オールオアナッシング。
デッドオアアライブ。
何処までも
倫たんを応援する
蔵間マリコです。
週刊ヤングジャンプ連載の
岡本倫のスキージャンプ漫画『
ノノノノ』も最終盤に入り、ますますテンションが上がってきました。遠野実業、月山商業、雪野高校の強豪校のジャンプも終わり、残すは奥信高校だけに。まさに、勝利へのお膳立ては出来たといったところです。
しかし、その奥信高校のアンカーは岸谷。一流揃いの選手が参加しているIHで、唯一といってもいいぐらいの二流の選手ですからねえ。しかも、クリスマスの時に刺された傷口が開いて、文字通り瀕死の重傷。棄権すれば助かるが、飛べば死亡は必死な状況。
でも、岸谷には飛ばないといけない理由がある。チームメイトの男装ジャンパーの悠太が好きだからだ。幼き日に一目惚れした少女との約束。その少女が、悠太そのものであったのだから飛ばなければ、名が廃る。死を覚悟して、奇跡の逆転を狙う岸谷。悠太の制止を振り切って。
そんな切羽詰った展開で前回は終わりましたけど、今週はどのような結果となったのか。そして、岸谷の安否は!?語彙も文章力も残念なストーリー解説ですが、最後までよろしくお願いします。
第139話『
一流のジャンパー』
止まらない出血、止めようのない感情、止めれない滑走。岸谷は、自らの命を賭して、人生最後のジャンプに出る。奥信高校が優勝するためには、最低でもHSを越えなければならない。今までのジャンプで、一度も到達した事のない領域を突破するなど、至難の業である。それが負傷していれば尚更の事。もっともそれを知っているのは、チームメイトの悠太と、崖から上りあがり血塗れで会場に戻ってきた皇帝だけだが。
滑走の中、岸谷は更に体力を奪われ、意識も奪われていく。辛い、しゃがみたい、家に帰りたい、風呂に入りたい、横になりたい、もうずっと寝たい…。岸谷の思考は、休むという行動に次第に支配されていく。
しかし、それと同時に彼の見える景色は様変わりした。『景色が止まって見える!!』、この逆境の間際に思いもかけないチャンス。岸谷は、一流のジャンパーとしての素質に目覚めのであろうか?
いや、それは岸谷の早計であった。景色の止まった世界は、変化を遂げて、全く別のものとなる。滑り台を滑る子供の頃の自分、入学式の時の自分、ライバルであり親友であった天津と喧嘩した時の自分。次々と駆け巡る昔の光景。彼は、光景の正体を悟り、毒吐いた。走馬灯、死の間際に見るビジョンである。
だが、彼に残された時間と体力と血液は無い。その死の光景を振り切り、現実のスローな世界に見据える。そして、カンテを踏み切る一瞬が来た。岸谷は、絶好のタイミングを狙い、後は風の流れが最高のものになる事を信じ、飛翔した。
瞬間、カンテに向かって強い風が吹いた。岸谷は、それを見逃さなかった。正しくは何時ものジャンプスタイルが功を奏したといって良いだろうか、宙で前傾姿勢を取る岸谷は上手く風に乗る事が出来た。強運とは、まさにこの事である。
高い、高い、高い…。それは、今までこの大会で飛んだ選手よりも、高い飛翔である。赫よりも、皇帝よりも、野々宮よりも…。超越的な跳躍に、ただ釘付けにされる選手と観客たち。
失血しすぎて、体力も奪われすぎたせいか、傷の痛みを感じない。これならば、何とかテレマークを決めれるかもしれない。だが、岸谷は妥協しなかった。一番下の転倒ラインで立っていなければ、あそこを通過するまでは転ばない。それが生死厭わずとも。
その岸谷の意思が通じたのであろうか、K点を易々と通過、それどころか優勝を決定付けるHSまでもを凌駕した。瞬間、会場は歓喜と驚嘆の声に包まれた。勇み喜ぶみかげと佐藤。思いもかけない展開に閉じた口が閉まらない皇帝、岸谷の安否にただ涙する悠太。あとは、テレマークを決めて、フィニッシュするだけだ。
しかし、岸谷の運と命はここで尽きた。
全てを賭したジャンプは、掛け値が足りなかったのだ。
宙で姿勢が崩れ、地の向きには頭、空の向きにはスキー板が…。
今週は前回に引き続き、今回は岸谷メインの回だったけど、恐ろしい事になってしまった…。いや、想像出来た可能性の一つだったけど、岸谷は結構好きなキャラだから、それだけは回避してほしいと願った。だが、それが叶わなかった。相変わらずではあるが、
岡本倫先生は残酷である。
さて、自分が今回の見所だと思ったところを幾つか紹介。まずは、何を意味しているのか大体予想のつく扉絵。今週は、久々のアフロ皇帝。最後に登場したのは、124話目の回想だから何時もの皇帝だなあと思うのだが、何故か懐かしく感じてしまった。だが、それ以上に注目すべき点は、皇帝のポーズ。
エルフェンリート時代の扉絵と先の二人は手を振っているポーズを取っているのだが、皇帝はそうではなく、親指をグッと立てている格好だ。多分、皇帝に手を振るポーズを取らせるとただのギャグになるから、仕方なくコレを選んだのだと思う。個人的には、様になっているからアリだと思う。
次に、空を飛ぶ岸谷。正直、前回以上に台詞が重たいものになっていた。所々語られる弱音の中に、夢を叶えるためには妥協を許そうとしない姿勢。その二律背反的な感情が交互に描かれているため、読んでいる側の心がグラグラと動かされてしまう。特に、『
傷の痛みを感じない…。』と直後の『
絶対に転ばない!!』は、死を強く暗示させるためか、凄くやるせない気分になってしまった。
そして、転倒。もうこの時点でテレマークを決めるという結末は無くなった。このまんま、皇帝の言っていた石ころのように転ぶしかないという選択肢しかなくなったけど、絶対に駄目だろうなあ…。運が良くても、複雑骨折及び出血多量による体への障害が起きて、スキージャンプが出来ない身になるあたりだろうか。最悪な場合だと、
エルフェンリートのマリコみたいに粉々になって(マリコの場合は、内蔵されていた時限爆弾が爆発して粉々になったのだが。)、会場が鮮血に染まる。どう転んでも、嫌な光景しか思い浮かばない…。スキージャンプの神様と
岡本倫先生は無慈悲だ。
凄惨な結末まで秒読みとなった
ノノノノ。
今回は、内容が内容だけにテンションを低めに書かせてもらいました。恐らくは、来週の
ノノノノはもっと気分が消沈しているかもしれませんが、一応は期待してください。それでは、では。
ノノノノ139話の評価
満足度 ☆☆☆☆
スポーツ度 ☆☆☆☆
出血度 ☆☆☆☆
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