こわいにゃ!!」
 恐怖のあまり、画面から目を逸らし、俺の手を握りながら震えるミミ。そんなに怖いんなら、やっぱり見るなよ。ちょっと嬉しいけどさ。
 デュタはデュタで、映画を魅入っているのだろうか? 声一つも出さずに、スクリーンを見ている。俺はつまらないが、デュタには面白く感じているのかもしれない。

 結局、そんな調子で2時間30分という退屈な時間が過ぎてしまった。
「こわかったにゃ……。でも、たのしかったにゃ!!」
 人間的価値観としてはZ級ともいえる映画に、ご満悦のミミ。こんな小さな子に映画の内容が理解できたのだろうか? それでも、喜んでくれたことには変わりはないのだから結果オーライだ。
 そういえば、デュタは全く反応がない。映画が終わって、一言も喋っていない。余韻にでも浸っているのだろうか?
「デュタはどうだった? 面白かったか?」
 反応なし。
「デュタ、聞こえるのか? 聞こえるなら返事をしろ」
 やはり反応なし。もしかして……。
「デュタ」
「あ、ああああ、ああ。たたたたのしかったぞ」
 振り向いたデュタの顔はブルーハワイのように真っ青で、今にも泣きそうだった。
「嘘つけ。映画を見ていた時に動かったなかったのは怖かったんだろ、どうせ」
「そそそ、そんなわけなないじゃないか」
 誰がどう見ても、怖がっている、動揺している。
「いい加減認めたらどうだ? 怖かったって」
「……」
 およそ5秒ほどの沈黙。そして、
「怖かった!! とてつもなく怖かったぞ!!」
 ついに爆発してしまった。
「なんであんなに怖い生き物が、地球(セラン)にいる!! 我々のデータベースには存在しないぞ!! 新種の生物兵器なのか!?」
「えっ? あれを本物だと思っていたのか?」
「じゃ、じゃあ、あの怪物は偽物だというのか?」
「偽物というよりも、特殊メイクとか着ぐるみの類だ。分からなかったのか?」
「えっ?」
 安心して脱力したのか、デュタは崩れるようにアヒル座りをする。
「な、なんでそれを早く教えてくれなかった!?」
「いや、聞かれなかったし」
「デュタ、だいじょうぶ?」
 幼子に慰められるとは、何とも情けない。これでも、ミミを守るつもりなのか?
 それにしても、デュタにも弱点があったとは。それも、可愛い弱点が。
 普段は、ラフの格好だからあまり気にはしていなかったが、そらの言うとおり、やっぱり女の子だな。
「つ、次は怖いところはやめてくれ」
 涙を溜めながら、弱々しく頼み込むデュタ。
「分かった、分かったよ。だから泣くなって」
「本当だな?」
「約束するからさ」
「分かった……」
 デュタは溜まっていた涙をハンカチで拭き、ゆっくりと立ち上がる。その顔は、誰がどう見ても不機嫌であることが分かるものであった。
 やれやれ、映画一つでこんなに面倒事になるとは……。周りの人が、変な目で見ちゃっているよ。世間体というのも、教えておく必要があったかな?
 さて、落ち着いたことだし、そろそろ次のイベントにでも……。
「ミミ、おなかへった」
「え?」
 そういえば、そうだ。11時から始まった映画だから、もう1時半だ。どこかで、昼食を済まさなければ。
「じゃあ、そろそろ昼食に行くか。だから、急ぐぞ」
「何故、急ぐ必要がある?」
「それは行ってみてのお楽しみだ」
 
                               ※

「ふわあああ~あ、よく寝た……」
「よく寝たじゃないよ!!」
 そらは、眠気スッキリの武士の頭を小突く。
「いってえ!! 俺が何をしたんだ!?」
「何をしたじゃないよ!! また大和くんを見失ったじゃないの!!」
「ああ、そうだった!!」
 武士は慌てふためき、半分ほど残っていたポップコーンを床にばら撒いてしまう。
「もう、何してんの!? さっさと綺麗にして、早く大和くんを追おうよ!!」
「わ、分かったから、そんなに慌てんなって」
「妙ちゃんも、早く!!」
「あわわわわ……、はい!!」
 妙も慌てふためき、半分ほど残っていたメロンソーダを床に零してしまう。
「きゃあ!!」
「妙ちゃん、濡れなかった?」
「だ、大丈夫です……」
「お、俺が被害遭っているんだが……」
 妙は幸いながらメロンソーダでびしょ濡れになることはなかった。代わりに、武士の服にメロンソーダの大きなシミが出来てしまった。
「そんなの、放っておけば乾くよ。それよりも、大和くんたちを!!」
「おいおい、映画館は静かにするのがマナーだろ」
 三人の席よりも、一つ上の席から声がした。大人の女性らしく艶やかな声だ。
「江草!!」
「担任の教師に向かって、呼び捨てとは失礼だぞ、犬飼」
 江草は、ズレていた黒縁の眼鏡を直す。
「江草先生、こんにちは。今日は、映画を見て、気分転換ですか?」
「惜しい。この映画で昼寝をしに来た。睡眠導入剤としては最高でな」
 軽く欠伸をして、目をこする江草。よく見れば髪の毛はぐちゃぐちゃではないか。
「それよりも3人、こんな格好をして何をしている? もしかして、いちゃいちゃラブラブのデートかぁ?」
「そんなわけねーだろ」
「では、別に理由でも?」
「江草先生、かくかくしかじか」
「ほほう、それは興味深い話じゃないか」
 3人の話を聞き、にやにやとにやける江草。
「先生も行きます? とても面白いですよ」
「いや、私はこれから家に戻らないといけないんだ。家族を待たせているからな」
「あれ? 江草先生って、実家からの出勤なんですか?」
「そういうわけではないが、私の子と一緒に暮らしている」
「「「私の子?」」」
 喉に小骨が刺さるような言葉だった。江草は少なくとも独身であることは校内でも有名。シングルマザーなどという話も聞いたことがない。かといって、養子に入れるような性格にはとても考えられない。
「それはそうと、大和を追わないのか?」
「あっ!?」
 ほんの数分前までいたはずの夏目大和は、映画館から既にいなくなっていた。このままでは、また見失ってしまう。
「月曜日に、結果報告を聞かせてもらうぞ」
「わっ、分かりました!!」
 そらたち3人は、猛ダッシュで映画館から抜け出した。大和たちのデートを追うために。

 どうでしたか、今回の彼女たちの極秘事項(トップシークレット)は?
 今回は、映画館でのそれぞれの反応を書いてみました。酷い映画の内容に退屈な大和、怖がりながらも楽しむミミ、怖さのあまり声も出ないデュタ、そして爆睡する武士と江草。特にデュタの怖がりようには力を入れてみました。普段はボーイッシュな性格であることを考慮して、どのように怖がらせるか、どうやったら可愛らしく見えるか。まあ、結構悩みましたよ。
 あと、今回の内容分で登場した謎の映画。アレは、自分の知っている限りのダメな映画の要素を色々と混ぜて作ったものです。世間で言われる評価が非常に低い映画やZ級映画と呼ばれるダメダメ映画、そういったもので見たことのあるシーンをパッチワーク的に引っ付けたといいますか……。解説自体短いので何を指しているかは分からないですけど、自分としては「もし自分が見たら面白くないなあ」と思うものを端的に選びました。ただ、もうちょっと頑張って書けそうでもありますけど。

 なかなか労力は使うけど、楽しく書いているオリジナルのライトノベル。
 次回はいつも通りに日曜日更新予定。大和がデュタとミミを喜ばせるためのサプライズは、続いてはどんなものであろうか?それは見てのお楽しみ。

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